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上履きやスリッパ入れにも!軽量「シューズケース」はファスナー&マチ付きで使いやすく!【大人のお裁縫レッスン#21】

DIY

子どもの入園・入学などで活躍したミシン、使っていますか? せっかくなら、身近なアイテムをハンドメイドしたり、ちょっとしたお直しができるようになったら素敵ですよね。そこで、連載動画「大人のお裁縫レッスン」開講です!

今回教えてもらったのは「シューズケース」の作り方。靴を履き替えることの多い保護者会や旅先などで使えるアイテムです。マチ付きなので収納力も抜群! ファスナー仕様でシューズが飛び出す心配もありませんよ。裁縫教室の講師を務める“たま先生”こと、常田玲美さんに、手順やワンポイントをレクチャーしてもらいました。

軽くてかさばらないから、携帯しやすい!

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今回は、ナイロン生地の中でも縫いやすい「ナイロンオックス」(生地裏に撥水加工アリ)という生地をセレクトしました。

通常ナイロン生地を縫う場合、針を11番(普通地用)から9番(薄地用)にしたり、滑りがよくなるテフロン押さえに付け替えたりするのが一般的です。ですが今回は、生地の特性上、11番の針&通常押さえのままで製作しています。

また、ファスナーも通常押さえのままで縫い付けています。ただし、お使いのミシンによってはファスナーの金具部分に押さえが当たる可能性があるため、適宜「ファスナー押さえ」に付け替えて作業しましょう。

下記の材料欄では、子どもの上履き入れにも使える一回り小ぶりな“小さめサイズ”も紹介していますので、ご参考にしてください。

ファスナー&マチ付き「シューズケース」

(仕上がりサイズ) 36cm×24cm×マチ8cm

【材料】1個分

・布(縦38.5cm×横63cm) ※今回はナイロンオックス生地を使用
・ファスナー 1本(35cm)
・持ち手テープ 1本(2.5~3cm幅×30cm)

小さめサイズ
(仕上がりサイズ)約 縦31cm×横22cm×マチ8cm

・布(縦33.5cm×横59cm)
・ファスナー 1本(30cm)
・持ち手テープ 1本(2.5~3cm幅×30cm)

【道具】

・ミシン糸
・定規
・印付け用ペン
・糸切りバサミ
・目打ち
・アイロン
・クリップ(布を留める用)
・薄地用の針、テフロン押さえ、ファスナー押さえ(いずれも適宜)

(1)ファスナーを付ける

ファスナーを中表で折り、中心に印をつけます(布ウラに)。

「ファスナーの長さとは“金具から金具まで”なので注意してくださいね」(以下「」内、たま先生)

布の短辺を中表で折り、こちらも布ウラの中心に印をつけたら、布とファスナーを中表に重ね、中心を合わせて中心→両端の順でクリップ留めしていきます。この時、ファスナーと布端が揃っていなくてもOKです。

次に、スライダーをおろしてファスナーをやや開いた状態にしてから、布端を縫い代5mmで縫います。

途中で針を落としたまま押さえを上げ、スライダーを上げたら、最後まで縫います。ファスナーを縫う時は、必ず途中でスライダーを移動させるのを忘れないようにしましょう。

ファスナーを表に返し(縫い代は布側に倒れている状態)、幅2mmのステッチを入れます。

反対側も布とファスナーの中心を中表で合わせたら、中心→両端の順でクリップ留めし、縫い代5mmで縫っていきます。

ファスナーを全開にし、布オモテから幅2mmのステッチを入れます。

「反対側を縫う時は、向かって右側に布が溜まっているはず。最後は布が“輪”の状態になるので徐々に縫いづらくなるかと思いますが、布を上手にさばきながら縫っていきましょう」

(2)マチを作る

ファスナーが一辺となるように折り、ファスナーとは反対の辺の両端に、糸切りバサミで5mmほどの切り込みを入れます。

「この切り込みのことを、お裁縫用語で『ノッチ』と呼びます。ノッチはあとで印を消す手間がいらず、一回の切り込みで表裏どちらにも目印がつけられるので便利です。もちろん、印付け用ペンなどを使ってもOKですよ!」

次に、ノッチとファスナーが重なるように布をたたみ直し、四隅にノッチを入れます。

再びファスナーを一辺としてたたみ直し、短辺の中心にあるノッチを重ね合わせます。そのノッチを中心として、両側4cmの位置にそれぞれノッチを入れます(下の布と重ね合わせて2枚同時にノッチを入れると効率的)。反対の辺も同様に作業します。

写真左のAを山折り、Bを谷折りにします。布端がズレないよう重ね合わせてクリップ留めします。合計4箇所、同様に作業します。

ここからはミシン作業。短辺を縫い代5mmで縫います。

(3)持ち手を付ける

ファスナーがある面の短辺の中心から、両側3cmの位置に印をつけます(小さめサイズの場合、持ち手間が5cmとなる位置に印をつける)。印の外側に持ち手をのせて、クリップ留めします。

「縫い目を切ってしまわないよう、ここは印付け用ペンで」

先ほどの縫い目と重なるようにして持ち手を縫い止めます。

ファスナーから布を裏に返します。すると、タックが表裏それぞれにある状態に……。ファスナーがある面にタックが揃うよう、角を折り返します。

「ここで、目打ちなどを使いながら四隅の角をしっかり出してあげると仕上がりがきれいですよ。ぜひこのひと手間を」

(4)袋縫いで仕上げる

ファスナーを開けてから、短辺を縫い代7mmで縫います。

「縫う前に、必ずファスナーを開けておくことをお忘れなく! もし閉じたまま縫ってしまうと、最後に布を返すことができなくなってしまいますよ。

また、縫う時は指先で折り山を丁寧に整えながら縫っていきましょう。布が4枚重なっているところなので指先に力がいりますが、ここは頑張りどころです! ファスナー部分にさしかかったら、左右の金具の高さをしっかり揃えてから縫ってあげると見た目もきれいですよ」

最後に、ファスナーから全体を表に返して整えたらできあがり。23〜25cmほどのパンプスならサッと出し入れできるシューズケースの完成です!

袋縫いだと、縫い代が内側に隠れて見た目が美しいだけでなく、縫い目が強く丈夫に仕上がるのだそう。靴を持ち運ぶ上で、しっかり丈夫なのも安心ですね。

薄地なので、折りたたんでもかさばりにくく、持ち運びしやすいのも◎!

今回はシンプルかつシックな色合いで上品に仕上げましたが、布地や持ち手、ファスナーを変えるだけで一気にスポーティーな印象にも。

より丁寧に作り方をご紹介している動画を見ながら、アレンジ無限大の“オリジナルシューズケース”を手作りしてみませんか?

 

構成/kufura編集部

常田玲美(たま先生)
常田玲美(たま先生)

洋裁講師。

文化女子大学(現・文化学園大学)服装学部服装造形学科を卒業後、伊勢丹新宿店にて、紳士服のお直しの仕事に携わる。自身主宰の裁縫教室での講師のほか、ミシンメーカーでのワークショップの開催、出版物へのレシピ提供などで活躍中。現在は、毎月大人・子ども合わせて約40名以上の生徒をレッスン中。

『裁縫の楽しさを一人でも多くの人に』を目標に、Instagram(@nuinui.tamama)などで生徒作品や裁縫のちょっとしたテクニックを発信中。

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