あれから1年、備蓄の食料の入れ替えやグッズの見直しが必要かなと思っていたところ、『アイリスオーヤマ』のメディア向け防災セミナーに出席する機会があり、ペット用の防災セットの存在を知りました。
我が家には2年前に子犬がやってきたのですが、可愛い“ウチの子”用の防災対策は手つかずだったので、即取り入れたい!
セミナーでは、犬や猫とともに被災した際の現状も教わりつつ、商品開発のこだわりを聞きました。
ペットと被災した時、【同行避難】と【同伴避難】の違いは?
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アイリスオーヤマの調査によると、飼い主がペット用防災セットの保有している割合は犬・猫ともに2割だったそう。(写真/アイリスオーヤマ提供)
もし被災したら……我が子のことだけでも精いっぱいですが、ペットも家族の一員。一緒に自宅待機や車中泊という避難のパターンもありますが、避難所に一緒に避難する場合についてレクチャーを受けました。
【同行避難】・・・安全な場所までペットと一緒に避難するが、過ごす場所は別。
【同伴避難】・・・避難所でペットを飼育管理しながら一緒に過ごす。
東日本大震災まではペットを連れての避難は一般的ではありませんでしたが、現在は環境省が災害時は飼い主の自己責任の下でペットを連れて避難する【同行避難】を推奨しています。
私が住んでいる自治体で調べたところ、小中学校など一時避難場所では【同行】はできますが【同伴】を受け入れている施設は見つけられませんでした。
つまり、ペットを連れて避難した場合、一緒に過ごせる確率は限りなく低いのです。ペットたちは、山積みになったケージに一匹ずつはいれる場合もあれば、オープンスペースで放し飼いのようになってしまう場合も……。
「その時」を想定して、飼い主として責任を持って、正しい知識や準備が必要だと感じました。
初心者向けのペット用防災セット、開発のこだわりは?
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実際に災害が起きた時に同行避難の指南書になる「防災手帳」もセットされています。
アイリスオーヤマから8月下旬に発売された「ペット用防災セット(犬用/猫用)15点セット」(税込4,400円前後)は、【同行避難】を想定した仕様です。
「最初はペットの安全性を優先して人間でいうならヘルメットのような物など、色々なものを盛りだくさんに入れた内容や、商品のクオリティーをできるだけ高くすることも考えましたが、【同行避難】についての認知度がまだまだ低いなか、その啓蒙活動ができる商品にすることを優先して、アイリスオーヤマらしく手に取りやすい価格にこだわって開発しました」(アイリスオーヤマ株式会社 ホーム事業部 商品企画チーム 畠中 洋輔さん)
セットの中身は、犬猫共通するものがこちら。
ショルダーバッグ/ごはんとお水用のディッシュ2枚/寒さ対策のアルミシート1枚/破れにくいおそうじシート1枚/折りたたみトイレ/防臭袋20枚/迷子札/首輪/怪我の手当用の自着生テープ/タオル/ガーゼ素材のハンカチ/テープ/防災手帳
犬用のみにセットされているのはペットシーツ10枚とリードで、猫用のみにセットされているのは猫砂用のスコップと猫ネット。


フードや猫砂は、気に入っているものしか食べない、慣れた砂でしか排泄しないなど好みがあるのであえてセットしなかったそう。その代わり、バッグのマチを広くして2~3日分の必需品や嗜好品がはいるゆとりのある設計になっています。

斜め掛け以外にも、肩掛け、腕掛けもできます。(写真/アイリスオーヤマ提供)
私が、我が家にも即導入したいと思った理由は、リュックではなく、ショルダータイプのバッグだったこと。
実際に避難するとなると、人用の防災リュックをしょって、愛犬はペットキャリーに入れるかリードでつなぐので、片手を空けるために斜め掛けできなきゃ持ち出せない! 人間とペットの避難を現実的にとらえた視点だなと思いました。

折りたたみトイレは、防水仕様にしてクオリティを上げる案もありましたが、価格を抑えるためにあえて紙製に。
防災セミナーに参加して、人間だけでなくペットの防災意識も高まりました。
昨今の自然災害の状況を考えたら、お迎えする段階で防災意識も持つべきだったし、防災対策の認識が甘かったと反省……。まずは、この入門編ともいえる防災セットを備えて、うちの子仕様にバージョンアップしていこうと思います。
【取材協力】アイリスオーヤマ

大学卒業後は銀行に就職するも、大好きな雑誌の世界に飛び込む。