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「ハロウィン」が何の日か知っている人は50%以下!? 否定的な意見も多い、日本のハロウィン事情

仮装をしたり、「Trick or Treat」とお菓子をもらったり、限定スイーツを食べたり、最近では日本の行事としても浸透しつつある「ハロウィン」。しかし実際は何のお祭りなのか、その意味を知らない人も多いのでは? 

kufuraでも20代~60代の男女500名にアンケートを行ったところ、ハロウィンが何の日であるかを知っている人は、半数以下と判明。さらにハロウィンに対する意見を聞いたところ、賛否両論。予想以上に否定的な意見が多く集まりました。そこで今回のテーマはハロウィン。みんなの意見や、今年の予定についても尋ねてみました。

■ハロウィンが本当は何の日であるかを知っていますか?
「知っている」・・・42.2%(211人)
「知らない」・・・37.8%(189人)
「よくわからない」・・・20.0%(100人)

ハロウィンは古代ケルトがルーツとも

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ハロウィンは、キリスト教における「万聖節」(諸聖人の日)の前夜祭として10月31日に行われていた行事や、今から2000年以上前に、ヨーロッパの古代ケルト人が行っていた宗教的なお祭り「サヴィン祭」が起源と言われています。

古代ケルトでは11月1日が新年であり、大晦日である10月31日に、秋の収穫を祝い、悪霊を追い払い、それと同時に死者の魂が家族のもとへ戻ってくる日として信じられていたのです。そして死者の魂と共にやってくる悪霊に、人間だと気づかれないように仮面を付けたり、火を炊いたりしたことから、仮装をする習慣ができたのだとか。

ちなみにハロウィンのメインイベントでもある「Trick or Treat」(=「悪霊にいたずらされたくなければ、お菓子をちょうだい」と言いながら家々を回る習慣)は、ハロウィンを怖がった子どもたちが楽しめるようにと始まったのがきっかけとも言われています。子どもたちが悪霊に扮して近所の人にお菓子をもらうことで、子どもでも楽しめる行事として親しまれているようです。中世の収穫のおこぼれを子どもが拾う習慣も入っているという説もあります。

日本にハロウィンの文化が伝わったのは1970年代ごろ。1980~1990年頃からディズニーランドやキディランドなどでパレードが行われるようになり、2000年代にはお菓子メーカーがハロウィンに参入。スーパーなどでお菓子やグッズが売られるようになり、イベントとしての認知度が一気に上がったようです。子どもたちが家を回る習慣はあまりないようですが、子ども会や商店街のイベントとして行っている場所が多いですね。

スーパーなどではハロウィン仕様のお菓子が8月末からちらほらと。左から「うまい棒」「ポッキー」「ルマンド」。
「ポッキー」のハロウィンパッケージ。
「ルマンド」のハロウィンパッケージ。
「うまい棒」のハロウィンパッケージ。

「ハロウィン」に対して好印象の人は22%、半数以上が否定的

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では実際、みなさんは日本におけるハロウィンについてどう思っているのでしょう。アンケート結果を見てみると、「楽しい」「いいと思う」といった好感的な印象を持っている人は約2割だったのに対し、「やめて欲しい」「迷惑」といった否定的な意見をもっている人は半数以上いることが判明。「どうも思わない」「興味がない」という人も3割近くいました。詳しいコメントは以下の通り。

「楽しい!」「かわいい!」「おいしい!」ハロウィン賛成派の意見

最も多かった賛成意見は、「仮装する子どもがかわいい」「盛り上がって楽しい」「デコレーションが素敵」といったもの。また「この時期限定のお菓子を楽しみにしている」といった人も多く、新たな秋のイベントとして毎年楽しみにしている人も少なくないようです。

「子どもも楽しみにしているからいいと思う」(41歳男性/その他)
「文化背景はさておき、子どもたちが楽しんでくれたらそれでいい」 (44歳女性/主婦)
「美味しいスイーツがたくさん販売されるので、甘い物好きにはありがたい」(24歳女性/学生・フリーター)
「街の雰囲気なども含め楽しい雰囲気で良いと思う」(27歳女性/総務・人事・事務)
「経済が活性化するなら良いと思います」(59歳男性/その他)

大人が楽しむハロウィンについても、仮装するいい機会だし、マナーさえ守っていれば賛成という意見も目立ちました。

「仮装を楽しめる貴重なイベント」(45歳男性/コンピュータ関連以外の技術職)
「マナーを守って楽しむなら別に良いと思う」(46歳男性/その他)
「世間がにぎやかになって楽しくなるので良いと思う」(69歳女性/総務・人事・事務)

そして、海外の文化を知るいい機会と考える人もいるようです。

「外国の文化を楽しみ、英語に親しみをもつためのイベントだと思います」(47歳女性/主婦)
「伝統では無いので、若い人たちの作ったお祭りとして、今後もあって良いのでは」(52歳女性/その他)
「本来の意味とは違った仮装イベントになっているが、クリスマスも日本では違った意味合いのものになっているし、節度を守って楽しめればよいのではないかと思う」(54歳女性/主婦)

今の子どもたちにとって、ハロウィンは年中行事のひとつ。

「マナーが悪い!」「騒ぎすぎ!」「意味がない」というハロウィン反対派意見

特にここ数年、仮装した若者が街に集結してトラブルが起こっているというニュースをよく聞くことから、あまりいいイメージを持たない人が増えているのかもしれません。

「マナーの悪い大人が仮装して騒いでいるのは印象が悪い」(53歳男性/総務・人事・事務)
「ただのお祭り騒ぎです。ゴミも大量に発生するので良い目では見ていません」(35歳男性/デザイン関係)
「東京でのハロウィンの状況を見ると カオスだと思いました」(31歳男性/コンピュータ関連以外の技術職)
「子どもの楽しいイベントのイメージだったが、本格的に怖い仮装をする大人が多くなって渋谷の様子は引く」(51歳女性/主婦)
「儲け主義でバカ騒ぎしすぎ」(44歳男性/企画・マーケティング)

また、日本の伝統的なイベントではなく、突然数年前から広まってきたイベントという点も納得できない人が多い理由なのかも。

「伝統的な文化では無いのでやめるべき」(31歳男性/その他)
「古くから定着しているクリスマスなどと異なり、突然バカさわぎをするようになった気がする。日本には不要な行事」(69歳男性/会社経営・役員)
「外国の行事に浮かれずに、自国の行事を大切にして欲しい」(52歳女性/その他)
「本来の意味と違う盛り上がりに違和感を感じている」(56歳男性/企画・マーケティング)
「アメリカの真似ばかりして面白くない」(67歳男性/その他)

ハロウィンの夜の渋谷は「DJポリス」と呼ばれる警察官がスクランブル交差点の平和を守っていました。

自分に関係ないから興味なし!賛成でも反対でもない派も

イベントとして興味がないから特に意見をもたないという人も多いようです。確かに、興味を持って積極的に参加しない限り、身近なイベントにはならなさそうですね。

「小さい頃は今みたいなイベントなかったし興味なし」(41歳女性/総務・人事・事務)
「興味はないが、期間限定のお菓子などは買ってしまう」(48歳女性/総務・人事・事務)
「毎年コスプレだけするイメージ」(28歳男性/その他)
「クリスマス同様、本来なら日本という国にとってはあまり関係のないイベントなのに企業がビジネスチャンスとして活用しているという印象が強い」(55歳男性/その他)
「特に何もしないので気にならないです」(57歳女性/営業・販売)

最後に、イベント自体に反対はしないが、ある程度の規制は大切という意見も多く見られました。

「あまり人に迷惑をかけないよう気をつけるべき」(31歳女性/その他)
「ハロウィン自体は否定しないが、少々騒ぎすぎだと思う」(36歳男性/その他)
「迷惑をかけないなら自由にしていいと思う」(52歳女性/その他)

みんなのハロウィンに対する意見、あなたはどう思いましたか?

仮装する人は2%!? ハロウィンは「何もしない」が85%

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賛否両論あったハロウィンですが、最後に今年の予定について聞いてみたところ結果は以下の通り。

■今年のハロウィンには何をする予定ですか? 当てはまるものをすべて選んでください。

「仮装する」・・・1.8%(8人)
「パーティーをする」・・・4.5%(20人)
「テーマパークのハロウィンイベントに行く」・・・0.9%(4人)
「かぼちゃで“ジャックオランタン”を作る」・・・1.1%(5人)
「ハロウィンの飾りを家に飾る」・・・8.9%(40人)
「お菓子をたくさん準備する」・・・15.6%(70人)
「Trick or Treatの付き添いをする」・・・0.9%(4人)
「何もしない」・・・84.9%(381人)

最も多かったのは、「何もしない」で約85%。次いで、「お菓子をたくさん準備する」で15.6%でした。「ハロウィンの飾りを家に飾る」という人も1割弱。「仮装する」という人はわずか約2%程度だったことを考えると、まだまだ日本ではイベントを楽しんでいる人は少なさそうです。

アメリカのハロウィンはデコレーションも力が入っています。
子どもたちは仮装をして、「Trick or Treat」と近隣の家をお菓子をねだって歩きます。
夜はライトアップも。

一方、ハロウィンはクリスマスに並ぶほど盛り上がるアメリカ。9月中旬ごろからハロウィンのデコレーションがスタートし、街が気味悪い雰囲気に!? かわいらしいデコレーションよりホラー系のものが多く、あちこちにホーンテッドマンションや墓場が出現するのです。ガレージにお化け屋敷を作る家や、プロジェクションマッピングを駆使した映画のセットのような庭を作る家も登場。このデコレーションの収納のためにトランクルームを借りている人もいるそうですから、気合いの入り方が違いますね。

当日は子どもたちが夕方ごろから「Trick or Treat」に大忙し。中には100軒以上の家を周り、バケツ数杯分のお菓子を集めて帰ってくる子ども達もいるほど。大人も子どもも仮装をし、ホームパーティーをしたり、街中で行われるパレードに参加する人もいるようです。

国によってそれぞれデコレーションやイベント方法が違うハロウィン。機会があったら比較してみるとおもしろいかもしれませんね。

ちえ
ちえ

エディター・ライター歴20年以上。女性誌やアウトドア雑誌、情報誌、スポーツ誌(自転車雑誌、水泳雑誌)などで執筆。2017年から主人の仕事に帯同しアメリカに移住。小学生の男児、中学生の女児とともに、異国の地での生活に奮闘しながら、執筆活動も継続中。現在はニュースや海外生活情報などを担当。アウトドアと旅行が大好き。趣味はパン作り。

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