8月…暦の上では秋でも、実際の季節は夏真っ盛り!
null旧暦の8月というのは、今で言うと9月頃のこと。そのため“葉が落ちる季節”=葉月という名前がついたと言われています。
ところが今の太陽暦の8月と言ったらどうでしょう! 暑さ真っ盛りですよね。
8月の風物詩と言ったらお盆休み。多くの人がふるさとに帰省し、8月13日から16日の4日間には、全国でさまざまなお盆の催しが行われます。
ところで7月の新盆と8月の旧盆の違いとは何でしょうか?
これは明治時代に旧暦から、私たちが今、使っている暦に変わったためです。そのため日本に昔からある行事は約1カ月遅れになりました。ですから、そもそも7月に行われたいたお盆が、8月に行われるようになったんですね。
ちなみに7月に行われる新盆は東京などの一部地域のみで、全国的に見ると8月に行われる旧盆が主流です。
8月の行事…花火大会と盆踊り
この2つも8月の風物詩です。
盆踊りというのは、その名のとおりお盆と結びつきが深く、お盆に戻ってきた先祖の霊を供養するための踊りです。昔の人にとって娯楽の要素も強く、盆踊りは出会いや交流の場でもあったんですね。
そして花火大会。花火大会の起源となったのは、江戸時代に行われた両国大川(現在の隅田川)で行われた水神祭り。「明暦の大火」と「享保の大飢饉」に襲われ、悲惨な状況だった当時、将軍であった徳川吉宗が死者の慰霊と悪霊退散を祈り、祭りを催し、花火をあげたといわれています。
<8月の二十四節気>
null立秋(りっしゅう)。
二十四節気13番目。
8月7日ごろのことで、この日から立冬の前日までが、暦の上では秋となります。またこの日を境に「暑中見舞い」は「残暑見舞い」に変わります。
とはいえ、まだまだ暑さ厳しい時期でとてもじゃないけれど、秋だとは思えませんよね。
でも不思議なくらい立秋を過ぎ、お盆の頃になると夕方、「カナカナカナカナ……」というひぐらしの鳴き声が聞けたりします(地域差はあります)。
この声を聞くと、多くの人が“夏の終わり”を感じるのではないでしょうか。
<旬の植物>
ひまわり、ケイトウ、芙蓉、浜木綿、朝顔
<旬の野菜、果物>
冬瓜、とうもろこし、かぼちゃ、ピーマン、なす、桃、かぼす
<旬の魚介>
すずき、鮎、とびうお、かつお、太刀魚
<季節の行事>
8月7日 琵琶湖花火大会(滋賀県)
8月9日~12日 よさこい祭り(高知)
8月12日~15日 阿波踊り(徳島県)
8月13日~16日 郡上おどりの徹夜おどり(岐阜県)
8月15日前後 深川祭(東京)
8月15日 精霊流し(長崎県)
8月16日 五山の送り火(京都)
処暑(しょしょ)
二十四節気14番目。
8月23日ごろのことで、夏の暑さがおさまり、季節が秋へと移行することを知らせる節目です。
朝夕の持つ空気や温度に少しずつ秋の気配を感じられるようになります。とんぼを見かけたりするのもこの時期です。
そして、処暑のあたりはちょうど台風シーズンであり、処暑は「台風襲来の特異日」ともされています(「特異日」とは、特定の気象現象が起きやすい日のこと)。
<旬の植物>
藤袴、さるすべり、千日紅、ムクゲ、うこん
<旬の野菜、果物>
すだち、おくら、ぶどう、さやいんげん、パプリカ
<旬の魚介>
いわし、かじきまぐろ、かわはぎ、きす、かさご、しまあじ
<季節の行事>
8月26日・27日 吉田の火祭り(山梨県)
8月下旬 深川八幡祭り
来月は9月。
夏が終わり、秋の気配を序々に感じられるようになる季節。どんな行事があるでしょうか?
【取材協力/監修】
谷口令・・・国際日本文化協会理事、風水心理カウンセラー。学習院短期大学卒業後、東京海上火災保険(現東京海上日動火災保険)、日本IBM、第一生命保険などに勤務。OLの傍ら、風水気学の大家・宮田武明氏に師事。風水心理カウンセラーとして40年以上のキャリアを持ち、カウンセリング数は1万件以上に及ぶ。暦や着物など日本独自の文化を世界に伝える「国際日本文化協会」の理事でもある。
谷口令の風水学 http://www.taniguchirei.com/
谷口令の風水ブログ https://ameblo.jp/taniguchirei/
構成/児玉響子