水族館ブームの先駆け的存在である大阪の海遊館は、小さな子どもから大人まで誰もが楽しめるスポットとして人気を集めています。
8階建ての館内には、太平洋とそれを取り囲むたくさんの自然環境をテーマにした14の常設展示エリアがあり、中でもジンベエザメとたくさんの魚たちが一緒に泳ぎ回る「太平洋」水槽はずっと見てても飽きがこず、まるで海の中にいるような気分にさせてくれます。
そんな海遊館が1990年のオープンから33年経った今でも人気を集め続けている理由は、いつも新しいチャレンジをしているところにあります。どんな見どころがあるのか、さっそくご紹介しましょう。
見どころ その1:改装中の水槽にスマホをかざすと泳ぐ魚が見られる「BLUE SEAT」
null世界最大級のサンゴ礁があるグレートバリアリーフを再現した大型水槽は、ただいまオープンから初めてとなる本格的なリニューアル工事のため閉鎖されていますが、「工事中もできるだけ来場者の方たちに楽しんでもらいたい」という思いから、ちょっと面白い取り組みをしています。
その名も「BLUE SEAT」という特別企画は、水槽を覆うブルーシートに貼られているARマーカーにスマホをかざすと、描かれたイラストにあわせたいきものたちが、いきいきと泳ぐ姿を見ることができます。
方法は簡単でスマホのブラウザからQRコードを読み込んで、あとはイラストにカメラを向けるだけ。
するとブルーシートがゆっくりとめくれて、中で泳ぐ魚たちを見ることができます。
「BLUE SEAT」はリニューアルで目指している、より自然に近いリアルな表現への挑戦を表現していて、ARの完成度も高くなっています。開発者に話を聞くと「本物の水槽をのぞいている気分を味わってもらおうと、カメラの角度を変えてもいきものが泳いでる姿を見ることができるように工夫しています」とのこと。
さらにもう一つ、地球環境を守りたいというメッセージもこめられていて、展示には国内初となる、使用済みのブルーシートを回収して再生するプロジェクト「Re VALUE+」によって作られた「水平リサイクルブルーシート」を使用しています。
開発している萩原工業さんは「ブルーシートの材料は世界で問題になっている海洋プラスチックにもつながるので、そうした問題を少しでも解消できるよう日々研究を続けています」と話してくれました。リサイクルは作るのが難しく値段も高いけれど、世界では関心が高まっていて、少しずつ問い合わせが増えているということでした。
グレートバリアリーフに関連する企画では、某レストランのまちがいさがしと同じぐらい難度が高い(?)水槽の壁面を使った巨大なまちがいさがしもあるので、ぜひこちらも挑戦してみてくださいね。
見どころ その2:暑い夏に出かけたい、涼しさいっぱいの展示ゾーン
null海遊館には南極大陸と北極圏をテーマにした常設展示がありますが、海遊館の飼育員が自ら北極に出かけて調査してきた資料をもとにした北極ゾーンもぜひチェックしておきたいところです。天井の演出は北極の氷をイメージしていて、その下で水温0度で暮らす貴重ないきものたちを見ることができます。
見どころ その3:カワウソはどんなにおい?夏休みの宿題にも役立つ特別企画あれこれ!
null広い海遊館の中には海やいきものについて学べる企画がいろいろ用意されていて、ミニ企画展示「伝えるカワウソたち」では、8階にいるコツメカワウソたちの生態を紹介。カラダから出る分泌液のにおいを実際にかぐこともできたりします。
ミニコーナー「未来の環境のためにできること」は、ジンベエザメの胃の中から見つかったプラスチックのゴミなどから、いま起きているさまざまな問題と自分たちができることを考える展示になっています。
他にもちょっと水族館らしくない展示もあって、視点の多様性をテーマにした特別企画「視点転展」は、いきものたちの見え方や感じ方を疑似体験しながら、自分について考えるコーナーになっています。比較のエリア、体験のエリア、リズムのエリアがあって、3つのエリアをぐるぐる回りながら新しい視点を見つけることができるかもしれません。
見どころ その4:みんなに見せたくなる! 撮影スポットにぴったりのコーナー
nullカラフルでかわいいカタチをしたいきものたちを集めた企画展示「ぎゅぎゅっとキュート」は、撮影スポットにオススメ。人気のカクレクマノミやチンアナゴたちにはここで出会うことができますよ。
3階の「海月銀河」は、真っ暗なスペースの中にまるで星のような海月たちを見ることが出来る大人気エリア。写真を撮るのもいいですが、ここは自分の目でじっくり楽しみたいところです。
見どころ その5:昼とはちがういきものたちが見られる「夜の海遊館」
null海遊館は17時から閉館まで(入館は閉館1時間前まで)は館内の照明と音楽が切り替わる「夜の海遊館」となり、夕涼みにもぴったり。館内の照明と音楽がナイトモードに切り替わり、日中とはちがった雰囲気の中でいきものたちに出会うことができます。
ちなみに海遊館は当日であれば再入場できるので、夜にもう一度訪れて楽しむこともできます。混雑する夏休み中は、事前に入場日時が指定できるeチケットを購入するのがいいでしょう。公式サイトには参考になる情報がいろいろ紹介されているので、あわせてチェックしてみてください。
海遊館がある天保山には、遊覧船や大観覧車、ショッピングエリア、レストランと周囲にいろいろ遊べるところもあるので一日中楽しめそう。
USJもいいけれど、暑い夏こそ涼しい建物の中でゆったりのんびりといきものたちとふれあえる海遊館に出かけてみてはいかがでしょうか。
取材・文/野々下裕子
海遊館
住所:大阪市港区海岸通1丁目1−10
不定休
営業時間:10:00~20:00(季節によって変動)
料金:大人(高校生、16歳以上)2,700円、子供(小・中学生)1,400円、幼児(3歳以上)700円
https://www.kaiyukan.com/