◎材料(1個分)
玉ねぎ | 大1個 |
バター | 大さじ1 |
しょうゆ | 適量 |
粗びきこしょう(黒) | 少量 |
【作り方】
(1)玉ねぎは薄皮をつけたまま洗って水気をよくふく。上から半分の深さまで十文字の切り込みを入れ、バター大さじ1/2を押し込み、ラップで包む。
(2)電子レンジ(600W)で5分加熱し、取り出して薄皮をバナナのようにむき、上に残りのバターをのせてしょうゆをかけ、こしょうをふる。
[玉ねぎはこんなにエライ]
玉ねぎの刺激臭や辛みの成分・アリシンは、末梢の血管を開いて血液をサラサラにし、血栓を予防する作用があります。また、脳や神経の機能を維持したり、疲労回復に働くビタミンB1の吸収を高めるので、玉ねぎはビタミンB1が豊富な豚肉などと一緒に摂るといっそう効果的です。
硫化アリルは熱に弱く、効能を無駄なくとるには生食するのが一番ですが、切ったあとに空気に触れさせることで、酵素の働きによって熱に強い成分に変質します。玉ねぎを炒めたり焼いたりと、火を通して使う場合は、切ったあとに30分~1時間放置するのがおすすめです。
また、玉ねぎには抗酸化物質のポリフェノールの一種・ケルセチンも豊富。ケルセチンはアリシン同様、血管の健康に働く作用が強い機能成分です。血管をしなやかにして血流を改善し、血中のコレステロール値を下げたり、血糖値の上昇を抑えるほか、アレルギー症状や関節痛を緩和させるなどの効能も。ケルセチンは、玉ねぎの皮に特に多く含まれるので、皮ごと調理したり、皮を煎じて飲む健康法も伝えられています。
アリシンとケルセチン双方を多く含む玉ねぎを意識してとることは、現代人、特に高齢者に多い生活習慣病の高血圧、糖尿病、動脈硬化、脳血栓、脳梗塞、心筋梗塞などの予防に役立ちます。
玉ねぎは便通を整える水溶性食物繊維も多く含まれ、腸内で余分なコレステロールや糖分を吸着して便中に排泄し、コレステロールや血糖値を下げるほか、腸内環境を整えて免疫力アップにも働きます。
いしはら・にいな 1980年長崎県生まれ。2006年帝京大学医学部卒業。イシハラクリニック副院長。主に漢方医学、自然療法、食事療法により、種々の病気の治療にあたる。わかりやすい医学解説と、親しみやすい人柄で、講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍。著書は 13万部を超えるベストセラーとなった『病気にならない蒸しショウガ健康法』(アスコム刊)をはじめ、『「体を温める」と子どもは病気にならない』(php研究所刊)、『研修医ニーナの731日』(海竜社刊)等30冊を数え、韓国、香港、台湾、ベトナムでも翻訳され出版されている。日本内科学会会員。日本東洋医学会会員。日本温泉気候物理医学会会員。二児の母。
取材・文/沖田恵美 調理・写真/まなナビ編集室
(初出 まななび 2018/01/10)