今年のトレンドは外食と内食で2つのカレーがトレンドに!
null今回お話を伺った井上岳久さん(上写真)が代表を務める『カレー総合研究所』。こちら、毎年トレンドとなるカレーの情報を発信していて、その的中率の高さから、マスコミや飲食業界でも注目されています。
そんな『カレー総合研究所』が、カレーの注目度がグッと高くなる夏に向けて、2018年のトレンドについて発表しました。今年のキーワードは2つで、それぞれ外食と内食(家で自分で作って食べる)に分かれているのが特徴だそうです。
「まず外食は『スパイスカレー』です。といっても当社では2017年もトレンドのカレーとして『大阪スパイスカレー』と発表しています。その名の通り大阪スパイスカレーは大阪でブレイクしていますが、今年はいよいよ全国区になるでしょう。そして内食は『クリーミーカレー』。スパイスカレーはスパイスの調合などが難しいのでやはり外食が中心となりますが、クリーミーカレーは家でも簡単にできるのが特徴のマイルドなカレーです」(井上さん、以下同)
「スパイスカレー」はスパイスの個性が強烈!クセになる
nullまずスパイスカレーについては、「スパイス感を全面に強調した、日本人向けの創作カレー」が定義となっているそうです。
「カレーのライスやルウに独自のスパイスを振りかけていますが、日本人が無条件に美味しいと感じる和的な要素も入っているのが大きな特徴。大阪はその点をすごくこだわっていて、例えば桜えびやアサリの出汁、味噌などを使っていることが多いです。
さらに“創作”の要素も重要ですね。本場のインドカレーはスパイスの配合や作り方のルールが決まっているので、日本のインドカレーは基本それを忠実に守っています。でも大阪のスパイスカレーは、日本人向けにどんどんスパイスの配合やセオリーをアレンジしているのです」
例えばスパイスカレーを盛り付けるとき、お皿にスパイスを入れてからカレーを入れ、さらにライスを入れてスパイスを入れ、またカレーをかける……というように、スパイスが層のようになっている店もあります。もちろんインドカレーはそんな盛り付けをしません。
「正直最初食べた人はスパイスの風味が強すぎてビックリする人がほとんどだと思います。でも食べたらなぜか心地よくて、やみつきになる。これってよく考えたら、日本人が好きな“七味”をかける文化と通じている気がしますね。七味をかけるとダイレクトに感じるじゃないですか。その要素をカレーにも応用しているのです」
そのほかにも「カレーが一種類ではなく、二種類以上。さらにサラダや副菜も用意する」ことに加え、それを「ワンプレートで食べる」ことが多いそう。最初はそれぞれの味を楽しみ、途中で混ぜ合わせることで違った味を楽しむことが可能になります。しかも盛り付けがカラフルなので、インスタ映え要素も抜群!
「クリーミーカレー」は乳製品をちょい足しすればOK
null続いては家で気軽に作れるという「クリーミーカレー」について。ブレイクの背景にあるのは、日本人の味覚が“甘口化”していることが関係しているといいます。
「例えば“すし酢”は昔と比べると甘口になっているそうです。とにかく日本人は時代とともに甘口を好む傾向が加速していますが、カレーも同じ兆候があります。ただ甘口のカレーといっても子ども向けの味とは違って“甘いけどちょっと辛い”“マイルド”という、大人向けの甘口がトレンドですね。そんな中で需要が高まっているのが、クリーミーなカレー。こちらはスパイスカレーと違って、家で簡単にできるのが特徴です」
クリーミーカレーは、チーズや生クリーム、バター、牛乳などの乳製品を隠し味に入れるだけ。逆にクリームシチューやクラムチャウダーのような乳製品のメニューをベースにしてカレーの味付けをするのもアリだそうです。カレーと乳製品のマッチングにより、これまでにないコクと高級感が生まれるといいます。
ちなみにカレー専門家がおすすめするクリーミーカレーの“ちょい足し”のランキングはこちら!
クリーミーカレーのおすすめ“ちょい足し”のランキング
1位 生クリーム
2位 バター
3位 コーンクリームの素
4位 牛乳
5位 ヨーグルト
6位 チーズ
7位 豆乳
8位 練乳
9位 アイスクリーム
10位 サワークリーム
「その他おすすめとしては、カレーを作るときのルーの量を半分にして、残り半分をシチューのルーにする。これがすごく美味しいんです。もしカレーとシチューのルーが中途半端に余っていたら、ぜひ試してほしいですね」と井上さん。確かにこれなら家でも簡単につくることができそうだし、マイルドなので子どもも喜びそう!
いかがでしたか? いつものカレーにちょっと飽きた人や、新しいトレンドを試してみたい人は、この夏ぜひ「スパイスカレー」と「クリーミーカレー」を食べてみてくださいね。