【米の保存編】冷蔵室で保存すると炊いたときに甘味が増す!
nullおいしく炊くコツは、実は保存から始まっていると西島さん。
「炊飯時に沸騰するまでの温度差があるほど、粘りと甘みが強くなるため、できるだけ冷たい状態から炊き上げた方が、粘りと甘みが増したおいしいごはんになります」
常温で保存するのではなく、保存袋に小分けにし、冷蔵庫の野菜室で保存するのがおすすめ。このひと手間で、炊き上がりのおいしさに差が出るそう。動画では詳しい保存の仕方を紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
詳しい保存の仕方はこちら→五ツ星お米マイスター直伝!おいしく炊ける米の保存法【新米をおいしく食べよう#1】
【研ぎ方編】スピードが命!研ぎ時間は1分30秒を目安に
nullみなさん、なんとなく自分のやり方でお米を研いでいるかもしれませんが、正しい研ぎ方をするとお米のおいしさはグンと変わるそう。西島さんが「誰でもおいしく炊けるように」と、試行錯誤の末、30年以上かけて辿り着いた研ぎ方がこちら。
「“水が澄むまで研ぐ”と思っている人も多いかもしれませんが、それは研ぎ過ぎ。研ぎ過ぎると米の表面が割れて、おいしく炊けません。表面の水が薄く濁っているのはデンプンで、つまり米の旨味成分。だから少し濁っていた方が、甘くて粘りのあるおいしいごはんに炊き上がるんです」
肝心なのは、何よりもスピーディーに、均一に研ぐこと。なんと研ぎ時間は約1分30秒が目安というから驚きです。精米したばかりの米なら20回、精米から時間が経っている米の場合はさらに10回。少し水が濁った状態で終わりにするのがベストです。
西島さんによると、この方法で炊くと「いつもより子どもがごはんをパクパク食べるようになった!」というお客さんが多いそう。私も取材後、この研ぎ方に変えたところ、甘味と粘りが増して、米本来のおいしさがより引き立つようになった気がします。ぜひ、おいしい米の研ぎ方をマスターしてみてくださいね!
【ほぐし方編】ほぐし方次第でグンとウマくなる!
null実は炊き上がった後の「ほぐし」は、とても重要な作業だと西島さんは熱く語ります。いくら上手に炊いても、ほぐし方を間違えるとごはんの味まで変わってしまうそう。
「米が炊き上がったら、すぐにほぐすこと。“ほぐす”というのは、米を“切り離す”こと。炊き上がった直後は、米粒同士がくっついて一枚のお餅のような状態になっているので、すぐにほぐした方がおいしく仕上がります」
みなさん、どんな風にごはんをほぐしていますか? 米粒がパラパラッとほどけて、ひと味もふた味もおいしさがアップするので、ぜひ動画を参考に実践してみてください。
詳しいほぐし方のコツはこちら→ほぐし方で味が変わる!米粒の旨味を感じる「ごはんのほぐし方」を五ツ星お米マイスターが伝授【新米をおいしく食べよう#3】
【ごはんの保存編】温かいうちに「冷凍保存」が正解!
null余ったごはん、みなさんはどのように保存していますか? 西島さんいわく、炊飯器の保温や冷蔵室で保存すると、ごはんはどんどん劣化していってしまうそうです。
炊き上がったら温かいうちにふんわりと包んですぐに冷凍してしまい、食べる時に電子レンジで温めて、炊きたての状態に戻してあげる。これがおいしい炊き上がりの状態をキープする保存法です。
やり方を間違えると、炊きたての状態に戻らないので、正しい方法は動画でチェックしてみてください。
詳しいおいしい保存法はこちら→炊きたてのおいしさが復活!五ツ星お米マイスターが教える「ごはんの保存法」【新米をおいしく食べよう#4】
いかがでしたか? お米の旨味を探求し続ける「五ツ星お米マイスター」直伝、プロの技をマスターして、ぜひ新米をより一層おいしく味わってくださいね!
【取材協力】
西島豊造
五ツ星お米マイスター。東京・目黒区にある米店『スズノブ』の3代目。北里大学獣医畜産学部畜産土木工学科を卒業後、北海道で水路などの農業土木の設計に携わり、1988年に家業の米店『株式会社 鈴延商店』を継ぐ。五ツ星お米マイスターの資格を取得し、膨大な米と土に関する知識を活かし、新しいお米の時代を作るべく産地と消費者をつなぐパイプ役として、産地の特徴を活かした地域ブランド米作りに力を注ぎ、全国を奔走する。
取材・文/岸綾香