失敗しない!換気扇の油汚れの掃除に、重曹が適している理由
null重曹は弱アルカリ性の物質で、酸性の汚れを中和する作用があります。油汚れは酸性に属するため、換気扇掃除には重曹がもってこい。ベタベタした汚れがさらっとした水溶性になり、簡単に落とすことができるのです。
また、重曹は環境にも人間にも優しい天然素材。古いアルミ製品など一部例外はありますが、基本的には素材が変色したり傷んだりすることがないので、重曹を使った掃除なら失敗がないというメリットもあります。
換気扇掃除は重曹水につけおきでOK!重曹の分量やお湯の温度、つけおく時間は?
null重曹を使った換気扇掃除でお手軽なのは重曹水につけおく方法です。
やり方はいたってシンプル。換気扇の羽やフィルター、カバーなど取り外せる部品をポリ袋に入れて、重曹水につけおくだけ! しばらくつけおくと、各部品にこびりついた油汚れが、重曹の中和作用で浮いてくるので、スポンジで軽くこすって水で洗い流しましょう。
ポイントは以下の3つです。
(1)重曹の分量は水2リットルにつき大さじ8程度
「重曹水の濃さは、水2リットルに重曹大さじ8程度を目安にしましょう。それ以上、濃くしても溶け残りが出るだけで、汚れを落とす効果が高まるわけではありません」(以下、「」内は岩尾さん)
(2)熱湯は不要!ぬるま湯程度でOK
「水よりお湯を使うほうがいいですが、手で触れないような熱湯を使う必要はありません。ぬるま湯レベルで十分です」
(3)つけおき時間は5分程度でOK
「汚れの程度にもよりますが、5分ほどつけおけば汚れが浮いてきます。5分程度つけおいて汚れが落ちない場合、重曹水では効果が弱いということなので、より頑固な汚れに効く重曹ペーストに切り替えましょう」
重曹ペーストを使って換気扇を掃除する方法
null重曹水で落ちない頑固な汚れには、重曹ペーストの出番です。重曹大さじ2に水大さじ1を混ぜ合わせてペースト状にしたものを汚れにパックします。汚れがゆるんだらスポンジなどでこすり落とし、最後に水で洗い流しましょう。
「強力な汚れに対処するには、液体せっけんを重曹と混ぜ合わせたペーストを使うのもおすすめです。液体せっけんと重曹の割合に特に決まりはありませんが、まずは1対1で混ぜ合わせてみて、あとは自分の使いやすい柔らかさになるように分量を調整しましょう」
水で濡らさない方法も!? 換気扇の取り外せない部分は「重曹&酢水」で掃除
null重曹を使って掃除したあとは、水でしっかり洗い流さないと白い粉が残ることがあります。換気扇の羽やフィルター、カバーなど取り外せるパーツは水洗いができますが、それ以外の部分はどうやって掃除すればよいのでしょうか?
「水でザブザブ洗えない箇所は、重曹のあとが残らないように酢水で中和させましょう。
まず、油汚れに重曹の粉(頑固な汚れには重曹ペースト)を直接ふりかけてしばらくおくと、重曹の作用で汚れが中和分解されるので、ブラシで軽くこするだけで汚れを落とすことができます。
そのあと、酢水(酢原液を2~3倍の水で薄めたもの)をスプレーして、水気をかたく絞った布巾で拭き取れば、重曹のあとが残りません」
重曹で汚れを落とし、酢水で仕上げをする方法は、災害時やアウトドアなど水を自由に使えない状況でも応用がきくとのことなので、ぜひ押さえておきましょう。
厄介そうに思える換気扇掃除ですが、重曹を使えばこんなに簡単。みなさんもぜひ実践してみては?
【監修】
岩尾明子・・・未来型ナチュラル生活研究家。博士(栄養学)。1998年に始まったインターネットサイト「地球に優しいお掃除」を運営する環境NGOクリーン・プラネット・プロジェクト代表。衣食住における楽で自然な最新の情報をテレビ、雑誌、ネットなど多方面で発信している。
【参考】
岩尾明子(2021)『重曹&お酢 ガンコな汚れもつるんと落ちる!ナチュラルクリーニング』(日東書院本社)