トップ2は仕事関係、半数が身近な親族に怒りを感じていた
nullまずは誰に対して怒りの感情を抱くかを調査したところ、特定の相手として最も多かったのが「仕事相手」、次いで「上司」で、6位の部下と合わせると仕事関係の人に対する怒りを感じている人は半数近くいることが判明。続いて「母」「夫」「妻」に対してはそれぞれ10~15%程度でしたが、親、配偶者、子どもなどを合わせると、多くの人が身近な親族に怒りを感じていることが明らかになりました。
■あなたは誰に対して「怒りの感情」を生じることが多いですか?(複数回答可)
1位 仕事相手……17.6%(88人)
2位 上司……17.2%(86人)
3位 母……15.2%(76人)
4位 夫……11.0%(55人)
5位 妻……10.0%(50人)
6位 部下……8.8%(44人)
7位 子ども……8.6%(43人)
8位 父……8.2%(41人)
9位 店員……7.2%(36人)
10位 友人……5.4%(27人)
理不尽な態度と自分勝手な行動に怒る人が多数
nullみなさんの意見で最も多かった怒りの原因は「相手の理不尽な態度」や「自分勝手な行動」。年代を問わず、対象を問わず、この理由で怒りを感じている人が多いようです。特に年齢を重ねた相手から「話を聞かない」「一方的に話される」という被害を受けている人が多く、身内からの被害に対して怒りを感じる人が少なくないようです。
「理不尽な理由で勝手に怒られることが多い。人の話を聞かずに決めつけて自分のことを正当化してくるところから始まり喧嘩に発展してしまいます」(21歳女性/総務・人事・事務)
「上司に理不尽な文句を言われる」(33歳男性/その他)
「明らかに八つ当たりをされているなと思ったとき」(35歳女性/その他)
「言っていることが矛盾しているのに責任を擦り付けてくることに対して怒りを抱きやすい」(35歳女性/総務・人事・事務)
「母や祖母は、わがままで自分勝手で、私の事を便利な道具のように扱ってくるから。自分の幸せのために私の人生を奪っているから」(43歳女性/その他)
仕事関係においては、上司の「常に上から目線」という態度や、部下の「仕事ができない」という状態、さらには職場環境や制度に対する怒りを感じている人も多いようです。
「仕事ができない割に文句ばかりだから」(34歳男性/コンピューター関連技術職)
「仕事相手が無理難題を笑いながら突きつけてくるところです」(42歳男性/その他)
「劣悪な職場環境、それを知ろうともしない上司に腹が立つ」(54歳女性/その他)
「上司が自分が話の途中で遮られたら激怒るのに、人が話してる最中に平気で遮ろうとする身勝手さが頭にくる」(60歳男性/営業・販売)
「仕事相手が同じ間違いを平気で行っており、間違いを犯すことをまったく気にしていないところ」(69歳男性/公務員)

性格が悪い、合わないが怒りの原因に
null相手の態度に対する怒りに次いで多かったのが、相手の性格や相手との相性の悪さに怒りを感じているという意見。合わないと思っても関係を断ちにくい親戚関係や職場関係で特に多い怒りのようです。親戚関係では、20~40代は子どもに対する怒りが多く、50代以降は両親や夫に対する怒りが多くなることが判明。特に介護や病気などによってイライラが増えたという意見が多く聞かれました。
「父は自慢しか言わない」(26歳女性/デザイン関係)
「子どもが宿題をなかなか始めない時やダラダラご飯食べる時にイライラする。夫は人として嫌いだから怒りしか性格が意地悪。情緒が不安定。何度言っても言うことを聞いてくれない」(46歳女性/その他)
「愛情がこちらからの一方通行、一生愛が返ってくることがないので怒りになると思う」(53歳女性/主婦)
「妻については過去の投資の失敗による多額の損失が現在も尾を引いているから」(56歳男性/コンピューター関連以外の技術職)
「嫌がらせばかりしてくる母。普通の親とは思えません」(59歳男性/学生・フリーター)
「妻は意見を言うくせに、こちら側の意見は聞く耳を持たない。同等の会話が成り立たない」(59歳男性/公務員)
「昨年亡くなった父に引き続き、母の介護をしています。介護自体は、そんなに怒りは感じませんが、懸命にしてるときの母のわがままや、口の達者な母にイライラしてしまうことがよくあります。91歳という高齢なので、わたしが我慢しないといけないのですが……」(60歳女性/その他)
「夫は話を聞いてくれないし、重要なことも覚えていないのでむかつく」(61歳女性/主婦)

政治や社会、自分自身に怒りを感じている人も
null怒りの対象が特定の人ではなく社会や組織という人も少なくないようです。政治や社会の仕組み、公共の場でのルールなど、意見を言いづらく結局我慢するしかないというコメントが多く見られました。
「政治での不祥事が続いて嫌になる」(31歳男性/医師)
「店員の対応が悪かったり、やる気が感じられない人だとさらに腹立たしい」(33歳女性/主婦)
「Xで非常に自分勝手な意見や、言葉を選ばない人間のポストを偶然見てしまった時に苛立つ」(34歳男性/その他)
「公共交通でのマナー違反」(51歳男性/総務・人事・事務)
「現在は特定の誰かというより、大きな団体(企業や機関など)に対して怒りを抱くことはあります。理由はその環境や影響を自省もせず、世間の声にも耳を貸さず、とりあえず現状維持を目的としているとしか感じられないから」(52歳男性/デザイン関係)
「物価高なのに“デフレだ、脱却しなければならない”と言っている、日銀や政治家の皆さんに怒ってしまいます。この様な発言を以前から何度も聞くたびに、自分とは住んでいる世界が違う気がします」(58歳男性/その他)

最後に少数派でしたが、自分自身に怒りを感じている意見も。特に40代以降の人が多く感じているようで、思い通りにいかない自分の行動や性格にイライラを感じたり、加齢による情緒不安定や怒りやすくなった自分を実感している人もいました。
「自分。情けなくて怒る」(44歳男性/コンピューター関連技術職 )
「自分の不甲斐なさに腹が立つことが多い」(47歳女性/学生・フリーター)
「思い通りに動かない文字入力のミスに対する自分とデバイスに腹が立つ」(57歳女性/コンピューター関連技術職)
「自分の弱さに対して」(61歳男性/その他)
「気持ちよく生きていない自分自身」(65歳男性/その他)
では「怒りの感情」が生じた時、みなさんどうしているのでしょう。
「感情をコントロールする」「距離を置く」で怒りを解消
null怒りを感じた時の解消法を尋ねたところ、「我慢する」「無視する」「別ことをして気を紛らわせる」の大きく3タイプの解決法を取り入れていることがわかりました。まずは「我慢する」と答えた人に、具体的にどんな方法で我慢するかと尋ねたところ、「諦める」「何もしない」という意見が約半数。残りは「自分の感情をコントロールする」とか「深呼吸などで心を落ち着かせている」など、何かしらの努力をしていることがわかりました。
「自分の方が大人だから我慢しよう、という気持ちを持つようにしている」(34歳女性/学生・フリーター)
「10秒間落ち着いて、怒りを収める」(34歳男性/コンピューター関連技術職)
「とりあえず心の中で罵倒する」(41歳女性/総務・人事・事務)
「アンガーマネージメントを実行する」(48歳男性/営業・販売)
「亡くなった大切な人を思い出し、生きていることに感謝して落ち着かせる」(54歳男性/公務員)
「相手が愚かなんだから……と自分を落ち着かせる」(56歳男性/その他)
「考え方の違いだと言い聞かせる」(61歳女性/主婦)
続いて、「無視する」という意見。「距離を置く」「その場を離れる」など、物理的に離れる方法を取り入れている人が多いようです。中には「トイレにこもる」「ひたすら相手の話をスルーする」という人もいました。

楽しいことをして記憶を上書きしている人も
nullそして数多くの人が取り入れていた方法が、「別ことをして気を紛らわせる」という方法。自分が好きなことや趣味などに気持ちを切り替え、嫌なことを忘れているようです。
「その場で深呼吸、そしてカラオケで発散する」(22歳女性/その他)
「ゲームなどをして切り替える」(32歳男性/公務員)
「美味しいものを食べて寝て忘れます」(37歳男性/その他)
「日記に愚痴を書いて気持ちの整理をするようにしている」(43歳女性/その他)
「我慢して隠れて酒を飲む、夫のカードで買い物する」(53歳女性/総務・人事・事務)
「近くの川に行き、忘れるために野鳥や散歩の犬と戯れる。ショッピングをする」(59歳女性/主婦)
「将棋と、ナンプレに集中して、心を落ち着かせる」(65歳男性/その他)
「神にお祈りするのみです!!」(67歳男性/その他)
その他、「他の人に相談する」「誰かに愚痴る」という人もいました。また少数派でしたが、「精神安定剤を飲む」という人もいました。

みんなの怒り解消法、参考になりましたか? 怒りの感情をなくすことはできませんが、自分にあった解消法を見つけることはできるはずです。怒りを感じたら貯めこまず、うまくかわしていきたいですね。

エディター・ライター歴20年以上。女性誌やアウトドア雑誌、情報誌、スポーツ誌(自転車雑誌、水泳雑誌)などで執筆。2017年から主人の仕事に帯同しアメリカに移住。小学生の男児、中学生の女児とともに、異国の地での生活に奮闘しながら、執筆活動も継続中。現在はニュースや海外生活情報などを担当。アウトドアと旅行が大好き。趣味はパン作り。