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「いやがらせ」を「する人」も「される人」も心は痛んでいる!? 経験者に聞いたリアルな本音

最近は「ハラスメント」という言葉でも問題視されている「いやがらせ」。あなたも学校や職場などで少なくとも一度や二度はされたことがあるのでは? もしかしたら、したことがあるという人もいるかもしれません。

今回は20~60代の『kufura』読者に「いやがらせ」に関する調査を実施。経験者に聞いた「する人」と「される人」の気持ちに迫りました。

「いやがらせ」をされた経験がない人は3割

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まずは「いやがらせ」をされた経験があるかを尋ねたところ、「ある」と答えた人は半数以上。「ある」という人の中には、「今もいやがらせを受け続けている」「まさに今悩んでいる」という人もいました。また「いやがらせ」の定義がよくわからず、自分が「いやがらせをされたかどうかわからない」という人も15%程度いました。

★あなたは「いやがらせ」をされたことはありますか?

ある・・・54.2%(271人)

ない・・・30.4%(152人)

わからない・・・15.4%(77人)

職場での「いやがらせ」が6割。大多数が上司から

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では実際どんな「いやがらせ」を誰にされているのでしょう。具体的な例を教えてもらったところ、職場での「いやがらせ」を挙げる人が圧倒的に多く、特に上司や先輩から受ける「いやがらせ」が多いことがわかりました。内容としては、「無視された」「仕事を増やされた」「あらぬ噂を立てられた」などが多数。以下で詳細を見ていきましょう。

■職場にて仕事に関する「いやがらせ」

「職場の上司に手柄を横取りされた」(28歳女性/公務員)
「注意したら、3通に渡るメールで延々と“他の人もあなたに迷惑している”という内容が来た」(38歳女性/公務員)
「職場の先輩から。A4のノート両面びっしり私の至らないところが書かれていた (2人事務なので、私たちしか見ない職場の連絡ノート)」(42歳女性/総務・人事)
「職場で仕事を意図的に回されない」(60歳男性/総務・人事)
「職場で終了数分前に10分以上かかる仕事を命じられる」(67歳女性/その他)
「会社の上司に明らかな嘘で減給された」(69歳男性/その他)

■職場にて仕事以外に関する「いやがらせ」

「会社の先輩から、ロッカーに敷いてあるすのこを毎日ずらされた」(47歳女性/総務・人事・事務)
「同僚から、私が触れた物をあちこち消毒された」(52歳女性/金融関係)
「職場でお客様から頂いたお菓子を配る時に、私にだけ配らない人がいた」(64歳女性/その他)
「私は酒を飲まないしタバコも吸わないので、酒の場や喫煙の場所などにはいきません。そこでなんでも決められてしまい、決めたことも教えてくれずに、後で“あなた知らなかったの?”と言われることが何回もありました」(65歳女性/営業・販売)

職場で行われている「いやがらせ」は、社会的にパワハラとして大きな問題になったりしていますが、水面下で行われている小さな「いやがらせ」も数多く存在し、見過ごされているようです。その多くは妬みや嫉妬が原因で、根深い問題と言えるでしょう。

自分の知らないところで勝手に物事を決められたり、仲間外れにされたりなんて困ります。

友達や身内からの「いやがらせ」は割り切りが大事!?

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大人になってからの友達付き合いって、なかなか難しいもの。子どもに合わせて気が合わないママ友と付き合わなくてはいけなかったり、もともとの友達も生活の変化で疎遠になってしまったり、意外と良好な友人関係を築くって難しいものです。そしてちょっとしたすれ違いが「いやがらせ」の原因に。どうしても関係がうまくいかない時は、速やかに距離を置くことが一番。自分の意思をしっかり持ち、凛とした態度で接することが得策と言えるでしょう。

■友達からの「いやがらせ」

「友達と旅行に行ったら、帰りの時に、嫌いだったと言われました……行かなきゃ良かったです」(47歳女性/主婦)
「ママ友グループからある日突然、村八分にされました」(54歳女性/主婦)
「運動会の場所取りでじゃまをされた」(55歳男性/営業・販売)
「友人に集合時間前に出発された」(66歳男性/その他)

■身内からの「いやがらせ」

「兄から子どもの頃いじめられていた」(45歳男性/その他)
「自分の母に、母が再婚をしてから邪魔もの扱いされるようになった」(60歳女性/その他)
「実家で弟夫婦から今でもいやがらせを受けている」(63歳女性/その他)
「鍵を持たずに近所へ買い物に出かけたときに、義母に鍵をかけられ家の中に入れなくなった」(65歳男性/その他)

「いやがらせ」の多くは知り合いからのものですが、時として知らない人から受ける場合があります。こればかりは不運だったと割り切るしかないのかも。下手に仕返ししたりすると余計なトラブルに巻き込まれる可能性があるので避けた方がよいでしょう。

■知らない人からの「いやがらせ」

「知らない人にあおり運転された」(47歳女性/デザイン関係)
「駅で体当たりされた」(34歳女性/総務・人事)

■近隣住民からの「いやがらせ」

「同じ地域の人だと思いますが、我が家の玄関ポーチのとこに、ゴミの入った紙袋を何回か置かれていました」(43歳女性/主婦)
「今住んでいるマンションで10年以上壁ドンをされています」(58歳男性/公務員)
「隣人にドアをけられたり、ゴミ袋を玄関前に置かれたりした」(63歳女性/主婦)
「マンションのポストを勝手に開けられて、郵便物を読まれてしまい、警官を呼んだことがありました」(66歳男性/その他)

壁に落書きとか、本当にやめてほしいです。

「いやがらせ」をした経験がある人は約12%

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では、「いやがらせ」をした経験がある人はどれくらいいるのでしょう。アンケート結果を見てみると、「した人」は約12%と少数でしたが、「わからない」を含めると約3人に1人。意外と多いかも……?

★あなたは「いやがらせ」をしたことはありますか?

ある・・・11.6%(58人)

ない・・・66.6%(333人)

わからない・・・21.8%(109人)

「ある」と答えた人に、実際にどのような「いやがらせ」を行い、その後どのように思ったのかについて教えてもらいました。

「いやがらせ」の内容は「悪口を言う」「無視する」「仲間外れにする」が多数。その後の心境については、4割程度の人が「スッキリした」「特に後悔はない」「自業自得だ」と思っていることが明らかに。日頃相手からストレスを与えられている人や、一度同じようなことをやられて仕返しとして行った人は特にこういった感情を持つことが多いようです。

■やったことに後悔なし、という人の「いやがらせ」

「気に入らない後輩に嫌みを言う」(40歳男性/総務・人事)
「ピンポンダッシュした」(25歳女性/その他)
「わざと、ドアをおもいっきり、音を立ててしめた」(52歳男性/その他)
「横柄な商店主に関するデマを流布した」(60歳男性/学生・フリーター)
「気に入らない相手を無視した」(65歳女性/会社経営・役員)
「暴力を振るった同級生の今までの悪行をすべて文書にまとめて、先生へ提出した」(66歳男性/営業・販売)

一方で、半数近い人が「やったことを後悔している」と回答。「スッキリしたけど、あとからモヤモヤが残ってしまった」「自分自身が情けなく惨めになった」「複雑な心境になった」「嫌な気持ちになった」など、後味が悪いと感じている人も少なくないようです。

■後からモヤモヤ…という人の「いやがらせ」

「クラスメイトの机を汚した」(32歳女性/学生・フリーター)
「娘に対して、わざと聞こえるように嫌味を言ったこと」(43歳女性/主婦)
「気に入らないクラスメートの悪口を陰で言った」(47歳女性/主婦)
「嫌いな同級生2人がケンカするように仕向けた」(55歳男性/その他)
「イライラする友達を無視した」(63歳女性/その他)
「飲み会に誘わなかった」(66歳男性/その他)

そしてこんな感情を持った人も……。

■やったことがバカバカしくなった、という人の「いやがらせ」

「社食で動線の真ん中でつったっていた人を避ける時にわざと軽くぶつかった」(51歳女性/主婦)
「ふたまたかけていた彼に無言電話を何度もかけた」(61歳女性/営業・販売)
「気に入らない人間を無視した」(63歳男性/その他)

また、ごく少数でしたが、「やったことが自分に別の形で返ってきた」「何の感情もわかなかった」という人もいました。

若い時ほど、一時の感情や勢いで行ってしまうこともある「いやがらせ」。「やられたらやり返す」の感情で行う人も多いようですが、経験と年齢を重ねるにつれて、その感情をうまく別の形で消化したり、受け流したりする能力が身に着いていきます。

やった後の罪悪感や後悔は、意外と身にこたえるため、「いやがらせ」をする方もパワーを使うのではないでしょうか。「いやがらせ」はやらない方が、自分の身のためなのかもしれませんね。

無言電話、しつこい電話なども十分いやがらせになります。

「いやがらせ」は、「される側」はもちろん、「する側」にとってもあまり気持ちがいいものではない様子。「いやがらせ」ではない別の方法で解決する道を探りつつ、なかなか解決しない場合は、身近な人や第三者に相談するのもよいでしょう。また、相手と距離を置く、相手と腹を割って話すなど、相手との付き合い方を変えることも解決法になるかもしれません。

ちえ
ちえ

エディター・ライター歴20年以上。女性誌やアウトドア雑誌、情報誌、スポーツ誌(自転車雑誌、水泳雑誌)などで執筆。2017年から主人の仕事に帯同しアメリカに移住。小学生の男児、中学生の女児とともに、異国の地での生活に奮闘しながら、執筆活動も継続中。現在はニュースや海外生活情報などを担当。アウトドアと旅行が大好き。趣味はパン作り。

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