素晴らしい人格者が嫌悪感を抱かれるケースがあれば、互いにがんばらなくても相性の良い2人もいることでしょう。
関係の深さや親密度はさまざまであり「これをやっておけば安心」のマニュアルなどありません。しかし「こんなとき、どうしてる?」という皆さんの体験談に触れておくと、何かの折に役立つかもしれません。
今回は、“嫁”の立場に着目し、義理の母に言いにくいことをどう伝えているのか、既婚女性188人に聞いてみました。
言いにくいことを伝える、皆さんの“処世術”をご紹介します。
ちょっと困った贈り物が続くとき
null今回のアンケートで多く寄せられたのが、夫の実家からの贈り物に関することです。
「誕生日やクリスマスなどに子ども向けのプレゼントいただいた。子どもが全然使ってないのに“買ってあげた〇〇使ってる? 遊んでる写真を見たい”など言われて困っていたが、“子どもがおばあちゃんと一緒に選びたいみたいです”といったら喜んで一緒に買いに行くようになり、好みじゃないプレゼントが来ることがなくなった」(38歳・公務員・団体職員)
「子どものお洋服を買ってくれるのですがセンスが私と合わずたまっていくので“いつもお洋服ありがとうございます。去年もたくさん貰ってかわいいから捨てられなくてどんどんたまってます~”ってやんわり言ったら今年は減りました」(38歳・パート・アルバイト)
「こちらが苦手な物を好きだと勘違いして、毎回贈ってくる時期がありました。せっかく贈ってくれているので“いつもありがとうございます。○○も嬉しかったのですがお義母さんの贈ってくれた新しいこの△△があまりにもおいしくてびっくりしました。これにハマってみんな取り合いになるほどでした”とアピールしたら苦手なものが入らなくなりました」(39歳・主婦)
「単刀直入に“物はいらない、物で制服も文房具も買えない”と伝えたら、お祝いは現金でくれるようになりました」(41歳・主婦)
「果物を頻繁にたくさん送ってくれる義母に“同僚からいただくので”と郵送に“待った”をかけた」(42歳・その他)
相手がよかれと思って贈ったものがこちらにとっては不要、ということは、どの人間関係でも起こり得ることです。
多くの回答に共通していたのは「喜ばせたい」という義母の思いをポジティブに受け止め、感謝を伝えている点です。感謝の言葉にこちら側の好みや要望を柔らかく添えることで、少しずつ好みが伝わっていくこともあるようです。
子育てのやり方が違ったとき
null続いて、育児方針の齟齬が生じたときの対応です。育児経験者に育児方針を伝えるのは気を遣うものです。しかも、サポートをしていただく立場なら、なおさらですよね。皆さんがどんなふうに伝えているのかというと……。
「記事の情報を借りて“子どもにはこうしたほうがいいみたいですねー”みたいに言ってみる」(31歳・主婦)
「義母が食事の前におやつをあげていたが、“子どもが好きなご飯が食べられなくなるから後にしてほしい”とお願いすると控えてくれるようになった」(45歳・主婦)
「子どもが太りすぎて食べるものを制限したいときに、“子どもがダイエットするから”って告げた」(52歳・主婦)
「料理の味付けを子ども向けにしてほしくて、“夫が口内炎で痛がっている”と嘘をついて、やさしい味付けにしてもらった」(49歳・総務・人事)
相手のやり方を否定することのないよう、言い方に気を付けていることがうかがえます。相手のやり方を尊重しながら、譲れない点を伝えているケースも見受けられました。
自宅訪問・義実家訪問に困ったとき
nullこちらが乗り気ではない往来に関することです。
「家に来られるのが嫌だったので、“遠くてお母さん来るの大変なので用事があったら私から行くので言ってください”と伝えた」(50歳・財務・経理)
「夫の実家に泊まるのをやめるときに“コロナが不安なので泊まらずに日帰りで遊びに行かせてもらいます”と伝えた」(41歳・主婦)
現在は、コロナ禍の真っただ中。突然の訪問や、義実家の宿泊を断る角が立たない言い訳としてコロナ禍を活用しているケースが目立ちました。
夫に言ってもらう
null言いにくいことは夫から、という声です。
「言いにくいことは夫に言ってもらうようにしています」(43歳・主婦)
「言いにくいことは、夫に言わせた。言ってもわからない」(59歳・主婦)
遠回しに言っても伝わらないとき、相手を不快にさせるかもしれないときには、夫から伝えてもらうというケースも。ただし、この方法のデメリットは、夫の物の言い方にかかっていること。背景に“妻の圧力”を感じさせない言い方が望ましいですね。
ライフスタイルに関することを伝えるとき
null義母のライフスタイルを案じたときにどう伝えるか、という難しい問題に直面した人の声です。
「車の運転を控えて欲しくて“私の母は、迷惑かけたくないと免許返納しましたよ”と話を作った」(52歳・営業・販売)
「趣味もなく、パチンコに通い続けていた義母だったのですが、義母は編み物が上手で“よその人にはできないことを上手にできるんだからやってみたら?”と勧めたら今ではよく編み物をしていて人にもプレゼントして喜ばれて、うれしさにつながっているようです」(48歳・主婦)
「台所に2人でいると、お互いに気を使ってしまいます。義母は、料理が好きで、上手。“私が作るよりみんなが喜んで食べる!”と言い続けて、いつからか料理は義母の担当になりました。義母が好きなように料理をしてくれた方がいいし、私も楽になりました」(53歳・主婦)
自分たちよりも一足先に老いていく親世代。特に免許返納を勧める際にはプライドを傷つけずに伝える方法は悩ましいものですが「あの人もやっている」という言い方で、相手の決心を促せるといいですね。
また、料理や裁縫、家庭菜園など、義母の特技へのリスペクトが感じられる回答もありました。
将来に関する大切なことに触れるとき
null将来のライフプランに関することです。
「義母が突拍子もなく“隣の県に墓を建てる”と言い出した際、“孫が忙しくなったときに手も合わせられない。自分達夫婦が先に亡くなってしまった時に墓守が居なくなる可能性も考えないと誰も手入れのできない墓になるのでは”と伝えたところ、都内の納骨堂に落ち着いてくれてほっとした」(45歳・主婦)
「おもに義父の要望で同居を打診されたときに“どこの家庭でも同居はもめるので近居がいいです“ときっぱり同居を断った。義母は、自分が嫁姑問題ですごく大変だったので、すぐに理解を示してくれました」(54歳・主婦)
決断の難しい“お墓”や“住まい”に関することは、無理に相手の意見に迎合するよりも、誠意をもって本音を伝えることが大切なのかもしれません。
取り繕うことなく「本音」を伝えることで功を奏したケースも…
null最後に、こんな声もご紹介します。
「義母はめちゃくちゃいい人なので、伝えなきゃいけないことがないです!」(40歳・主婦)
「お互いに大変だからプレゼントごっこはやめよう、そのぶん顔を見せたりお話をしましょうとストレートに言いました。義母もそれを望んでいたようです」(59歳・総務・人事)
「言いにくいことなんてない。超オープンな関係なので言い換えたことがないです。むこうもこっちも超ハッキリなんでも言います。でもそれで問題ないです」(45歳・主婦)
本当の親子、もしくはそれ以上に本音を伝えられる関係性を築いているようです。
以上、今回は、「義理の母に言いにくいことを伝えるときの言い方」についてお届けしました。
義母もまた“嫁”の立場を経験している先輩であることが多く、小手先の言葉に隠れた義理の娘の真意を機敏に察知する人が多いと思います。
今回ご紹介した言い方をそっくりそのまま真似することはおすすめしませんが、言いにくいことがあったときには、皆さんの“ひな形”を参考にしてみるといいかもしれません。
自治体HP、プレスリリース、コラム、広告制作な