1分でわかる!マンガ「スティグ・リンドベリ物語」
null

“20世紀北欧デザインの巨匠リンドベリ”と聞くと、なんだかストイックで厳しい人をイメージしてしまいましたが、その人柄はとても人間味あふれるチャーミングな人でした。
常にエネルギッシュで、どんどん浮かぶアイディアをすぐに実行する、行動力のある人だったそうで、その人生には数々の事件があったようです。
声が大きく、そそっかしい一面があり、他の作家の作品をうっかり落として壊すこともあり、リンドベリが来たとわかるとみんな大事な作品を隠したと言う逸話も……。
リンドベリのチャーミングな人柄に親しみを感じたところで、さっそく展覧会の作品を見ていきましょう!
今も愛される、シンプルかつ愛らしいテーブルウェアの数々
null

入社後しばらくは、グスタフスベリ社の定番の器の表面にデザインを考える仕事をしていたリンドベリ。
花や植物をモチーフとした愛らしいデザインをたくさん作っています。


同じ形でも模様や釉薬の掛け方によって、見える印象ががらりと変わるところにも注目です。

緑の葉が左右対象に整列したデザインの[ベルサ]の食器たち
本展覧会のキービジュアルにも使用されている[ベルサ]に描かれた葉は、白樺の葉なんです。
リンドベリ自身が最も誇りに思っていたデザインのひとつだそう。
北欧諸国は白樺の木がたくさん生えていて、人々の身近にある慣れ親しんだ存在。
そんな白樺がモチーフになっていることが、このデザインが人気を集めた理由のひとつかもしれません。

会場風景、リンドベリのデザインした花瓶とカップアンドソーサーのディスプレイ。
以前読んだ北欧の暮らしを紹介する本に、“自然に存在するものを家の中に取り入れるのを好む人が多い”という記載があったことを思い出しました。
[ベルサ]の白樺の葉が家の中で青々としている姿を目にすると、なんだか癒される気がします。
職人の手描きが素朴な魅力を放つ“ファイアンス”
null
(右から)スティグ・リンドベリ《手付大型花入》、スティグ・リンドベリ《顔図大鉢》。“ファイアンス”の作品は、どれも個性を感じる手描きの装飾が施されている。
グスタフスベリ社は、量産できるテーブルウェアをたくさん制作する一方で、“ファイアンス”と呼ばれる作家性の強い手描きの絵付けを施したシリーズも作っていました。
リンドベリの描いたデザインを元に、熟練の職人たちが描き、製品として世に出ていきました。
発売後ファイアンスは人気を集め、そのお陰でグスタフスベリ社が儲かり、直火でも使える鍋兼食器の製品など、さまざまな製品が生み出されていったそう。

こちらの花器は、リンドベリ直筆!
花瓶なので花を入れると顔は見えなくなってしまうのですが、花が入っていない時もカッコいい、むしろニヤリとしてしまうニクいデザイン。
リンドベリの発想力、恐るべし!
リンドベリの個性が爆発!フィギュア系作品は必見!
null
デザイナーとして働くリンドベリですが、作家性がまっすぐに表現できる彫像の制作も大好きだったそう。
どれも、一筋縄ではいかないユニークでチャーミングな作品で、リンドベリのこだわりを感じます。


思わず「かわいい」と言ってしまいたくなる作品がたくさん!
美術館はちょっと苦手なお子さんも、面白がって見られそうです。
ざらざらとした表面に色をまとったツヤツヤの釉薬がのっている姿は、とても素朴で、ツルツルのテーブルウェアとは全く違った、土や石などの自然を感じせるところに魅力を感じます。
じつは、釉薬の達人でもあったリンドベリ。
オリジナルの釉薬のレシピをたくさん持っていたそう。
夫リンドベリデザイン、妻グンネルが織ったテキスタイル
null
テキスタイルの展示風景。
グスタフスベリ社での成功が認められ、社外の仕事もできる契約になったリンドベリ。
テキスタイルデザインの依頼を受け、様々なデザインを制作しました。

いくつかあるテキスタイルの展示の中で、私がとくに魅力を感じた作品が[国王コンスタンティノスとアンナ=マリア王妃]というタペストリー。
リンドベリのデザインをテキスタイルデザイナーであった妻グンネルが織ったもの。
鮮やかなモチーフを凹凸のある繊維で1本1本織って仕上げられた作品からは、費やした時間の重みと手織りならではの暖かみを感じます。
絵本や、なんと“おまる”まで!子ども系プロダクト
null

自身も3人の子を持ち、大の子ども好きだったというリンドベリ。
チャーミングな絵が描かれた子ども向けのテーブルウェアやおもちゃのデザイン、さらには作家と一緒に絵本も出しました。

スティグ・リンドベリ《夜のトイレ》。
そして、展示台の中にちょこんと置かれた、こちらのかわいらしい器。
「なんだろう?」と、キャプションを覗き込むと「夜のトイレ」との記載が…!
なんと、子ども用のおまるでした!
師匠コーゲの娘、クリスティーナのクリスマスギフトとしてリンドベリが作ったもので、「小さなクリスティーナへ サンタクロースより」と書かれているそう。
なんともジーンとするエピソードですね。
まるで白樺の森!癒しも感じるグッズショップ
null
展覧会のキービジュアルにもなっている、「リンドベリと言えば」の[ベルサ]のデザインを使ったグッズが盛りだくさん!
とにかく種類豊富で、迷って選べなくなってしまうほど。
その中でもオススメをいくつかご紹介します。
会場先行販売トートバッグ&ポシェット


展覧会グッズの定番、布のバッグ類ですが、リンドベリデザインの刺繍が入ったバッグは、デザインの美しさと刺繍の高級感がマッチして、テーブルウェアとはまた違った魅力が。
はっきりとしたデザインですが、意外とどんな服装にも合わせやすそうです。
これを持ってお出かけしたら、北欧の街を歩いているような気分になるかも。
会場先行販売ミニタオル

まだまだ暑い日々が続きそうな今年の夏、秋にオススメなのが、こちらのタオル。
プラムとリンゴデザインもかわいいですが、[ベルサ]の涼しげな雰囲気に手が伸びました。
ハーブやウッド系のアロマスプレーをシュッとしてカバンに忍ばせたら、素敵そうです。
購入しやすい価格なので、お土産にも良さそうです。
会場先行販売フカフカバッグチャーム

【会場先行販売】フカフカバッグチャーム 各7,150円(税込)。
コロンとした形がかわいい、浅草の革ブランド「Kanmi」コラボの革製がま口。
お値段はしますが、しっかりとした作りで、北欧のテーブルウェアや家具のように長く愛用できそうなお品です。
使い込むにつれて、色や質感に味が出てくるのも楽しみですね。
筆者は「衝動買いするには少し高いなぁ」と思ってグッとこらえたのですが、その後「あ〜、やっぱり欲しかった」と思ったグッズです。
会場先行販売マスコット&フィギュア

【会場先行販売】マスコット各1,540円(税込)、レジンフィギュア 各1,650円(税込)。
リンドベリが1961年にスヴェンスカ・ハンデルス銀行のためにデザインした「スコティッシュテリア」の貯金箱がモチーフになっているマスコットとフィギュア。
簡略化されたデザインながら、愛らしさがあふれています。
マスコットと同じ素材のぬいぐるみ(Blueのみ 2,420円<税込>)もありました。
会場先行販売ポストカード

定番お土産のポストカードは、箔押しがキラキラするスペシャル仕様!
全26種、デザインに合わせて、キラキラの部分が違うので、ぜひ手に取ってキラキラさせて見てください。
会場先行販売リフレクター

車の光を反射し、夜道の歩行や自転車走行をアピールするリフレクターもリンドベリデザインで登場。
黄色の果実デザインのものを購入したのですが、帰宅後6歳の娘に「かわいい!欲しい〜」と持って行かれました。
かわいくって安全をサポートしてくれるアイテムなので、お子さまやお年寄りへのプレゼントにもオススメです。
ほかにも素敵なグッズがいっぱい!散財必須!
null

他にも会場には、テーブルウェアやテキスタイル系のグッズ、スウェーデン関連グッズや本など、たくさんありました。
ちなみに、グッズショップは、展覧会へ入場していなくても利用することが出来るので、「やっぱりあれも買えばよかった!」という時も安心です。
グッズはどれも、リンドベリのデザインをもちいたシンプルなデザインが魅力の商品ばかり。
普段使いはもちろん、使わないときもインテリアのとして部屋に飾ることで楽しめそうなグッズがたくさんありました。
ぜひ展覧会の後は、立ち寄ってみてくださいね。
今回取材した『20世紀北欧デザインの巨匠 スティグ・リンドベリ展』は、リンドベリの初期から晩年まで、約300点の作品を一挙に観られる展覧会です。
ぜひこの機会に巨匠リンドベリの作品を直に鑑賞してみてください。
『20世紀北欧デザインの巨匠 スティグ・リンドベリ展』
公式サイト: https://www.stiglindberg-exhibition.jp
会期会場:
- 2025年8月21日(木)〜9月7日(日) 日本橋髙島屋S.C. 本館8階ホール
ご入場時間:午前10時30分〜午後7時(午後7時30分閉場)
※ 最終日9月7日(日)は午後5時30分まで(午後6時閉場)
- 2025年9月10日(水)〜9月21日(日) 大阪髙島屋 7階グランドホール
ご入場時間:午前10時〜午後6時30分 (午後7時閉場)
※ 最終日9月21日(日)は 午後4時30分まで(午後5時閉場)
入場料:一般 1,200円、大学、高校生 1,000円、中学生以下無料
主催:スティグ・リンドベリ展実行委員会
特別協力:スティグ・リンドベリ・デザインAB、ヴィーラスティール・デザイン&プロダクションHB
後援:スウェーデン大使館
企画協力:(株)アートインプレッション
