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クレイ・アニメーションっていいよね「ひつじのショーン展」で本物の職人技に触れる

こんにちは!漫画家兼イラストレーターの新里碧(にっさとみどり)です。

生成AIを使ったクレイ(粘土)アニメ風の写真加工が流行ったのも記憶に新しいですよね。
「こんなものまで?」と思うものまでAIが簡単に作れる時代になりましたが、そんな今だからこそ注目したい、クレイを使ったストップモーション・アニメーション(コマ撮りアニメ)の展覧会『ひつじのショーン展 withウォレスとグルミット』が始まりました!

ひつじのショーン、ウォレスとグルミット

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カフェで新聞を読むショーンのセット。

「ひつじのショーン」は、「ウォレスとグルミット」に登場したショーンという名前の羊が主人公のスピンオフアニメ。

アードマン・アニメーションズというイギリスのアニメーション会社が制作しています。日本ではNHKで放送されていたので、見たことがある方も多いかもしれません。

セリフの無いノンバーバルアニメーションなのでわかりやすく、世界各国で愛され、数々の賞を受賞しています。

ひつじのショーンがはじめて登場したのは、1995年の映画『ウォレスとグルミット 危機一髪!』(日本上映は1997年)。やせっぽちのひつじは、主人公ウォレスに“ショーン”と名付けられました。

そうしてショーンが登場してから、今年は30年目の記念イヤーなんです。

ウォレスとグルミット。

いつもは、普通のひつじとして四足歩行で草を食べているショーン。

ひとたび牧場主の姿がなくなると、二足歩行でまるで人間のように仲間のひつじや動物たちと活動を開始!

「人間が見ていないところでは動物たちがこんなことをしているかも?」を描いた、コミカルでドタバタな展開が魅力のアニメーションです。

ストップモーション・アニメーションの職人技に感動

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手描きの絵コンテもかわいい!

「ひつじのショーン」と「ウォレスとグルミット」は、粘土のようなものでできたキャラクターを少しずつ動かしながら撮影して制作されています。

その静止画をパラパラ漫画のようにつないで、アニメーションにしていくのが“ストップモーション”という技法。

なんとストップモーションで1日に制作できる長さは、わずか15秒という気が遠くなるような世界……!

そうして長編映画も作っていると思うと、感動してしまいます。

ネオンが光るセット。
ネオン部分の背面には配線がびっしり!

セットの細部までじっくり見られるのも、とても楽しいです。

職人技好きにはたまりません!

セットが並ぶ展示風景。

会場には280点あまりの展示物が並んでいます。じっくり細部まで観察したいセットがたくさんあって、わくわくが止まりません!

AIには作ることができない、人が手作業でほんの少しずつ作り上げる、暖かみのある職人の世界がそこにはありました。

日本初上陸、初公開のセットが登場!

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初上陸その1:映画『ウォレスとグルミット 危機一髪!』監獄のセット。
窓の外にはショーンが。

『ウォレスとグルミット 危機一髪!』から、犬のグルミットが無実の罪で捕まった時の監獄のセットが展示されていました。

こちらのセットは30年前に実際に撮影で使用されたとても貴重なもの。窓の外からグルミットの姿をのぞくショーンの姿もお見逃しなく!

初上陸その2:船のセット

最新作映画『ウォレスとグルミット 仕返しなんてコワくない!』に登場した船のセットもありました。

78回英国アカデミー賞(BAFTA)アニメ映画賞を受賞した記念すべき作品です。

作り込まれた細部がとても素敵です……!

シリーズ7“Bitzer’s Bale Out”のパネル。
モニターと牧場のセット。

2025年公開予定の最新作シリーズ7のセットはなんと、世界初展示!

モニターではストップモーション・アニメーションもちょこっと見ることができるので、ファン必見の激レアな展示です。

子どもも一緒に楽しめる展示の見どころ

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展示用に制作された畑のシーンのセット。

日本での展示用に制作された、特別なセットもありました。

「野菜畑のショーンと牧場主」は、よく見ると土の中にコインやティーカップが埋まっていたり、いろいろなものが隠されています。

セットのまわりをぐるっとまわって、いろいろ発見できるのが楽しいんです。

土の中からニンジンをひっぱるもぐら。
木に引っかかった凧。

他にも土の中に埋まる化石やUFO(!)など、そこかしこに面白いところがあるので、子どもと一緒に「ココにこんなのあるよー!」と話しながら見るととっても盛り上がりそう。

ミニチュア写真家・見立て作家の田中達也さんの作品も!

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田中達也さんの作品展示風景。
「お寿司のショーン」(田中達也)。

前回の展示でコラボレーションのあったミニチュア写真家・見立て作家の田中達也さん、今回も「ひつじのショーン」を題材にした作品が展示されていました。

新作はお寿司やゴルフボールになったショーンたちが、とってもチャーミング!

子どもも思わず駆け寄ってしまうようなかわいさです。

フォトスポットもあります

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撮影コーナー。
アニメ内のウォレスとショーンのシーン。

自由に座って撮影できる撮影スポットも発見。

ぜひ、ウォレスになりきってショーンに足を乗せて撮影したいですね!

ちなみに、このショーンのスツール「座れるショーン 8,800円(税込)」はグッズストアで購入もできます。かわいい!(※売り切れの場合もありますのでご了承ください)

ここでしか買えない限定グッズもチェック!

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クリスタルミニ髪留め3種。各440円(税込)
クリスタルマグネット3種。各550円(税込)
クリスタルメモスタンド3種。各660円(税込)

今回の展覧会限定グッズも販売していました。

コロンとしたアクリルがかわいい髪留めとマグネット、メモスタンド各3種です。お土産にも喜ばれそうなアイテムですね。

30周年デザイングッズ。
絵本もたくさんありました!

他にも30周年デザイングッズやぬいぐるみ、絵本など、「ウォレスとグルミット」グッズ、「ひつじのショーン」グッズが大充実していました。

今回記事でご紹介した作品以外にも、じっくり見れば見るほど、発見がある『ひつじのショーン展 with ウォレスとグルミット』。

そのままグッズ化できそうなほどかわいい絵コンテや設定画も必見です。

ショーンやキャラクターが生き生きとしているセットは「夜、人間がいなくなったら動いているかも?」と思わせるような存在感でした。

職人の手仕事で少しずつ作られるストップモーション・アニメーションの魅力を、ぜひ直に見て感じてみてください。

『ひつじのショーン展 with ウォレスとグルミット』

公式サイト:https://tokyoanimecenter.jp/event/shaun/

会期:2025516日(金)〜2025629日(日)

会場:東京アニメセンター(東京都渋谷区神南1丁目21-3 渋谷MODI 2F

開催時間:11:0019:00(展示最終入場18:30

入場料:前売り券 一般:1,000円(税込)、図録付きチケット:2,500円(税込)

当日券:1,200円(税込)

※未就学児1名につき保護者(18歳以上)1名同伴の場合、未就学児は入場無料

©&TM AARDMAN ANIMATIONS LTD 2025. ALL RIGHTS RESERVED.
©&™ Aardman Animations Limited / Wallace & Gromit Limited 2025. All Rights Reserved.

新里 碧
新里 碧
取材漫画家/イラストレーター/アーティスト
芸大を卒業後、広告業界を経て独立。2018年、自身の体験を元に描いた『アプリ婚 お見合いアプリで出会って1年で婚約→結婚しました』(小学館)発売。旅と工作が大好きな新米キャンパーです。
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