魅力その1:頭が完全リラックスモードに!
null今、アウトドア市場はかつてない盛り上がりを見せています。
今から7~8年ほど前に「女子キャン(女子だけで行うキャンプ)」が流行り始め、その後2013年あたりから「ファミリーキャンプ」ブームが始まりました。
実は私、幼い頃に何度も父にキャンプに連れて行かれましたが、何しろ根っからのインドア派。もはやキャンプなど拷問でしかなく、苦い思い出しかありませんでした。
ところが2013年、編集者としてキャンプの本を作る関係から“仕方なく”キャンプに参加することに。では仕事でイヤイヤ行ったキャンプはどうだったか。
「猛烈にリラックスできた」というのが正直な感想です。
エステやマッサージに行ったあとのリラックスとは違います。もっと脳と心がゆるむと言ったらいいでしょうか。働くママというのは、休暇先でも何かと仕事のことや帰ってからの家のことを考えてしまいがちです。
だからいつも脳が働きすぎて、もはやエンスト寸前だと思いませんか。
でもキャンプ場に行くと、自然に囲まれるせいなのか、ものすごく脳がだらけているのがわかるんです(笑)。心底リラックスしているんですね。
これは景色が壮大なキャンプ場や携帯電話の電波が届かないキャンプ場ほど、効果が高まる気がします。
私も最初のうちは、ただ「あぁ!楽しかった、気持ちよかった!」程度の感想しか持ちませんでしたが、日常が戻ったとき、初めて「キャンプ場での私、心底リラックスしていたな。仕事のことなんて1ミリも考えていなかった」と気づいたんです。
人間だって動物です。四六時中電子機器に囲まれ、夜中になっても煌々と明るい街で生活していては身体も脳も心底休むことなんてできません。
日が落ちればどっぷり暗くなり、朝日が昇れば明るくなる。キャンプに行くとそんな自然な時間の流れに合わせて生活するので、身体も心もしっかり休息を取れるんです。
だからスケジュール的にきつい週末でも、ちょっと無理してキャンプに行くと逆に元気になって帰って来られるんですよ!
魅力その2:旅費が安い!
null「テントは移動別荘よ!」
わが家がキャンプにハマり始めたのは、ある先輩ママキャンパーのこのひと言が決め手でした。
子どもにいろんな世界を見せてあげたい、だから旅行行きたい!と思う親御さんは多いと思います。うちも同じです。でも、家族4人で泊まりで出かけるとなると大変! 新幹線代にホテル代、1回の旅行でなんだかんだと10万円近いお金が飛んでいきます。
そうなるとやはり国内の家族旅行は年1~2回が限度……そう思っていたときに、先の先輩キャンパーに、「だったらキャンプデビューしちゃったら?」と勧められたのです。
なぜなら初期投資は多少かかるけれど、行き始めたら必要なのは高速代・サイト使用料(※)が必要なだけ。
また、自分たちの車で行くので電車やバスの時間も関係なく、「金曜日の夜、または土曜日の朝に思い立っても行ける」というのも魅力でした。
筆者注※サイトとはテントを張る場所のことで、無料のところもあるし、5,000円ほどかかるところもあり値段の幅は大きい。ただし基本1泊500~3,000円くらいで楽しめる。これは1人あたりの金額ではなく、場所代なので1人で泊まっても5人で泊まっても値段は変わらない。
魅力その3:外ごはんのおいしさ
nullキャンパーたちがキャンプの楽しみとして必ず挙げるのが、外で食べるごはん=外ごはん。
外で食べるごはんって何であんなにおいしいんでしょうね!? うちの好き嫌いが多すぎる下の子も、キャンプに来るとよく食べます。
朝は山のひんやりした空気の中、鳥たちのさえずりを聞きながらゆっくりと朝ごはんを作り、夜は焚き火を囲みながらワインを飲みながらごはんタイム。空には満天の星……いつものあの“死闘のごはん支度”がウソのような優雅さ(笑)。
ごはん作りほど、働く母親にとって大変な時間はありません。それだけにキャンプ時のごはんタイムは、ママにとっては天国なんです。
でも正直、自然に囲まれながら食べるごはんって、カップラーメンですらおいしく感じますよね!
魅力その4:夜空のすばらしさ!
nullこちらの人気キャンパーオサさん(osa_graph)さんのインスタグラムの写真でも一目瞭然。
キャンプと言ったら、景色のすばらしさも大きな魅力ですよね。キャンプ場によっては、朝起きてテントから出ると目の前に朝日に照らされ、赤く燃えるような富士山や八ヶ岳が見えるなんてところもあり、絶景を堪能できます。
でも、私がおすすめしたいのは“夜空”!
晴天の夏の夜など肉眼で天の川やびゅんびゅん飛ぶ流れ星が見られますし、冬は冬で澄んだ山の空気の中、天然のプラネタリウムが楽しめます。
子どもたちも、“生で見る”星空のすごさにびっくり!
「本当はお星さまってこんなにたくさんあるんだね!」
この夜空に魅せられ、「星空を撮りたい!」と、今度は本格一眼レフデビューをするキャンパーも多いんですよ。
魅力その5:温泉が近い
nullキャンプを始めるようになってから、すっかり源泉かけ流しの温泉にハマり、勝手に“温泉ハンター”も自称しています(笑)。
お風呂付きのキャンプ場もありますが、ないところも多いのが実情。そのためお風呂はキャンプ場の近くの温泉に行くのが恒例です。
でもせっかくの旅先。どうせならキャンプ場のお風呂ではなく、地元でしか“味わえない”温泉に行きたいですよね。
低温ながらも長時間温まることでびっくりするくらい疲れや腰の痛みが取れる湯や、まるで上質な美容液に浸かっているようなとろみを持つ湯、「ガイアの体液」の異名を持つすばらしい泉質の温泉などに今まで出合ってきました。
ある温泉では、長年その温泉に浸かってきたという90代のおばあさんにお会いしましたが、その元気なこと! 肌の美しいこと!
日本人なのに、温泉というすばらしい天然のスパ施設を利用してこなかったワタクシ……。もはや最近では、忙しくてキャンプに行けないと、温泉だけ堪能しに山梨や長野に行っているくらいです。
魅力その6:サバイバル能力を鍛えられる~不便を体感~
nullもしかしたら、キャンプを続ける理由のいちばんの理由はここにあるかもしれません。私がキャンプ本を編集して出したのが2013年。東日本大震災のあとでした。その際、アウトドアブランドの方にお話を聞いたのですが、やはり震災後、「万が一に備えて」キャンプ用品を買う人が急増したと言っていました。
事実、今年の夏に起こった大阪と北海道の災害。ライフラインが途切れたとき、各地のキャンパーたちはキャンプギアがあったから助かった!と言っていました。
蛇口をひねれば水が出る、スイッチを押せばガスはつく。キャンプはそうはいきません。昔に比べ、ずいぶん近代化されたとはいえ、やはり水は取りにいかなければならないし、火だってホイホイつくわけではありません。その不便さをキャンプを通して、子どもはもちろん、私たち大人も知っておいた方がいいと思っています。
そして本当の“暗闇”を知ることも大事だと思っています。私もそうですが、東京で育ってしまうと街灯のない暗さというのを知らないんですね。でもいざ災害が来たら、街灯などすぐさま街から消えてなくなります。
そのときの「闇」に対する恐怖もキャンプで慣らしておこうと思っているのです。
そして、暗闇の暗さを覚える反面、実は月明かりがこんなにも明るく、きれいだということを子どもたちに体感してほしいと思っています!
次回は、初めてのキャンプギアの揃え方についてお伝えします。