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AI、バイオ、AR…「未来と芸術展」最先端技術×アートで見えてくるもの【ふらり大人の美術展#15】

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最先端のテクノロジーは私達の生活を豊かにしてくれる、と言われています。では実際に、どのような「豊かさ」をもたらしてくれるのでしょうか? 今回は、アートを通じて“テクノロジーの発展がもたらす未来”について考える展覧会をご紹介します。

タイトルはAIが生成!大転換時代に「未来」を考える展覧会

展示風景:「未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命―人は明日どう生きるのか」森美術館(東京)、2019-2020年 撮影:木奥惠三 画像提供:森美術館

テクノロジーが発展すると、世の中のいろいろな物事が変わっていきます。人々が暮らす都市のあり方と環境が変わり、その変化とともにライフスタイル、社会のシステム、そして人間そのもののあり方までも……。

森美術館で開催中の「未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命――人は明日どう生きるのか」は、AI、バイオ技術、ロボット工学、AR(拡張現実)などの最先端技術が、未来をどのように変えていくのかを考える展覧会。アートやデザイン、建築作品を通して思いを馳せます。

展示風景より≪2025年大阪・関西万博誘致計画案≫2019年
展示風景よりエイミー・カール「インターナル・コレクション」シリーズ2016-2017年

ちなみに、タイトル「未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命――人は明日どう生きるのか」は、IBMが開発したAIが生成したタイトル候補、約15,000点の中から選ばれたものだそうです。展覧会の顔とも言えるタイトルをAIが考え出す時代になったのですね……!

ミドリムシの作品も! 観賞しながら未来を想像する面白さ

展覧会は、「都市の新たな可能性」「ネオ・メタボリズム建築へ」「ライフスタイルとデザインの革新」「身体の拡張と倫理」「変容する社会と人間」という、5つのセクションで構成されています。

気になった作品をいくつか取りあげてみましょう。

展示風景より XTUアーキテクツ≪Xクラウド・シティ(模型)≫ 2019年

もし、温暖化などの影響で人類が地表に住めなくなったとしたら……。パリを拠点に活躍するXTUアーキテクツは、「だったら、空に住んでしまえばいいじゃないか」と考えました。彼らは3Dプリンターでモジュールを作成し、雲の上の大気圏内に居住空間を作ることを提案しています。

展示風景よりミハエル・ハンスマイヤー≪ムカルナスの変異≫2019

こちらの作品は、イスラム建築で見られるシンプルな幾何学装飾を下敷きに、ドイツ出身の建築家、ミハエル・ハンスマイヤーがコンピューターでシミュレーションして作り出した幻想的なインスタレーション≪ムカルナスの変異≫です。

シンプルで神秘的な外観とはうらはらに、ロープのカーテンのなかには太さの異なるパイプが凝縮し、複雑な模様を作り出しています。

展示風景よりミハエル・ハンスマイヤー≪ムカルナスの変異≫の細部

人間が制作すると、数十時間の労力ととてつもない集中力が必要となる複雑な模様も、コンピューターの手にかかればあっという間に完成。

どんどん進化する技術を前に、人間はどのように振る舞うべきか、何に力をいれればよいのか、などと考えてしまいます。

エコ・ロジック・スタジオ ≪H.O.R.T.U.S. XL アスタキサンチン g≫2019年 PETG、バイオジェル、ユーグレナ 317×270×114 cm 展示風景:「未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命―人は明日どう生きるのか」森美術館(東京)、2019-2020年/撮影:木奥惠三 画像提供:森美術館

上記写真の作品≪H.O.R.T.U.S. XL アスタキサンチン g≫には、3Dプリンターで作られたブロックの中にミドリムシ(ユーグレナ)が生息。ミドリムシは、太陽光で光合成をしながら空気を浄化します。

展示風景より≪H.O.R.T.U.S. XL アスタキサンチン g≫

作品に近づいてみると、日当たりの良いところでユーグレナがすくすくと育っていることがわかります。

将来、このブロックが建築物に用いられるようになったら、新鮮な空気がビルの壁から内部に入ってくることに。そうなると建物内の空調システムも変わり、中にいる人々の生活スタイルも変わっていくはず。

ともすれば最先端技術は、専門分野ではない人にとってなかなか理解することが難しいもの。ですが、ひとつの形になった作品を観賞していくことで、仕組みを理解しやすく、どんな未来につながるのかイメージしやすくなっています。

体験型の展示もあります。

パトリック・トレセ ≪ヒューマン・スタディ #1、5 RNP≫ 2012-2018年 ロボットを使ったインスタレーション
展示風景:「未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命―人は明日どう生きるのか」森美術館(東京)、2019-2020年
撮影:木奥惠三 画像提供:森美術館

パトリック・トレセによる≪ヒューマン・スタディ#15 RNP≫は、似顔絵を描く5台のロボットです。ロボットはそれぞれに似顔絵の描き方を「学習」しているため、画風は微妙に異なるのだそう。

こちらの作品は、1日に23回、先着2名様のみですが、ロボットに似顔絵を描いてもらえます。ロボットが人の顔の特徴を捉え、絵を描く課程は見ていてなかなかスリリング!

このかわいらしいロボットは『LOVOT(ラボット)』という家庭用のコミュニケーションロボット。「役に立たない、でも愛着がある」というコンセプトのもと、GROOVE X社により開発されました。

夜になるとウトウトしたり、周囲にいる人に近づいてきたりします。ロボットが家族になる日も近いのかもしれませんね。

展示作品は、なんと約100点以上! 作品を観賞するのはもちろんのこと、作品から連想する「未来」について想像するのが非常に面白い。あれこれ考えながら観賞していくとあっという間に数時間は経ってしまいます。

 

新しい発見がたくさん詰まった「未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命――人は明日どう生きるのか」は3月29日まで。時間を見つけて、ぜひ出かけてみてください!

【展覧会情報】

未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命――人は明日どう生きるのか

会場:森美術館

東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53

会期:20191119日(火)~2020329日(日)

開館時間:10002200/火曜は1700まで(最終入館は閉館の30分前まで)

休館日:会期中無休

最寄り駅:東京メトロ日比谷線「六本木駅」1C出口 徒歩3分(コンコースにて直結)、都営大江戸線「六本木駅」3番出口より徒歩6

問い合わせ:03-5777-8600(ハローダイヤル)

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