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目の見える子も見えない子も、触って一緒に!「テルミのめいろ」でワイワイ室内遊び

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「迷路は目で見て行うもの」だと思っている方が多いかもしれません。皆さんは、指先の感覚を頼りにゴールを探り当てる迷路があるのをご存じでしょうか。

見える子も視覚障害のある子も、触って一緒に遊べるように、という作り手の思いと工夫が詰まった1冊をご紹介しましょう。

『てんじつき さわるえほん テルミのめいろ』(小学館)は、指先の感覚を使ってゴールを探り当てていく迷路。視覚障害を持つ子どもに向けた隔月月刊雑誌『手で見る学習絵本 テルミ』の200号記念として出版され、これまでの選り抜きの傑作迷路が掲載されています。

特殊な印刷により、迷路の線が盛り上がっている

早速目をつぶってチャレンジ!指先の感覚が研ぎ澄まされる

一見、ポップでカラフルな迷路の絵本に見えますが、触ってみると迷路の線の部分がツルツルとした樹脂で盛り上がっており、確かな凹凸を感じることができます。触っていると、ちょっと気持ちいいです。

スタートの位置に手を添えて開始!

早速子どもたちが目をつぶってチャレンジ! スタートの部分に指を置き、指を進めていきます。行き止まりに当たりながらも、正しい道を探るのがとってもワクワクする様子。頭と指先をフル活用することで、指先の触感が少しずつ研ぎ澄まされていくようです。

子どもだけでなく、大人にとっても新鮮な体験。筆者もチャレンジしてみましたが、普段、いかに視覚に頼っているかを実感しました。

無事にゴールできるかな?

普通の迷路は何度か遊ぶと飽きてしまうというデメリットがありますが、『てんじつき さわるえほん テルミのめいろ』は、長く遊べるように簡単な迷路だけでなく、あえてちょっと難しい迷路も掲載されています。

1度ゴールした迷路でも、本の向きを変えてみると、新しい迷路にチャレンジしているような不思議な感覚を味わうことができそう。

みんなで「一緒に遊べる」ための工夫とは?

『てんじつき さわるえほん テルミのめいろ』には、「目が見える子と見えない子が一緒に遊ぶ」というシチュエーションを想定し、様々な工夫が施されています。

まず、点字つきの絵本の業界でも「画期的」と評されているのが、印刷方法です。

みんなで同じ迷路を楽しむことができる工夫が満載!

これまでは、特に表裏の両方に印刷をする場合、絵の上に触図用のインクをピタリと重ねるのは至難の業でした。印刷後の乾燥の過程で、絵とインクに多少の“ズレ”が生じてしまうからです。

しかし、印刷の試行錯誤を重ねることで、迷路の線の上にキレイにインクを乗せることに成功! 目で見た時と、指で触った時とで同じ迷路の図形を楽しむことができるようになりました。

また、製本方法にも工夫が。

製本技術が進化。絵本の“めくる楽しさ”を味わえるように工夫が施されている

従来、点字つきの本は、製本の際のプレスの圧力で点字の部分がつぶれないように、片面印刷の紙を折りたたんで製本した“じゃばら織り”か、“リング製本”が採用されていました。

『てんじつき さわるえほん テルミのめいろ』は、これらの難しさを技術で乗り越え両面印刷を施し、普通の絵本に近い製本方法によって視覚障害がある子どもも“めくる楽しさ”を感じられる作りとなっています。

みんなで同じ迷路が楽しめる『てんじつきさわるえほん テルミのめいろ』(2,000円+税)は、全国の書店および、通販サイトなどで発売中。

 

年末年始のイベントシーズン、家族や友達とチャレンジしてみるのも楽しそうですね!

田中 喜代司 (2018)「てんじつき さわるえほん テルミのめいろ (小学館)

 

 

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