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【夫編】「結婚して後悔する人」と「しない人」の違いとは?既婚男性147人の回答から見えること

英語の“ケミストリー”という単語には、“化学”の他に“カップル間の相性”という意味があります。

別々の家庭で育ち、異なる価値観を持った2人が結びついたときに、どんな“ケミストリー”がもたらされるのかは、当事者である夫婦でも予想するのが難しいことです。

愛が増す“熱反応”を期待しながらも、けんかがヒートアップする“燃焼反応”や、憎しみが憎しみを呼ぶ“連鎖反応”が続いている家庭もあるかもしれません。

今回は、結婚後に“後悔”という感情に直面した男性の声を取り上げていきます。

既婚男性が結婚したことを後悔する理由は?

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9月中旬、『kufura』編集部は既婚男女339人(男性147人/女性192人)にアンケートを実施しました。

あなたは結婚したことを後悔していますか?」という問いにシンプルな3つの回答を用意し、今の心境に最も近い選択肢を選んでもらいました。

今回は、既婚男性の声に迫っていきます。

結婚したことを後悔しているかどうか、という問いに対する回答は、以下のような割合となりました。

やや後悔している・・・17.7%(26人)
とても後悔している・・・5.4%(8人)
後悔していない・・・76.9%(113人)

少数派ではありますが、23.1%の男性が「やや後悔している」「とても後悔している」と回答しています。

いったい、どんな理由があって後悔を抱くようになったのでしょうか。

その理由について質問したところ、以下の4つの理由がありました。

1:結婚して自由がなくなった

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「もう少し独身で遊びたかったからです」(48歳・総務・人事)

「自分の時間と自由がなくなったから」(44歳・会社経営・役員)

「結婚して恋愛ができない」(48歳・営業・販売)

結婚後、したいことを好きなだけする自由を“失った”と感じているケースです。一方、妻サイドからは“自分の自由がない”という声が一定数寄せられています。“失ったもの”に後ろ髪を引かれ、後悔の念につながっているようです。

2:妻が「やるべきこと」をしない・できない

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「妻は掃除、片付けができない」(46歳・研究・開発・技術者)

「結婚前から怠惰な面もあるなと思っていましたが、今は朝からずっと寝ていて、テレビを見ています。結婚したこと自体、後悔の毎日です」(57歳・研究・開発・技術者)

「妻の料理がおいしくないので」(54歳・その他)

回答者は、妻の家事スキルや意欲が不足していることに失望している様子。一方、妻サイドからは「夫が家事をしてくれない」という声が寄せられています。

夫は「家事をやってもらえない」と嘆き、妻は「家事をやらされている」と嘆き、互いの結婚の満足度が低下し続ける……というネガティブな“ケミストリー”につながっているケースもありそう。

3:妻と金銭感覚が合わない

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「妻の金銭感覚がおかしい」(43歳・その他)

「金銭感覚があわず、将来の資金計画が相談できない」(46歳・その他)

「金銭感覚の違い」(54歳・営業・販売)

夫から見た妻が過度な浪費家、過度な倹約家の2パターンがありました。「みんな違ってみんないい」とはなり難いのが、夫婦の金銭感覚の違いです。時には、家庭を揺るがす重大な問題となることもあるのです。

4:「別の人生」に思いを馳せてしまう

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「もっと相性がいい人がいるような気がします」(42歳・その他)

「他の人と結婚したら、違った人生だったと思うとき」(51歳・研究・開発・技術者)

「他の人と結婚すればよかった」(40歳・研究・開発・技術者)

“別の人生を送っている自分”を想像しながら暮らすのは、満たされない思いにつながりそうです。

欲しくても手に入らないものがあるとき「現状で満足する」か「欲しいものには価値がないと思い込んで、心の平安を取り戻す」の2つが手っ取り早い思考の切り替え方法だと思います。頭ではわかっていても、そう簡単に切り替えられないのが人間の“業(ごう)”なのかもしれません。

「結婚したことを後悔していない」人の傾向は?

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ここまで、「(結婚したことを)やや後悔している」「とても後悔している」と回答した人の声をご紹介しましたが、続いては「後悔していない」と回答した人の声をご紹介します

皆さんの声は、これから結婚する人にとって参考になることがあるのではないでしょうか。

「育ってきた環境が違うので合わない部分もないことはないが、楽しい面のほうが多い。未来に対する不安も独身でいるよりは少ないと思う」(32歳・総務・人事)

「“後悔”という言葉はない。もちろん他人同士なので考え方であったり、いろいろなことに違いを感じるがそれを修正しながら人生は過ぎるものではないかと思う」(50歳・営業・販売)

「妻との関係性についてはやや不満があるが、結婚して成長できたことや楽しかったこともたくさんあるので、結婚したこと自体は後悔していない」(46歳・研究・開発・技術者)

「不満以上に満足感がある」(34歳・研究・開発・技術者)

「結婚した事によって自由は減ったけど子どももできて幸せだと思う」(41歳・研究・開発・技術者)

「決して順風満帆ではなかった人生を共に歩んでこられて後悔はしていない」(51歳・研究・開発・技術者)

「全く育ちの違う人間同士が一緒に暮らし全てがうまくいくはずがない。良いところを探して強調していくべき」(59歳・研究・開発・技術者)

「いずれ独身の楽しさより寂しさが勝つことを知っているから」(59歳・営業・販売)

互いの主張や欲望と折り合いをつけながら、良好な“ケミストリー”で居心地のよい関係を築いていることがうかがえます。

自分のために生きる自由を手放しながら、他者との生活を通じて誰かのためにも生きるという“新たな自由”を得ている……という感じでしょうか。

 

次回は妻からの声をご紹介します。あわせて読むと、結婚を望むカップルが後悔しないための教訓が得られるかもしれません。

北川和子
北川和子

自治体HP、プレスリリース、コラム、広告制作などWEBを中心に幅広いジャンルで執筆中。『kufura』では夫婦・親子のアンケート記事やビジネスマナーの取材記事を担当している。3児の母で、子ども乗せ自転車の累計走行距離は約2万キロ。地域の末端から家族と社会について日々考察を重ねている。

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