『kufura』編集部は、既婚男女356人(男性219人・女性137人)に家庭外で配偶者をなんと呼んでいるのか聞いてみました。
回答内容は、男女別にお届けします。
今回は、男性側が配偶者を呼ぶ際の呼称をランキング形式でお届けしたあと、傾向について掘り下げていきます。
なお、場面によって呼称を使い分けている場合には、それぞれの項目で1回ずつカウントしました。
「既婚男性は、家庭外で配偶者をどう呼ぶ?」1~5位の順序は…
null今回のアンケートで既婚男性が家庭の外で配偶者について話す際の呼称で、多かったのは以下の5つでした。
5位・・・かみさん(24人)
「かみさん。気さくで言いやすいと思うので」(46歳・その他)
「かみさん。あまり上品な言い方が苦手なので照れ隠しの意味も含んで」(58歳・総務・人事・事務)
「かみさん。粋だから」(57歳・その他)
“かみさん”は、親しい間柄で女性の配偶者を表す言葉。気さくな印象や“粋”な語感を好んで使っている人が見られます。
4位・・・名前で呼ぶ(26人)
「下の名前で呼ぶ。妻とかは言わない。照れくさい」(53歳・営業・販売)
「会社では妻と呼んでいるが、親しい間柄では下の名前で呼んでいる」(54歳・金融関係)
「“妻”というが、友達などには名前を使う」(56歳・総務・人事・事務)
家族や友人など、自分の配偶者を知っている相手に対しては配偶者を名前で呼ぶ、という声がありました。
3位・・・奥さん(27人)
「奥さん。妻、嫁っていうのはえらそうに感じます。ただ、奥にいるので奥さんという言い方も古臭い気はしていますが、適切な言い方が見つからないのでそのように呼んでいます」(57歳・研究・開発)
「妻、女房、家内はちょっとえらそうなので、“うちの奥さん”と言っています」(56歳・技術職)
「公式には“妻”だが、世間話では“奥さん”」(49歳・公務員)
かつては、将軍や大名の休息の場である“奥の間”にいる配偶者を指して使っていた“奥様”。以後、他人の妻を敬って言う言葉となり、よりくだけた印象の“奥さん”という言葉が広く使われるようになっています。
2位・・・嫁(47人)
「嫁。まわりの人たちもその呼び方をしているので真似している」(42歳・その他)
「嫁。言いやすいから」(29歳・その他)
「“妻”は恥ずかしいので“嫁”と呼ぶ」(44歳・その他)
「“嫁”と外では言っている。他人の前ではなかなか呼び捨てにできないし、嫁が一般的かなと思うから」(59歳・その他)
「“嫁”と呼んでいる。それ以外はかっこつけてるみたいでなんか恥ずかしい」(51歳・その他)
何かと物議をかもす“嫁”という呼称。『日常語の意味変化辞典』(東京堂出版)で“嫁”を調べると、平安時代の“御前”に近い意味から、“良い女”“若い妻”“息子の妻となる女性”などと意味が次々と移り変わっています。
今回のアンケート結果を見ると「妻と言うのは恥ずかしい」「女房や家内は古臭い」という理由で、砕けた言い方を好む男性が“嫁”という呼称を使っているようです。
1位・・・妻(71人)
今回のアンケートで最も多かったのが、“妻”という回答でした。
「いつも“妻“と言っています。他の言い方に抵抗を感じるので」(43歳・営業・販売)
「妻。それ以外は違和感がある」(36歳・その他)
「“嫁”がよくないと最近知り、“妻”と呼ぶようにしている」(53歳・主婦)
かつては夫にも妻にも使われていた“つま”という言葉。
今回のアンケートでは、オフィシャルな場で”妻“と呼ぶ人が多く見られます。上下関係のニュアンスを含まない“妻”という呼称が好ましい、という声もありました。
その他の呼び方は?どう使い分けている?
nullちなみに、6位以降には、以下のような呼称がありました。
「嫁さん・嫁はん」(18人)、「家内」17人、「女房」(4人)、「相方」(3人)、「母ちゃん」(2人)。
あえて“嫁”に敬称をつける人、コンビの仲間のように呼ぶ人、対等な関係性を連想させる“連れ合い”“ワイフ”を好んで使っている人も見られました。
中には鹿児島弁の“うっかた(内方)”という呼び方もありました。
配偶者を呼ぶためにこれだけの呼称があるとは、日本語の多様さを実感せずにはいられません。
「妻」「嫁」を使い分けている人も…
さて、今回のアンケートでは、場面によって配偶者の呼称を使い分けると言う声も多く聞かれました。具体的には以下のような使い分け方法です。
「通常は“妻”と言うが、くだけた関係だったりカジュアルな場では“嫁”と言っている」(49歳・会社経営・役員)
「カジュアルな場では“嫁さん”、仕事などでは“妻”と言っています」(43歳・営業・販売)
「友人には“嫁”、目上の人には“妻”。それが自然なので」(43歳・その他)
「見知らぬ人であれば“妻”と言って、友達や会社の同僚には“嫁”と言って使い分けている」(43歳・研究・開発)
時代の流れを配慮して“妻”、職場の同僚の真似をして“嫁”、敬称をつけて“嫁さん”、バンカラ風に“母ちゃん”……などなど、現在の呼び方を選択した経緯には、それぞれの理由があるようです。
次回は、既婚女性の回答をお届けします。
男女に共通した“ある傾向”が見られました。