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【夫編】「卒婚したい」と考える夫は何割?離婚したい人とは何が違うの?

法律上の夫婦は、同じ家に住み、助け合い、配偶者以外と恋愛をしないことが想定されています。

そうはいっても、時とともに夫婦関係は変化していきます。いつのまにか親友のようになった夫婦も、本心を上手に隠し合って今日を終える夫婦も、別々の人生を歩む夫婦もいることでしょう。

中には、婚姻関係を継続したまま、互いの生活に干渉せずに個の時間を大切にする“卒婚”という関係性に関心がある方もいると思います。

今回は30~60代の既婚男女の“卒婚願望”について着目しました。

30~60代既婚男性の3割弱は「卒婚」したいと思ったことがある

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『kufura』編集部は、30~60代の既婚男女(男性446人・女性228人)に「卒婚願望」に関するアンケートを実施しました。

回答内容は【夫編】【妻編】に分けてお届けします。

今回は、男性の声をご紹介します。

まず最初に、「“卒婚”とは婚姻している夫婦が互いに必要以上に干渉することなく、自由を認め合って、最低限のルールを守り、ゆるやかなパートナーシップを築いていくという新しい夫婦像のこと」と説明したうえで、皆さんの卒婚願望についてうかがいました。

【卒婚したいと思う?】

「卒婚」したいとよく思う・・・10.3%

「卒婚」したいと時々思う・・・17.3%

「卒婚」したいと思わない・・・60.8%

現在、実際に「卒婚」状態にある・・・4.9%

「卒婚」ではなく「離婚」したいと時々思う・・・2.9%

「卒婚」ではなく「離婚」したいとよく思う・・・3.8%

「卒婚したいと時々思う/よく思う」と回答した割合を年代別に見ていくと、30代は少なく、40代~50代で3割程度まで上昇し、60代になると下降する傾向が見られます。

卒婚を望む男性の4人に1人は、妻と卒婚について話し合った経験がありましたが、今の段階で合意をしている例はほとんどありませんでした。

「いままで通りの婚姻関係」でも「離婚」でもなく「卒婚」を選ぶ理由

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それでは、既婚男性が「いずれ卒婚したい」と感じる理由について、年代別の声をご紹介します。

【30代の声】

「離れて暮らしていないと思いやれない部分が出てきていて、傷つけあうなら考えてもいいかなと思ってきているので」(40歳・コンピュータ関連技術職)

「恋人くらいの距離感が、一番良い」(36歳・その他)

【40代の声】

「子育てが終わったら自由に暮らしたい」(41歳・金融関係)

「子育てが終わったら、離婚まではいかないが、それぞれがやりたいことを優先させたいので」(44歳・その他)

「家を別々にして、1人でこもってみたい。妻に伝えたら『いっしょにいたいよー』と泣いてしまいました」(46歳・デザイン関係)

「自分が子育て中にしたかったことを自由にやりたいと思っているので」(45歳・その他)

【50代の声】

「離婚によるデメリットは避けたい。シェアハウス的な関係が将来はいいと思う」(53歳・公務員)

「価値観が違うので一緒に居られないが、戸籍上の法的なメリットを解除してまで離婚する必要まではない。親族や親などの立場を考えてしまう」(57歳・総務・人事・事務)

「子育てが終わり、束縛されず、お互い自由な生き方をしたい」(56歳・研究・開発)

【60代の声】

「婚姻関係を終わらせるのは相続その他でいろいろ問題があって難しいと思うが、お互いに勝手気ままに暮らしていくのも悪くないような気がするから」(61歳・総務・人事・事務)

「親の基本的な役目は終了したので今後は気楽に生きたい」(61歳・総務・人事・事務)

「子どもも独り立ちして安心、私も定年後第二の人生もここで区切りをつけたい。世間体があるため離婚はできないので 残された人生を自由に生きたい」(69歳・総務・人事・事務)

家庭や職場の責任がのしかかり、将来の展望が見えにくい30~40代の既婚男性は、「子育ての責任を終えたらいずれ……」という漠然とした回答や、シンプルに自由な時間を望む回答が多く見られます。

50歳以上になると、“籍”を共にしておくメリットや、どんな老後を過ごしたいかなどを具体的に検討している声も見受けられました。

すでに「卒婚状態」と回答した8割は55歳以上

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ちなみに、今回のアンケートでは22人が「実際に卒婚状態」だと回答しています。その8割は55歳以上でした。

「妻が両親の介護で実家に戻って以来、看取った後も10年以上ずっと卒婚状態です。思いのほか快適に過ごしているし、当分は卒婚継続のつもり」(66歳・その他)

「子どもが独立し、それぞれ夫婦は、趣味を優先しているので現在は、シェアハウスの住民同士のようになっている」(69歳・その他)

「それぞれが分かれて住むのは寂しいけど家事をしてボケ防止になる。話し合ってお互いが好きなことをやる卒婚状態です」(69歳・その他)

子どもが巣立った。家族を看取った。職場での仕事を全うした。

人生のステージに変化が訪れて、自由が手に届くようになったとき、「夫婦でどのような時間を過ごしたいか」というテーマで意見をすり合わせることは大切であるようです。

「卒婚」でなく「離婚したい」人の声から見えてくることは?

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今回のアンケート内容を読み込んでいくと、卒婚には柔軟な話し合いを重ねることができる夫婦仲も必要であると感じました。

アンケートでは6.8%の男性が、卒婚ではなくいずれ離婚したいと回答しています。その内容は、解決の難しい夫婦問題や強い不満を抱えるなどして、2人の関係が新たな関係性を築く柔軟性を失っている様子を連想させる回答が目立ちます。

「思いやりがなく時々嫌になることがある」(35代・その他)

「既に10年来夫婦関係は破綻しているが、子どものために一緒にいる状態だから。子どもが独立したら一緒にいる意味はない」(51歳・企画・マーケティング)

「現時点で一緒に居るのが既に苦痛なので卒婚と言わず離婚したい。家は貸家にして差額で生活できるアパートかマンションに引っ越したい」(52歳・その他)

「掃除はしない、言う事は聞かない、ギャンブル依存がひどく、いい加減疲れました」(54歳・その他)

「夫婦生活にとにかく疲れた」(58歳・その他)

配偶者との新たな関係性を築くよりも、関係そのものを絶ちたいという思いが先立っている点が、卒婚を望む人とは異なっています。

 

以上、今回は既婚男性の卒婚願望についてお届けしました。

次回は【妻編】をお届けします。

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