前回の【夫編】に続き、今回は既婚女性の声をすくいあげていきます。アンケートにご協力いただいたのは、255人の既婚女性(20~50代)です。
ふとしたときに「結婚してよかった」「結婚しなければよかった」と感じた瞬間についてうかがいました。
妻が「結婚してよかった」と思うとき…キーワードは「安」「笑」「子」
nullまず、妻がふとした時に「結婚してよかったな……」と感じた瞬間の上位3つの回答をお届けします。
3位:何かあったときの安心感(52人)
「虫が出たとき、あっという間にやっつけるか外へ逃がしてくれる。地震など自然災害があるときに安心できる」(42歳・総務・人事・事務)
「コロナのような社会的に不安なことがあっても寂しくない」(40歳・ 主婦)
「台風や雷のとき夫がいると怖くないので、安心します」(31歳・主婦)
「将来的な不安がないこと。専業主婦でいられること」(48歳・主婦)
2位:夫の存在を通じて(65人)
「一緒にスーパーに買い物に行くだけで楽しい」(42歳・主婦)
「仕事で遅くなったとき、夕食が作られている」(48歳・その他)
「一緒に笑い合うとき。同じタイミングで同じ歌を歌い出したり、気が合うなぁと思ったとき」(33歳・主婦)
「仕事で疲れて帰ったら愚痴を聞いてくれる人がいる」(57歳・その他)
「私が病気で入院したときに主人は仕事に行きながら、子ども達の世話をして、入院をしてる私の事も色々とお世話をしてくれて感激し、結婚して本当に良かったと思いました」(40歳・その他)
1位:家族の存在を通じて(69人)
「寂しくないし、やっぱり家族が一番で気も使わないし楽なので、よかったなと思います」(36歳・総務・人事・事務)
「子どもたちが夫と楽しそうに遊んでいる姿を見たときは『結婚してよかったな……結婚していなかったら、こんな光景を見る事はなかったな』と、よくしみじみしています」(38歳・主婦)
「毎晩眠る前に子どもや夫の寝顔を見たとき」(44歳・総務・人事・事務)
「寂しがり屋なので夫や子ども達と一緒にいられる事が寂しくなく幸せだし、結婚してよかったと思う」(28歳・主婦)
「子どもがパパと楽しそうに遊んでいるとき」(34歳・主婦)
多くの女性は、夫や家族の存在を通じて、幸福感や安心感、充実感を得られたとつづっていました。自分1人では対応しきれない“何か”があったときに、支え合える人がいることの喜びを感じている人もいます。
妻が「結婚しなければよかった」と思うとき…キーワードは「家」「時」「疲」
null続いて「ふとしたときに、結婚しなければよかった」と感じた瞬間については、以下のような回答が寄せられています。
3位:時間的・精神的な自由が欲しいとき(27人)
「独身時代好き放題遊んで好きなことばかりやっていたのに、今は子育てしかしてなくてなんにも面白いことはしていないな、とふと思い出したとき。SNSで独身時代遊んだ場所や友達を見かける度に寂しい気持ちになる」(28歳・デザイン関係)
「夫は仕事の8時間以外は自由時間なのに、主婦は仕事以外も家事と子どもの事で時間がないこと」(48歳・主婦)
「コロナで夫のリモートワークが増え、朝から夜まで食事作りをしています。もううんざりです。自分の一人の時間が欲しいです」(52歳・主婦)
「自由に出かけたいけど夫のスケジュールを確認しなければならないなどモヤモヤするとき」(38歳・総務・人事・事務)
2位:夫の言動を見て(35人)
「なによりも自分のことを優先する旦那の姿を見たとき。釣りに行って帰ってきて自分は眠いからと言って子どもをほったらかしにして自分だけ寝るとき」(34歳・主婦)
「片付けなどを全然やらず、ちょっと文句を言うとモラハラ扱いされる時」(57歳・その他)
「人のことを見下し、自分は完璧だという態度を見ると嫌でしかたがない」(51歳・総務・人事・事務)
「ケンカしたとき、ものすごく口が悪くなり、すぐキレる」(40歳・主婦)
「夫が自分のことを最優先にするとき。自分の身の回りの物の所在を訪ねてきたり、私や子どもに関係ないことを手伝わせよう(やらせよう)とするとき」(46歳・主婦)
1位:家事・育児負担の負担が大きい(38人)
「時間はあるのに夫も子どもも自分の洗濯物ひとつ畳もうともしないとき。特に夫には、この先歳をとってまでもこの人の世話なんかしたくない、そんなことするために結婚したんじゃないと強く思う」(54歳・主婦)
「疲れてるときに毎食おかずを作らないといけないとき」(42歳・主婦)
「子どもへのイライラを理解しないとき。自分ばかり遊び歩いているとき。子どもが話しかけているのに携帯を見ていて聞いてないとき。子どもそっちのけで自分の趣味のことばかりしているとき」(31歳・女性)
「旦那が何もせず洗濯や掃除を全部してるとき家政婦かよ!って思う」(47歳・公務員)
夫の言動と、家事・育児負担の大きさについては重複する部分もありました。
夫が多く家事を担う家庭もあると思いますが、多くの家庭では仕事・育児・家事の負担が妻にのしかかっており、その割合が過多となったときに自由な時間に思いをはせることがあるようです。
ちなみに48人は「後悔した瞬間はない」と回答しています。
【総括】夫婦の幸せな瞬間は類似しているけれど、不満は異なっている
null2回にわたり、夫婦の「結婚してよかった」「結婚しなければよかった」の結果をご紹介しました。
総括すると以下のような結果になりました。
【夫が「結婚してよかった」と感じる瞬間】
1位:家族の存在を通じて
2位:食事時間・食事内容の充実
3位:妻の存在を通じて
【夫が「結婚しなければよかった」と感じる瞬間】
1位:妻の不機嫌・けんかを通じて
2位:時間・精神的な自由が欲しいとき
3位:「お金」の不満を感じたとき
【妻が「結婚してよかった」と感じる瞬間】
1位:家族の存在を通じて
2位:夫の存在を通じて
3位:何かあったときの安心感
【妻が「結婚しなければよかった」と感じる瞬間】
1位:家事・育児負担が大きいとき
2位:夫の言動を見て
3位:時間・精神的な自由が欲しいとき
男女ともに「結婚してよかった」の時間は類似していましたが、「結婚しなければよかった」の理由についてはずいぶん異なっています。
妻の場合は家事・育児によって就業・外出の自由が制限されること、夫サイドからは妻の不機嫌や文句に心を削られる声が多く見られました。また、家計の決定権を握る妻への不満、育児や家事を仕事よりも下に見て高圧的にふるまう夫への不満も聞かれました。
家庭内で担う役割分担にがんじがらめになることで、夫も妻も苦しめられることがあるようです。
いずれにしても、夫婦ともに家庭空間で癒し・安心・笑いを得たときに幸せを実感し、時間・金・労力を「奪われた」と感じたときに後悔をする傾向が見られます。
相手の不満に耳を傾け、折り合いをつけていくことが大切なのかもしれません。