今日は待ちに待ったお江戸の花火大会!『はなびのひ』
『はなびのひ』(佼成出版社)作/たしろちさと
「いってらっしゃい、おとうちゃん」
「おうっ、ぽんきち、でっかいの あげてやるからな」
今日は待ちに待ったお江戸の花火大会。ぽんきちのお父ちゃんは花火職人なのです。夜まで待ちきれないぽんきちは、家の中でうろうろ…落ち着きません。すると、お母ちゃんからお父ちゃんの夜食を届けるように頼まれました。
「うん、まかしといて!」
夜食を手に持ち、歩き出したぽんきちの姿をを見ると、町の人たちが「もう花火の時間だ!」と思い込み、仕事なんてそっちのけで次々についていきます。何しろ、誰もがぽんきちのお父ちゃんの花火を楽しみにしていますからね。ぽんきちの知らない間に、江戸の町には大行列が出来上がり…。さあ、いよいよ待ってましたの花火大会のはじまりです!
「ひゅー… どーん」
たしろちさとさんが初めて挑む和風絵本。その色合いから構図、キャラクターまで、新たな魅力をたっぷりと味わえるこの1冊。江戸の街並みを背景に、住人達の暮らしや着物や小道具など、どこの場面を切り取っても見飽きることなく楽しみながら、いつの間にか読者もクライマックスの花火シーンを待ちわびてドキドキしてきます。荷物を持って町をフラフラ歩く小さなぽんきちの姿も可愛すぎます。
でも、やっぱり何と言っても大迫力の花火シーン。広い夜の空に咲く大輪の花火、降ってくるような光のつぶ。江戸の人々と同じように、見とれてボーっとしてしまいます。夏の涼しい定番絵本の登場ですね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
※『絵本ナビ』より引用
【読者の声(『絵本ナビ』より)】
みんな花火が大好き。
花火大会当日の、
花火師のたぬきさんとその息子。
息子は朝からそわそわしています。
お母さんに頼まれて、お父さんに弁当を届けに行くだけなのに、
町中の動物たちが、くっついてきて、
明るいうちから花火大会の会場に来てしまう。
みんながみんな花火大会を心待ちにしている様子がうかがえます。
みんな花火が好きなんだなあ。
これぞ、にっぽんの夏!ですね。
(Tamiさん 40代・ママ 男の子8歳)
暗い夜空に「シューッ」と何かが飛んでいって、
次のページを開くと「ドーン」「パパパーン」「キラキラキラ」
きれい!
「シューっ、シューっ」ときて
「ポン、ドドドーン」大きな大きな花火が打ち上がって。
また、きれい!
この繰り返しは、理屈抜きで楽しいのです。
まるで万華鏡のように次々に色と表情を変えていく花火の美しさ、
変化のある音と反復するリズム、
そして金平糖みたいに今にもつかめそうな、キラキラな光の粒。
小さな子どもたちがワクワクせずにはいられないはずですよね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
※『絵本ナビ』より引用
【読者の声(『絵本ナビ』より)】
大迫力
迫力のある絵本で、まだ花火も良くわかっていないような一歳の頃に読みましたが、それでも気に入ったようです。二歳をすぎ、花火を実際に見たことがあるようになると、今まで以上に楽しんでくれたかも。それは他の子も同じようで、地元の花火大会の後に保育園のお迎えに行ったら、子ども達がこの絵本を持っていたり、絵本を参考にみんなで花火ごっこをしていたりということがありました。子ども心をつかむ絵本だと思います。 (ゆいよっしーさん 30代・ママ 男の子3歳)
さあ、今年は花火大会に行く前に読もうか。行った後に読もうか。どちらも読んで、その変化を見るのが一番楽しいかもしれませんね。
【参考】