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娘(15歳)の誕生日に作ったケーキは「オレオ」を使ってこんな風に【お米農家のヨメごはん#104】

こんにちは! 富山県の黒部市というところで、お米だけを作っている小さな小さな農家の濱田律子です。旦那とココ(娘・15歳)と3人で、地道に真面目にコツコツとお米を作りながら、仕事に子育てにドタバタもがきつつも楽しく暮らす。そんな私たちの、食卓周りの日常を皆さんにお伝えする連載の104回目。

今回は、忙しくても何故か手作りしてしまう誕生日ケーキと、田植えが始まり田植え機が壊れ田植え機を買った事について、お伝えしたいと思います。

娘の喜ぶ顔が見たくて、誕生日に手作りケーキ!

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どうにもこうにも忙しい。

そういう時は優先順位をしっかり見極めて、仕事も家事もこなしていかなくてはいけないわけで。 となると私は、食事の用意を疎かにしてしまう。

作る時間もないけれど、お買い物に行く時間はもっとない。片付ける時間も考えるとつい、お弁当に頼ってしまう。幸い、手作りのお弁当をお手頃価格で販売してくれるお店がご近所にある。

無理せず頑張らず、お弁当で済ませる日があってもいいだろう。

お昼はそれで何とかなるとして、朝ごはんは困る。東南アジアのように、屋台はない。都会のように、朝からオープンしているお店もない。

朝ごはんは、基本的に家で食べる一択。となると、こんなメニューになってしまう日もある。

トーストしたパンにバターとメープルシロップを塗って、バナナを丸ごと1本ドン!とはさむ。 なかなかアバンギャルドな見た目で、娘はご機嫌だった。

そうして夜ごはん。もうどうにもこうにも力尽きて、何もする気になれない。冷凍庫の奥に眠っていたポテトを揚げただけ。 他にはなにもない。

ビールを飲みながらテレビをつけて、ひたすらセーブモードで過ごす。こんなご飯で申し訳ない、という気持ちにはならない。 何故なら、娘も旦那さんもこういうご飯を喜ぶから。

それはそれで複雑な気持ちになるけれど、たまにはジャンクフードもいいだろう。

忙しい日々の夜のお楽しみにと買っておいたワインも、そのままの状態。

これは、田植えが終わった後のお楽しみにとっておこう。今から野上がりが楽しみだ。

そんな綱渡りのこの季節に、娘は15年前の早朝に生まれてきた。娘のお誕生日を祝う余裕はないのに、それでもこうして、ケーキだけは手作りをしてしまう。

無理はしていない。

確かに大変だけれどでも、私自身がケーキを作りたいのだ。もしくは、普段あまり時間も手も目も娘に対してかけられない罪悪感を、これで穴埋めしようとしているのかもしれない。

ほら、人は悪い事をすると優しくなれるというではないか。そんな感覚だ。 悪い事はしていないつもりだけれど。

毎年どんなケーキにしようかなと考えて、だいたいは自分が食べたいケーキになる。でも今年は、娘のリクエストに従った。

生クリームに、オレオクッキーを混ぜ込んだチョコレートケーキ。

母から譲り受けた回転台やパレットナイフは、年に1~2回の出番しかない。けれど、あるのとないのとでは大違いで助かっている。

オレオクッキーは、中のクリームを取り除いてから細かく砕いておく。 泡立てた生クリームと混ぜ合わせ、スライスしたスポンジに重ねていく。 オレオ独特の風味が、クセになる味わいのクリームだ。

相変わらず上手にナッペできないのはご愛敬。あとでデコレーションするから、あまり神経質にならなくても大丈夫。

周りのデコレーションの粗を隠すように、砕いたオレオをまぶす。絞り出したクリームにちょこんと小さなオレオをのせて、できあがり!

こういうピックを用意しておけば、お誕生日ケーキらしくなって便利。

娘も大喜び。 良かった、その顔を見たくて頑張って作ったんだよ。

15歳のお誕生日、おめでとう!

少し前の反抗期が嘘のように、今はまさに家庭円満。 娘は反発せずに親に頼ってくるし、私たち親の方も娘にいろいろお願いする。

お互いできる事とできない事をちゃんと伝えて、その上で、できる事をやりできない事は頼る。 親とか子とか、そんな肩書を越えた、人と人との関係を少しづつ構築できるようになってきた。

私たち家族は、益々面白くなってきたと思う。

少し前の私に伝えたい。反抗期が終わった後の、母と娘の関係は良好だよ、と。

この先娘がさらに成長した時は、もっと仲良くなりもっと楽しくなるのかと思うと、楽しみで仕方ない。いやもしかしたらまた、反抗期がやってくるかもしれない。 それはそれでまた、楽しめたらいいな。

田植え機が壊れてしまった…!

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さて田んぼでは、今年も田植えが始まった。と思ったら、すぐに田植え機が壊れてしまった……。

毎年だましだまし使って、壊れては修理してもらい修理しては壊れを繰り返して、とうとう修理できない状態になってしまった。

もう20年近く使っているのだから、仕方ないといえば仕方ない。と思って、これまで踏ん切りがつかなかった新車をお迎えする事にした。

それがこちら。プロ農家さんが見たらすぐにわかるかもしれないが、 私には違いがよくわからず……。

旦那さん曰く、20年前の田植え機とは全く別物のようで、GPS機能とやらで真っすぐに苗を植える装置までついているそう。今は快適に、スムーズにストレスなく田植えが進んでいる。

またこの先20年くらい使えるよう、大事に乗っていこう。

20年後。私たちもいい年になっている。それまで健康でいられるだろうか。

米作りを続けていたとしても、今と同じような規模ややり方は難しいだろう。

50歳を過ぎて、少しづつこの先の事を考えるようになっている。

私たちが始めた濱田ファームは、私たちで終わる予定だ。始めた時は、若さと勢いと情熱があった。続けてこれたのは、根気と体力があったから。

さて終わらせるのには、何が必要なんだろう。決断力や判断力だろうか。そんな事をぼんやり思いながら、この素晴らしい景色を眺めている。

田植えが終わるまであともう少し、頑張ろう。

濱田さん一家の『濱田ファーム』ホームページはこちらから。

濱田律子
濱田律子

愛知県生まれ、千葉(スイカの名産地・富里)育ち。大学卒業後カナダへ。バンクーバー、カムループス、バンフと移り住み、10年間現地の旅行会社で働く。カナダの永住権を取得したにも係わらず、見ず知らずの富山県黒部市で農家に転身。米作りをしながら、旦那とココ(娘)と3人で日々の暮らしを楽しんでいます。黒部の専業米農家『濱田ファーム』はこちら。

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