“相手の気持ちを想像できる子”が受け入れられる
いつの時代も、優しい子は人に好かれますよね。
同著では、周りから好かれる“優しさ”とは、誰かに対してなにかしてあげる、ということではなく、相手の立場に立って心の痛みを感じ取ることだと指摘しています。
<相手の立場、状況、そして感情を想像して、それに寄り添ってあげる。それができる子は、お友達として受け入れられるのは当然かもしれませんね。>
ではそのような“相手の気持ちを想像できる子”に育つには、親としてどういったことを心がけていけばいいのでしょうか。
相手の気持ちを想像できる、というのは言い聞かせて身につくものではありませんよね。子どもの日常生活にそのポイントがあるようです。
ポイント1:読書習慣をつける
文字はテレビのような動画より、イメージを膨らませるのに効果的です。
<文字を通して、頭の中で情景をイメージする能力は、読解力はもちろんのこと、人間関係において、相手の気持ちを推し量る能力にもつながります。>
「でもうちの子は本を読まないけど、どうしたら……」とお困りの方、本と慣れ親しむ環境作りをしてみてはいかがでしょうか。
主な方法としては、(1)読み聞かせ (2)子どもの目につくところに、興味を惹きそうな本を置く (3)テレビなどがついていない静かな時間、空間をつくる (4)興味を持った本は、できるだけ買ってあげる、この4つだそうです。
また、親が読書をしている姿を子どもに見せるのも効果的なようです。
読書は、子どもの視野も広げてくれると風路さん。
<「視野を広げる」とは、知らない世界に目を向けるということだけではなく、どんなことに対しても、それを柔軟に受け止めて対応していく能力を身につけることにもつながります。>
読書を通し、自分が経験したことのない世界や考え方を知ることで、日常で何かが起こっても柔軟に対応できるようになるのですね。
ポイント2:「どうして?」の代わりに「どうしたら?」
あなたは子どもに注意する際に、「どうしてあなたはいつもこうなの!? ちゃんと片付けもしないで!」「なぜいつもこうなのよ!? ちゃんと片付けろって言っているでしょう?」というような言い方をしてはいませんか? しかし、風路さんは、この方法では問題解決にならないと指摘します。
<子どもたちは、黙っているか、「ごめんなさい」は言うかもしれませんが、何の問題解決にもならないことが多いのです。
問題解決のためには、やってしまった(やらなかった)ことを問い質し、反省を促すだけでなく、これから先のことを考える会話が必要です。
「どうしたら、こんなに散らからないで済むかなあ?」
「どうしたら、ちゃんと片付けることができるかなあ?」>
終わったことではなく、これから先どのようにすればいいかを問う言い方であれば、子どもは頭を働かせるとのこと。こういった会話を普段からしていれば、人間関係でトラブルになった際にも同じように考えることができるというのです。
<「どうしたら、あの子と仲良くできるかな?」
「どうしたら、いたずらしないで済むかな?」
などなど。
このような質問によって、子どもは反省を促されるだけでなく、子ども自身がこれから先の解決法を自ら見つけようとします。
それは、お友達関係をスムーズにするために必要な「相手の気持ちを想像する力」を養ってくれます。>
大人も子どもに注意する際には、言い方に気をつけたいところです。「どうして?」の代わりに「どうしたら?」と問いかけるようにしましょう。
いかがでしたか?
相手の気持ちを想像できるというのは、子ども時代のみならず、一生を通して子ども自身を守ってくれるスキルになりそうです。小さいうちから心を育ててあげたいですね。
【参考】
2017/7/4 WooRis掲載