1:清潔感を大事にする
いじめられる子どもになんらかの特徴があるかというと、実はこれといってないそうです。しかし唯一、親として心がけたほうがいいことが子どもの“清潔感”だと風路さんは指摘しています。
<小学生のいじめのきっかけになりやすいのが、この清潔感のない状況です。小学生の清潔感は、子どもの責任ではなく、親の責任です。>
お風呂に毎日入れるということはもちろん、身につけるものにも注意しましょう。風路さんが特に気をつけたい点として挙げているのが、以下の2つです。
・運動着
・靴下
<成長が著しい小学生は、汗腺の働きが活発で、かいた汗も手伝って、臭いが発生してしまうこともあります。
すると、子どもといえども、隣の席に座るのがためらわれるようになってくるのです。>
汗をかいた運動着を持ち帰るのを忘れてしまい、何日も同じ運動着を着ていることもあるかもしれません。
学校で使う洗濯すべきものを持って帰ってきていないようだったら、親から子どもに尋ねるなど、きちんとしつけてあげてほしいと風路さんは言います。
また、靴下はすぐに穴が開いたり擦り切れたりしてしまうので、親がこまめにチェックしてあげるようにしましょう。
2:自己尊重感を高めてあげる
嫉妬心から、優等生タイプの子をいじめてしまうというケースがあるようです。わが子が“いじめる側”にならないためには、“自己尊重感”を高めてあげることが必要だと風路さん。
<嫉妬心は、人間であれば誰にでも湧き起こる感情です。喜怒哀楽に続く「第五の感情」とも言われています。それは、年齢も性別も関係ありません。
大切なのは、その嫉妬心とどう向き合い、どうコントロールしていくかです。>
<私は心理学の専門家ではないので、詳しくは専門家にお任せしますが、嫉妬心と向き合い、それをコントロールするには、自己尊重感が深くかかわってきます。
つまり、自分で自分を尊重できる、人は人、自分は自分、それぞれの価値を見いだすことができるかどうかが大きく影響していると言われています。>
その自己尊重感を高めるためには、わが子の“好きなこと”“得意なこと”を見つけて伸ばしてあげるのが大切。なにかに秀でている子どもは、オンリーワンの存在であり、お友達から受け入れられやすいのだそうです。
3:自分の気持ちや考えを表現できるようにさせる
風路さんによると、“いじめられやすい子”が“いじめをしやすい子”に転じるケースもあるそう。どちらにもならない、いじめに巻き込まれないためには、自分の気持ちや考えを表現できるかどうかがポイントだそうです。
<自分の気持ちや考え方を口にできないでいると、はっきり嫌だと思っている気持ちも表明できないし、屈折した感情が誤った方向に行ってしまい、相手を苦しめる立場にもなりかねないのです。>
自分の気持ちや考えを表現できるようにするためには、家で家族と話す機会を多くつくること。小さい頃はなんでも話していた子が、年齢があがるにしたがって会話量が減ってしまうこともあるといいます。風路さんはこの対策として、以下のステップをおすすめしています。
<まずは、あまりにも簡単なことですが、「挨拶をしっかりする」です。「明るいあいさつ運動」などに取り組んでいる学校も多く、しっかりはっきり挨拶する効用は、気持ちいい、清々しいという感情的なものだけでなく、コミュニケーション能力の向上にまで及びます。(中略)
挨拶の次のステップは、「感謝の気持ちを伝える」です。(中略)
家族の中でも、「ありがとう。手伝ってくれて、助かったわ」と、「ありがとう」に簡単な感謝の言葉を添えて気持ちを伝えてあげてください。>
挨拶でも感謝でも、子どもに強制するのではなく、まずは親からすすんでやっていきましょう。子どもは親の背中を見て育つもの。うるさく言わなくても、親がやっていることは、子どもも次第に身につけていきます。
子どものいじめリスクを低下させるために親がすべきことをお伝えしましたが、いかがでしたか?
子どもに十分目を配ることで、何気ない日常生活の中でいじめの要素を取り除くこともできるはず。ぜひ参考にしてみてくださいね。
【参考】
2017/6/29 WooRis掲載