今回は子どもがいる女性178人の女性(20~50代)にアンケートを実施。
子どもが植物や昆虫の世話を自ら進んでできるようになったきっかけやエピソードについて聞いてみました。
「大きくなった」「色づいた」…成長のプロセスを実感する
null今回のアンケートでは、子ども自身が植物や昆虫の成長を実感することで、意欲的に世話をするようになったという声が多く聞かれました。
「ミニトマトの成長記録を夏休みの自由研究に選んでしまったので、必要に迫られて世話をしていましたが、徐々に大きくなって赤く色づくのがおもしろかったようで、実がなってからは楽しそうに世話をしていました」(46歳・主婦)
「ゴーヤを育てて、ゴーヤのカーテンができるくらい目に見えて成長するし、実もできて食べられるので、朝夕、観察がてら水やりしていた」(45歳・主婦)
小学校低学年の頃は、鉢植えの植物を持ち帰る学校が多いですよね。手入れを通じて植物の変化に気づくと、日々の世話が楽しくなってくるという声が寄せられました。
昆虫の場合には、夜に置いておいたエサが朝に減っていたり、羽化・脱皮したりする成長の過程を見ると、張り切って世話をする子もいるようです。
「咲いた」「実った」…収穫の楽しみがモチベーションに
null植物の場合には、種子や果実の収穫の楽しみがお世話のモチベーションに繋がるケースも。
「学校から持ち帰ったアサガオの水やりがなかなか出来ず、朝も弱くてアサガオがきれいに咲いたところがなかなか見られなかったので、アサガオが咲いた時に写真を撮って見せたら、次から自分で育てたアサガオがきれいに咲いた様子が見たくて一生懸命育ててました」(37歳・その他)
「収穫して食べられる事を知っているので、やってくれる」(36歳・主婦)
「お世話を続けているといいことがある」という期待は、継続の原動力となりそう。
「○○ちゃんにお水あげよう?」…植物・昆虫を擬人化する
null続いて、植物や昆虫を擬人化してお世話の必要性を伝えるという方法です。
「『カブトムシがエサを欲しがってバタついている~』と危機感を持たせる」(44歳・主婦)
「植物に名前を着けて、親子で水やりをしてあげる」(35歳・主婦)
「食中植物を育てました。植物も生きてることを実感したみたいです」(37歳・コンピュータ関連技術職)
「名前をつけた」(48歳・主婦)
“心がある生き物“と見なしてお世話を続けているうちに、愛着がわいてくることもあるのかもしれません。
「○○したら水やりの時間!」習慣化の工夫をする
nullお世話を習慣化するための工夫もありました。
「玄関など、目の届くところに置く」(38歳・総務・人事・事務)
「朝の日課に組み込む。朝食を食べたら、今度は植物の食事の時間だ、という意識を持たせる」(47歳・主婦)
目につく場所に置いたり、同じ時間に声をかけたりすることが、習慣化につながることもあるようです。
「お世話ができたら…」ごほうびで動かす
nullきちんとお世話した後の“ごほうび”が効果を発揮することも。
「メダカのお世話がちゃんとできたら、犬を飼ってもよいと約束しました。最初は犬欲しさにがんばっていたようですが、毎日お世話するうちに楽しくなっていったみたいです」(56歳・主婦)
「ちゃんと花が咲いたらお菓子をかってあげると言ったらするようになりました」(52歳・主婦)
「朝顔の水やりをよく忘れたりしていた時は、決まった時間に声かけをし、出来たらシールを貼っていくなどをすると、水やりするようになりました」(39歳・主婦)
最初はごほうびのためにがんばっていたけれど、気づいたら習慣になっていた……という結果が親としては理想の形です。もちろん、理想通りにいかないケースもあると思いますが、ちょっとしたごほうび作戦がうまくいくこともあるかもしれませんね。
「○○しないと…」お世話をサボると何が起こるか伝える
null世話を怠ることでどのようなことが起こるのか伝えたり、ペナルティを課す家庭も。
「なかなか声かけないとやらない。『カブトムシはエサを交換しないとコバエが出るよ』と言って替えさせる」(49歳・営業・販売)
「色んな種類のクワガタやカブト虫がいるのですが、『お世話を忘れたらもうお店に行っても買わないからね』と言ったら、きちんとお世話するようになった」(47歳・その他)
特に昆虫の世話は「エサをあげておしまい」ではなく、意外と手間がかかります。エサの食べ残しを片付けたり、土やおがくずを取り替えたりして、昆虫にとって適した環境を保つ必要があります。子どもの希望だったのに、気づくと親の仕事になってしまったら、「もう買わないよ!」って言いたくなりますよね……。
「次からは必ず…」親・子の失敗をきっかけに
null大切な生き物との別れや失敗をきっかけに世話の大切さを実感するケースも見受けられました。
「カブトムシを育てていてエサをあげずに死んでしまってから、ちゃんとエサをあげるようになった」(38歳・営業・販売)
「昆虫の命の短さを学んできてから世話するようになった」(38歳・主婦)
「金魚にエサをやるのを度々忘れていた子どもですが、1度夏休みに仕事が忙しくて子どもの昼食を作りに帰れないことがあって、それから金魚にちゃんとエサをあげるようになりました。ごめんね」(49歳・総務・人事・事務)
大切な昆虫との別れが教訓となり、次に迎えた昆虫を長生きさせるための工夫につながることもあるんですね。
今回は、植物や昆虫の世話を自らするようになったきっかけをご紹介しました。
虫好きの子は自ら強く望んで買い始めたケースも多く、放っておいても自分で世話をするものの、そのやり方が身につくまでに時間がかかったり、途中で飽きてしまうケースが見られました。
一方、成長がゆるやかな植物の場合には、習慣的に世話をするまでには、親の声かけやレイアウトなど、ちょっとした工夫が必要となることもありそうです。
子どもが主体的に世話をできるようになる日が待ち遠しいですね!