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包丁で指を…痛っ!スグすべきことは?【旅する救命救急医・中島侑子の役立ちメモ 第2回】

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救命救急医&旅行医学会認定医&0歳児の子育て中の母、中島侑子です。日常生活に潜む病気の種、旅に出る前の準備や旅先での不調、産後の身体の変化・育児など、身近な体の悩みについてわかりやすくお届けする連載、第二回目は「包丁で指を切ってしまった時の対処法」についてです。料理中に痛っ!ってこと、ありますよね。

料理中に包丁で指を切ってしまったら…まずは流水で洗って!

包丁で指を切ってしまった時、まず一番はじめにやるべき大切なコトは何だと思いますか? それは……「流水でしっかり洗うこと」です!

「洗うと痛いじゃない?」という声が聞こえてきそうですが、使用直後の包丁についた雑菌や食物片が切り傷から皮膚内に入る可能性があります。洗わずに放置したり、そのまま絆創膏をはってしまったりすると、感染症や炎症の原因となることも……。

傷は消毒よりも水道水でよく洗い「乾かさずに治す」

また、「傷は消毒して乾かして治す」は長い間常識として信じられてきました。少なくとも私が幼い頃は転んだら消毒液を吹きかけられ、悶絶しながら痛みに耐えていた覚えがあります。その後は「ふーふー」と口で吹いたり手団扇したりして傷を乾かし、ガーゼや絆創膏で覆い、かさぶたになるのを待ちました。

一般家庭ではそのような治療法が主流だったのではないでしょうか? もしくは、今もこの方法で治療しているご家庭も多いかもしれないですね。

この、“常識”だと思われていたことが覆されたことは、医学・医療界でも大きな話題となりました。新常識!「傷は消毒しないで水道水でよく洗い、乾かさずに治す」。しかし、この新常識は未だあまり世間に浸透しておらず、多くの方々がこのことを知らずに、ご家庭では以前のような治療を行っているようです。

消毒液を使わない理由

消毒液は、殺菌作用があるのと同時に、良い細胞にもダメージを与えてしまいます。傷を治すのではなく逆に傷口を深くしてしまうことも。ですから、傷口には消毒液は使わず水道水でよく洗い流すのが大切なのです。

食物などが傷口に入った場合や、骨が見えてしまうような深い傷の場合等、病院を受診するべきケースは沢山あるので迷ったらすぐに病院へ行って下さい。

傷は乾かさない方がいい理由

次に、“乾かす”のがNGな理由は何でしょうか?

受傷したあと、傷口には様々な細胞が傷を治す為に集まってきて働き始めます。傷がジュクジュクし始めたときは“浸出液”というものが出ていて、これには傷を治す為に必要な成分が沢山含まれています。この液体を膿だと勘違いする人もいるかもしれませんが、膿が出ている場合は“腫れ、痛み、赤み、熱感”等の感染兆候が出てくるので区別ができます。

また、ガーゼを当てるとこの“浸出液”がガーゼに吸い取られて傷口が乾燥してしまいます。そしてガーゼは傷口にくっついてしまうので、ガーゼをはがす時にせっかくできた表皮細胞も一緒にはがれてしまいます。ですから、ガーゼは傷口に当てないようにしましょう。

 

以上の治療法は、けがや病気をした時に人間が本来持っている“自己治癒能力”をいかす方法で、“湿潤療法”と言います。

薬局でも買える『キズパワーパッド™』などの商品は、この湿潤療法を自分で自宅でできるよう作られた商品です。ただ、感染兆候がある場合は逆効果になるので、ご自分で治療される方は以下の点に注意してください。

・流水でしっかり洗い流す

・2〜3日に一度は必ず傷口を確認し、感染兆候(腫れ、痛み、赤み、熱感)がある場合は病院を受診する

料理中に包丁で指を切ってしまった時は、慌てずにこれらを実践してみてくださいね。

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