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牛乳以外にもいろいろな補給源が!若いうちから大切な「カルシウム習慣」について管理栄養士が解説します

カルシウムは骨の健康のために必要なだけでなく、体の中で様々な働きをしています。そのため成長期の子どもはもちろん、大人も継続的にカルシウムを摂る必要があるんです。月経や出産などのある女性は、特に骨粗しょう症に気を付ける必要があります。管理栄養士の宮崎 奈津季さんに、カルシウムについて、またその摂取のポイントについて教えてもらいました。

カルシウムってどんな栄養素?

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「カルシウム=骨」以外にもいろいろな働きが!

カルシウムは、体内で最も多く存在するミネラルの一つで、大人の体には約1kg含まれています。そのほとんどは骨や歯に、残りは血液中に存在しています。

カルシウムは、子どもの成長や発育には必要不可欠な栄養素で、成人における吸収率は25~30%といわれています。吸収されにくいミネラルですが、妊娠や出産、年齢、一緒にとる食品中の成分などによっても変わります。

丈夫な骨を作る

カルシウムは骨や歯の主成分で、丈夫な骨や歯を作るのに不可欠です。食べ物から摂取したカルシウムは、体の中で骨や歯の材料である成分になり、骨や歯を作ります。

骨にはカルシウムを貯蔵する役割があり、血液などでカルシウムが不足すると骨にあるカルシウムが溶け出します。また、神経情報の伝達や筋肉の動きの調整にも重要な役割を果たしています。

不足するとどうなる?

左が健康な骨。骨粗しょう症が進行すると骨密度が下がって、右のような状態に(イメージ)。

成長期にカルシウムが不足すると、骨や歯の形成に影響が出てしまいます。高齢期では、骨がもろくなってしまう「骨粗しょう症」が多く見られます。

また、慢性的にカルシウムが欠乏すると、骨から血液中へのカルシウムを溶け出すのが過剰になり、余分なカルシウムが血管などに沈着することがわかってきています。

大人になってからも必要なの?

日本人の食事摂取基準(2020年版)では、30代以上の女性の場合、カルシウムの推定平均必要量は550mg、推奨量は650mgとなっています。

厚生労働省e-ヘルスネット「骨粗鬆症の予防のための食生活」より、女性のカルシウムの推奨量(mg/日)

しかし、「令和元年国民健康・栄養調査報告」によると、30代女性におけるカルシウムの平均摂取量は406mg、40代女性では441mgと、推定平均必要量を下回っており、kufura世代は摂取量が不足している可能性があると考えられます。

慢性的なカルシウム不足は、高血圧や動脈硬化などの生活習慣病につながります。また、近年ではカルシウムをたくさん摂取している人は体重、体脂肪の増加が少ないという報告もあります。いずれにしても、大人も必要最低限の量はカルシウムを摂取した方が良いでしょう。

牛乳以外にも!カルシウムを摂取するには?

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カルシウムを多く含む食品

カルシウムは動物性食品に多く含まれています。特に骨ごと食べられる小魚や、殻ごと食べられる桜海老に多く含まれています。また、牛乳やヨーグルトなどの乳製品には多く含まれており、さらに吸収率も高いです。これは、カルシウムの吸収を助けるアミノ酸の化合物が乳製品に含まれているからだといわれています。植物性食品では、大根の葉などの青菜や大豆製品にも含まれています。

カルシウムとビタミンDを一緒に!

カルシウムは吸収されにくい栄養素ですが、ビタミンDと一緒にとると効率よく摂取することができます。ビタミンDは、カルシウムの吸収促進や、骨にカルシウムが沈着するのをサポートする働きがあります。

ビタミンDは、主に鮭などの魚介類や、きくらげや干ししいたけなどのきのこ類に豊富に含まれています。鮭のクリーム煮などは、とても相性の良い料理の例ですね。

適度な運動も必要なんです!

カルシウムは、骨に負荷をかけることで利用効率が上がります。そのため、適度な運動が必要です。丈夫な骨をつくるためにも、定期的な運動を心がけましょう。

サプリメントで摂取しても良い?

食事だけでどうしても補えないときは、サプリメントを活用するのも一つの方法です。ただし、過剰摂取には注意しましょう。カルシウムはとりすぎると、高カルシウム血症や高カルシウム尿症などの症状があらわれることが分かっています。

また、サプリメントのカルシウムとビタミンDを一緒に使用することで、血中のカルシウム濃度が上昇し、消化吸収障害や便秘、尿路結石を起こすこともあるので、使用する量や頻度に気を付けることが必要です。

 

【参考文献】

・上西一弘「栄養素の通になる第5版」女子栄養大学出版部(2022)
・飯田薫子・寺本あい「一生役立つ きちんとわかる栄養学」西東社(2019)
・厚生労働省 e-ヘルスネット「カルシウム」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-042.html(閲覧日:2024年7月1日)
・厚生労働省「令和元年国民健康・栄養調査報告」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/r1-houkoku_00002.html(閲覧日:2024年7月1日)
・厚生労働省「『日本人の食事摂取基準(2020年版)』策定検討会報告書」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html(閲覧日:2024年7月1日)

宮崎 奈津季 
宮崎 奈津季 

管理栄養士・薬膳コーディネーター。介護食品メーカーで営業を2年間従事した後、フリーランスの管理栄養士に。料理動画撮影やレシピ開発、商品開発、ダイエットアプリの監修、栄養価計算などの経験あり。 現在は、特定保健指導、記事執筆・監修をメインに活動中。

HP:https://www.mnatsuki.com/

X:https://twitter.com/NatsukiMiyazak1

※「崎」は正式には立つ崎(たつさき)です

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