4割がぎっくり腰を経験。年齢が上がるにつれて経験者増
nullまずは「ぎっくり腰」経験について尋ねてみると、全体の4割以上が「ぎっくり腰」経験者であることが判明。年代別に見ると、20代では11%だったのに対し、年齢が上がるごとにその数は右肩上がり。60代では半数以上が経験済みであることがわかりました。
あなたは「ぎっくり腰」になったことはありますか?
「ある」……237人(41.5%)
「ない」……323人(56.6%)
「わからない」……11人(1.9%)
【年代別ぎっくり腰経験者の数】
20代……36人中4人(11.1%)
30代……75人中21人(28%)
40代……132人中48人(36.4%)
50代……159人中74人(46.5%)
60代以上……171人中90人(52.6%)
きっかけは「重い荷物」。「寝起き」「くしゃみ」も要注意
nullでは、実際どのようなタイミングで「ぎっくり腰」になるのでしょう。「いつ、どのようなタイミングでぎっくり腰になったのか」を質問してみると、どの年代も最も多かったシチュエーションは、「荷物を持ち上げたとき」「子どもを抱きかかえた時」など「重い物を持った時」でした。
さらに40代から急に増えてくるのが「朝起きた時」や「くしゃみをした時」。その他、さまざまなシーンでぎっくり腰を経験している意見が集まりました。
「バランスボールでエクササイズしているとき」(39歳男性/コンピュータ関連技術職)
「風邪ひいて、うつぶせで咳をした瞬間」(40歳女性/その他)
「雨の日運動していたら急に」(46歳女性/総務・人事・事務)
「顔を洗おうとして、前屈みになった時」(53歳男性/コンピュータ関連以外の技術職)
「床に紙を落として椅子から取ろうとした」(64歳女性/主婦)
「会社で朝の朝礼でラジオ体操をしていた時」(66歳男性/その他)
竹谷内医院の竹谷内康修院長によると、ぎっくり腰とは急に発症した腰痛(急性腰痛症)の俗称でいろんなケースがあるそうです。
「そもそも、ぎっくり腰は正式な病名ではありません。腰の状態がもともと悪いことが要因になって急に発症します。ふだん自覚症状があるわけではなく、アンケートにあるように重い荷物やくしゃみなど、トリガーがあって起きてしまうのです」(以下「」内、竹谷内康修院長)
ぎっくり腰になった時の日常生活は「安静にする」が最多
nullちなみに「ぎっくり腰になった時の日常生活」について尋ねてみると、最も多かったのは「安静にしている」という意見。仕事も休み、家事も休み……「動きたくても動けない」というのが正直な感想のようです。一方何か特別な対策をした人の意見として多かったのは、「痛み止めを打ってもらう」や「コルセットを利用する」でした。その他、こんな意見もありました。
「夜寝る時、柔らかいベッドだと腰が痛むので、しばらくは硬い床に寝て過ごした」(31歳女性/その他)
「トイレはホフク前進、お風呂は時間をかけて慎重に入りました。それ以外は布団に寝たきりでした」(36歳女性/主婦)
「整骨院に行って改善した」(38歳男性/研究・開発)
「会社を1日休んで病院でブロック注射を打ってもらった」(44歳男性/コンピュータ関連以外の技術職)
「安静にしている」が一番多い答えでしたが、竹谷内院長によると「動くとあまりに痛いなら、2日間までは安静にして、様子を見てください。痛くても、動けるようなら動いてもいいです。鎮痛剤を飲むのもいいでしょう。それでも治らない、違和感がある場合には整形外科に行くことを視野に入れてください」とのこと。
約6割が再発経験あり。予防策1位は日々のストレッチ
null一度ぎっくり腰をやると再発しやすいと言われていますが、実際どれくらいの人が再発しているのでしょう。
ぎっくり腰を再発したことはありますか?
「ある」……137人(57.8%)
「ない」……85人(35.5%)
「わからない」……15人(6.3%)
再発経験者の割合は約6割。やはり一度経験すると繰り返しやすいことがわかります。ちなみに「ぎっくり腰」の再発予防に心がけていることをランキングでまとめてみると……
ぎっくり腰の再発予防に行っていることランキング
1位 ストレッチ……100人(42.2%)
2位 ウォーキング……65人(27.4%)
3位 筋トレ……64人(27.0%)
4位 何もしていない……61人(25.7%)
5位 コルセットをしている……42人(17.7%)
6位 お風呂に入る……39人(16.5%)
7位 長時間椅子に座らない……22人(9.3%)
7位 体を冷やさないようにする……22人(9.3%)
※複数回答可で答えてもらいました。
圧倒的に多かったのが「ストレッチ」で42.2%、次いで「ウォーキング」「筋トレ」と続きそれぞれ約27%でした。「何もしていない」という人は4人に1人程度。意外とみんな何かしら対策を行っているようです。
いったいなぜ再発してしまうのでしょうか?
「腰の状態が良くはなっていない、ということです。痛みが一時的に治まっても、改善はしていないことから再発につながります。姿勢、生活習慣、ストレス、運動不足などの原因があります。人によって状態が違うので一概には言えませんが、腰を曲げる、そらす、よじるなどの適切なストレッチをするのは間違ってはいません」
ぎっくり腰の原因は、知らず知らずのうちに溜め込んだ筋肉疲労と言われています。また、筋肉や骨、椎間板のトラブルなどもきっかけになるようです。なかなか自分では気が付かないし、画像検査でも映されないことが多いのが怖いところ。そのため、普段腰痛持ちでない人が突然やられたりするそうです。「私は運動もしているし腰は強い方だから大丈夫!」と思っている人が、意外と発症すると重症化するので要注意(何を隠そう筆者もその一人でした!)。
また忙しい子育て世代の働くママたちは、睡眠不足だったり、人間関係の悩みがあったり、やるべきことが多すぎたりとストレスフルに過ごしている人が少なくありません。
「忙しい人、ストレスがある人、姿勢が悪い人は、ぎっくり腰に気をつけたほうがいいですね。例えば休憩時間にスマホを見ない、脳を休める時間も意識する、など自律神経を休めることも大事です。自律神経の不調から腰が硬くなってしまい、ぎっくり腰になる人もいます」
今回のアンケートを見ると、加齢により発症率は上がりますがもちろん若年層でも発症する可能性はあるので、日ごろから「無理な姿勢をしない」「重い荷物を急に持ち上げない」など、筋肉への負担を軽減する工夫をしていく必要がありそうですね。元気に活動するためにも、ストレッチと意識的に体を休めることから始めていきたいものです。
【取材協力】
整形外科医 竹谷内康修院長
東京都出身。駒場東邦高校卒。東京慈恵会医科大学卒業後、福島県立医科大学整形外科へ入局し、大学病院等で3年間の整形外科の臨床業務に携わる。
米国のナショナル健康科学大学に3年間留学し手を使ったリハビリ技術を学び、首席で卒業。
2007年3月に竹谷内医院開設。首の痛み、腰痛、腰部脊柱管狭窄症、膝関節痛、股関節痛などのリハビリ治療にとり組む。
著書16冊。テレビ、新聞、雑誌などマスコミ掲載多数。
エディター・ライター歴20年以上。女性誌やアウトドア雑誌、情報誌、スポーツ誌(自転車雑誌、水泳雑誌)などで執筆。2017年から主人の仕事に帯同しアメリカに移住。小学生の男児、中学生の女児とともに、異国の地での生活に奮闘しながら、執筆活動も継続中。現在はニュースや海外生活情報などを担当。アウトドアと旅行が大好き。趣味はパン作り。