知っておきたい!正月太りが起こる原因は?
nullそもそも、なぜ正月太りは起こるのでしょうか。林先生に、正月に特に太りやすい原因を教えていただきました。
●消費量と運動量のバランスがとりにくいため
「年末年始は、忘年会、大晦日、年明けなどに、特別な料理を食べる機会が続く上に、運動する機会も少ないことから、摂取したものの消費量と運動量のバランスがとれないために太りやすい時期といえます」(以下「」内、林先生)
●言い訳が常習化しやすいため
「正月太りは“ついつい”から始まり、“新年だから”“年に1度のことだから”などの言い訳が常習化してしまうことなども原因です」
●「冬」だから
「冬という季節も原因の一つです。冬は寒いからという理由で外出する機会が減り、運動量も落ちます。また血行が悪くなる、エネルギー消費量が減る、年末年始に食べすぎてしまう、おいしい食べ物が多い、夏の食欲低下のリバウンド、厚着のせいで太っても気が付きにくい、なども理由として挙げられます。
医学的にいえば、冬に太る要因にはさまざまなものがありますが、日照時間減少・照度低下により、体内で重要な役割を果たしている三大伝達物質のひとつである“セロトニン”の分泌量が低下してしまうことから、セロトニンの持つ精神安定作用や食欲コントロール作用も弱まり、食欲増進しやすくなる面もあります。
また気温が低下する冬は、基礎代謝はアップしますが、それだけエネルギーを多く失うため、身体がエネルギーを補給しようとしてお腹が空くことがあります。
しかし、冬は基礎代謝がアップするという点に目を向けると、外に出て運動をしたり、家の中でストレッチをしたり、湯船にゆっくり浸かってマッサージをするなどのダイエットが実践しやすい季節ということもいえます」
やりがち!ますます太りやすくなる年末年始の過ごし方
null林先生は、これらの正月太りの原因と共に、さらに年末年始に次のような過ごし方をすると、より正月太りしやすくなるといいます。
(1)早食いをする
「早食いは、満腹の信号が脳に伝わるまでの15~20分より早く食べるため、満腹を感じにくく、食べすぎてしまいます。また一気に食べると血糖値が急上昇しやすいため、それを下げるインスリンが過剰に分泌されやすくなります。インスリンは血糖値を下げるのに糖を脂肪に変えるため、大量に分泌されれば脂肪が蓄積されやすくなります」
(2)睡眠不足、夜ふかしをする
「睡眠時間が短いと肥満に関係するホルモンが分泌されるため、太りやすくなります。一日6~7時間の睡眠が必要です」
(3)アルコール量がいつもより増える
「アルコールは食欲を増進させ、夜に飲むと、中途覚醒が起きやすくなり、睡眠不足になりやすくなります」
(4)シャワー浴のみで入浴を済ませる
「湯船に浸からず、シャワーのみで済ませると、血行が促進されにくいため太りやすいといえます」
(5)朝夕より夜の食事量が多くなる日が続く
「夜遅い食事は、摂取したものがエネルギーとして消費されにくいため、太りやすいです」
いかがでしたか? 正月太りの原因は意外と多くのものが重なりあっていることが分かりました。原因がわかったら、予防策を実践したいところです。次回の第2回では、林先生に、正月太りの予防策を伺います。
【取材協力】
渋谷DSクリニック 林博之院長
東京慈恵会医科大学卒業後、東京厚生年金病院形成外科医長を経て、平成17年ダイエット専門院「渋谷DSクリニック」を開院。渋谷院の院長に就任。医学的根拠に基づいた正しいダイエットを提唱する。
https://dsclinic.jp/
取材・文/石原亜香利