基本の材料は「重曹+クエン酸+無水エタノール」…バスボムの作り方
null【材料】
・重曹・・・1カップ
・クエン酸・・・1/2カップ
・天然塩・・・1/2カップ
・エッセンシャルオイル・・・5滴
・無水エタノール・・・少々
各材料の性質などについて、岩尾さんに解説していただきました。
「バスボムの土台となるのは、重曹、クエン酸、無水エタノールの3つ。まず、重曹は水に溶かすと弱アルカリ性となり、肌の表面の不要な角質を取り除き、湯上りの肌がスベスベに。弱アルカリ性の重曹に酸性のクエン酸を合わせると、中和反応で発泡が起きます。無水エタノールは材料を固めるために必要です。
天然塩とエッセンシャルオイルは、バスボムをお好みにアレンジするための材料。天然塩には保温・保湿効果、エッセンシャルオイルは香りによる癒し効果が期待できます」(以下、「」内は岩尾さん)
【作り方】
(1)重曹、クエン酸、天然塩、エッセンシャルオイルをボウルに入れて混ぜ合わせる。
(2)無水エタノールを少しずつスプレーしてわずかに湿らせる。
(3)四~五等分して型に入れる。1日おいて乾燥させれば重曹バスボムの出来上がり!
手順はたった3つ。ものすごくざっくり言えば、材料を混ぜて固めるだけです。ただ唯一、迷うとすれば(2)のステップかもしれません。その点も含めて、岩尾さんからのワンポイントアドバイスは以下の通り。
「無水エタノールをスプレーしすぎると、重曹とクエン酸の中和反応が起こってしまうことがあります。少しずつスプレーして、ぎゅっと手で握れば軽く固まる程度に湿れば十分です。少々粉っぽさが残っていてホロホロ崩れても問題ありません。
型はプリンなどの空き容器でもいいですし、なければラップに包んで茶巾絞りにし、輪ゴムで留めておくだけでもちゃんと形になります」
材料さえ揃えば誰でも簡単に作れる重曹バスボム。まずは気軽に試してみてはいかがでしょうか。
重曹バスボムの注意点・楽しみ方
null重曹バスボムに関するよくある疑問について、岩尾さんに一問一答形式で答えていただきました。
重曹の種類は掃除用or食用?
「重曹は、純度の高い順に“薬用、食用、工業用”の3つに分類されます。バスボムとして使う場合、肌に直接触れることになるので、食用以上のグレードを選びましょう」
重曹とクエン酸の割合は?
“重曹・・・1カップ、クエン酸・・・1/2カップ”とのことですが、この割合を変えるのは問題があるのでしょうか?
「クエン酸を多くすると酸性に傾き、重曹の弱アルカリ性のメリットが損なわれるおそれがあります。重曹:クエン酸=2:1くらいがちょうどよいバランスです」
エタノールは消毒用でもOK?
「重曹バスボムの材料としては、消毒用エタノールではなく無水エタノールを使いましょう。消毒用エタノールには水分が2割強入っており、重曹・クエン酸に合わせたときに、すぐに中和反応が起こってしまい、うまくまとまらないおそれがあるからです。初めてでもどなたでも失敗なく作るには無水エタノールがよいでしょう」
食卓塩を使うのはNG?
「精製された食卓塩よりも天然塩のほうが肌に優しく、ミネラルが豊富という点でバスボムに向いています。なかでもおすすめはローズソルト。ピンク色のかわいらしいバスボムができますよ。
なお、天然塩がない場合は、コーンスターチを使うのもいいでしょう。コーンスターチにも保湿効果があります」
重曹バスボムのアレンジにおすすめの材料は?
ローズソルト以外にも、重曹バスボムをアレンジする材料としてどのようなものがあるのでしょうか?
「緑茶を小さじ1杯加えると、緑色のバスボムになります。見た目だけでなく、香りもよくなりますし、さらに緑茶に含まれるビタミンCが水道水の塩素を中和して肌あたりが柔らかくなるなど、メリットづくめです」
基本の重曹バスボム、ローズソルト入り、緑茶入りの3つをセットにすれば、三色団子風で親しい人へのプレゼントにもよさそうです。
重曹バスボムの子ども向けアレンジは?
「お子さんのいる家庭で大人気なのは、おもちゃ入りのバスボム。バスボムを固めるときに中にキャラクター人形など隠しておきます。シュワシュワだけでも楽しいですが、さらに中にお楽しみがあるとなれば、子どもは大喜び。お風呂嫌いなお子さんにも効果テキメンですよ」
子どもが愚図ってなかなかお風呂に入りたがらない……。そんな悩みを抱えているお母さんは、ぜひ親子でバスボムを手作りしてみては?
重曹バスボムは長期保管可能?
「市販のバスボムと違って、手作りの重曹バスボムは長期保管には向きません。1カ月を目安に使い切りましょう」
重曹バスボムはデリケート肌の人が使ってもOK?
「市販のバスボムと異なり、人工の着色料や香料が使われていない重曹バスボムは、肌に優しいといえます。ただ、ナチュラル素材でも、体質によって合う合わないはあるので、100%安全とはいいきれません。
使用前には必ずパッチテスト(重曹を水で溶いて二の腕の内側に塗り1日おく)を行い、赤みやかゆみなどが出ないか確認しましょう」
簡単に作れて、しかも自分好みにアレンジできるのが重曹バスボムの醍醐味。親子のバスタイムをより楽しくするためにもぜひ今回ご紹介した作り方をご参考にしてみてくださいね。
【監修】
岩尾明子・・・未来型ナチュラル生活研究家。博士(栄養学)。1998年に始まったインターネットサイト「地球に優しいお掃除」を運営する環境NGOクリーン・プラネット・プロジェクト代表。衣食住における楽で自然な最新の情報をテレビ、雑誌、ネットなど多方面で発信している。
【参考】
岩尾明子(2021)『重曹&お酢 ガンコな汚れもつるんと落ちる!ナチュラルクリーニング』(日東書院本社)