そもそもなぜ人は怒る?
「人は誰でも、“~すべき”という基準を持っています。“上司はこうあるべき”“共有スペースは美しくあるべき”といった具合に。そういった“べき”を目の前で裏切られたとき、人は怒るのです。
よくも悪くもこの“べき”は、本人にとっては正解なのです。“本人にとって”というところがポイントで、人によって持っている“べき”は様々です」
自分の怒りを分析してみる
続いて、安藤さんに怒りの分析方法についてうかがった。
「3重丸を思い描いてみてください。1番小さい円があなたの“許せる”ゾーン、2番目の円が“まあ許容範囲”のゾーン、3番目の大きな円が“許せない”ゾーンです。
例えば誰かと10時に待ち合わせをしていると仮定しましょう。あなたは少なくとも5分前には着くべきだと考えている。これが、1番小さな円であなたの“許せる”のゾーン。
相手が時間ぴったりについた場合、あなたは、“まあ許容範囲”だと考えます。これが2番目の円。
そして、相手の遅刻は絶対に許せない、これが3番目の円です。
つまり、相手が2番目の“まあ許容範囲”のゾーンをはみ出したときに、人は怒るのです」
イラっとしたら3重丸を思い描き、自分がどんなことがきっかけで怒り、どこまでを許せるのか、冷静に分析してみよう。
怒りをコントロールするために
「先ほど、人の怒りの仕組みを3重丸で例えましたが、1番目と2番目の円、つまりあなたの“許せる”と“許容範囲”のゾーンをできる限り大きく保ち、許せる範囲を広げてください。
実は、これらの円の広さは日々変化しています。同じことに対して、ある日は許せたのにこの日は許せない、といったことがよく起こります。
ズバリその原因は“機嫌”です」
機嫌を悪くする要素として、疲れやストレスがあるので、最大限取り除くことが重要だそうだ。
つまり、怒りをコントロールするには、自分の怒りを分析した上で、最大限に許せる範囲を広げ、“その範囲を保つ努力」”が必要ということになる。
オフィスシーンだけでなく、様々な人間関係にあてはめてすぐ使えるものなので、「あぁ、また怒ってしまった」と後悔する前に、一度実践してみて欲しい。
以上、今回は怒りを上手にコントロールする方法についてお届けしたが、いかがだろうか?
怒りは連鎖するという。あなたの発した怒りが、どこかで別の怒りになって発散されているかもしれない。だからこそ、怒りの仕組みを知り、うまくつきあっていく必要があるだろう。