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書類を数える単位は?知っておきたい「アレの数え方」ビジネスシーンの頻出3選

書類を何枚かまとめてホチキスで留めたものは、どんな数え方をしたらいいのでしょうか。一式? 1セット? それとも……1個?どんなにキャリアを重ねても、言葉の使い方を間違うこともありますよね。とくに間違いやすいのが、ものの数え方を表す“助数詞”。日本語を学ぶ多くの外国人をとくに苦しませると言われていますが、ものの数え方は、日本人にとっても難しいのです。今回は、『大辞泉』(小学館)や『日本語大辞典』(講談社)を参照しつつ、ベテラン社員でも間違いやすいビジネスシーン頻出の助数詞についてお届けしていきましょう。

1:“個”は間違い! エレベーターの数え方は“基”“台”が正解

朝の通勤時、エレベーターホールでやきもきしながら「まったく、なんでこのビルにはエレベーターが1個しかないのかしら」なんて、言っていませんか? エレベーターにつける助数詞は、“基”や“台”が基本。

普段あまり聞かれない“基”ですが、その場に据え置かれ、人間の力では動かせないようなもの、例えば神社の鳥居や墓石にも“基”を用います。

2:書類を数える単位は、いくつか覚えておくと便利

日本語の難しい点は、ものの数え方が話し手の感覚に委ねられることもある点。薄いものなら“枚”、長細ければ“本”というように。

ビジネス書類の場合も、厚みや形状によって数え方が異なってきます。

・1枚の用紙なら、“枚”や“通”

・複数の紙をホチキスなどで閉じてあるのなら“つづり”“通”“部”

・書籍のような厚みがあれば“冊”や“部”

・研究開発部などで作成した論文なら“編”

という風に使い分けることになるでしょう。とはいえ、前述したように話し手の感覚にもよりますので、多くの職場ではそれほど厳密に使い分ける必要はないかと思います。

3:オフィスの必需品! ハサミの単位は“本”でなく“丁(ちょう)”

封書を開けたり、書類を切り貼りしたりする際にオフィスでよく利用されるハサミ。社員同士で貸し借りする際にも「ハサミ2本あるから、1本貸すね」と言ったりしていませんか? 実際、“本”でもほとんど違和感のない方が大多数でしょう。

かし、本来ははさみを数える際の助数詞として、“丁(挺)”(ちょう)を用いるのが正しいそう。

 

以上、ベテラン社員でも間違いやすいビジネスシーン頻出の助数詞についてお届けしましたが、いかがでしょうか?

例えば、1,000年前の日本で、“かなし”が“かわいい”という意味で使われていたように、時間をかけていくつもの言葉が日常から消滅したり意味を変えていきます。

ですから、「古きよき日本語の助数詞を使えないなんてけしからん!」と目くじらを立てるのもまた、ナンセンスなのかもしれません。

とはいえ、言葉づかいに厳しい人がいるのは事実。“美しい日本語”は、仕事現場において要らぬ攻撃から身をまもるヨロイにもなり得ます。ちょっとした言葉尻で自分の評価を下げぬよう、“正しい日本語”を身に着けておきたいものです。

 

【参考】

※ 松村明(監修)/小学館国語辞典編集部(2012)『大辞泉 第二版』(小学館)

※ 梅棹 忠夫・金田一 春彦・阪倉 篤義・日野原 重明(監修)/(1995)『講談社カラー版日本語大辞典(第二版)』(講談社)

2016/5/12 BizLady掲載

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