クジラやマンモスも!恐竜を身近に感じる「よくばり展示」
nullクジラにホッキョクグマ……会場に入ると、まず目にとびこんでくるのが今の地球上に生きている「巨大」な生き物の骨や剥製です。絶滅したマンモスや鳥類の標本、巨大なアンモナイトの化石なども展示。
そう、この恐竜展の前半部分において大きな魅力になっているのが「今・昔を飛び越えて、さまざまなものが一緒に展示されている」こと! あえて時代ですっぱり分けずに並んでいることで、恐竜が今と地続きの地球でたしかに生きていたんだなと実感します。
そして「巨大」というだけあって、間近で見るととてつもなく大きい! 写真や映像で見るよりもずっと迫力がありますよ。
ちなみに、「巨大化」というのは生き物の進化のかたちのひとつなのだとか。大きいほうが体温を保ちやすかったり、生存競争に有利だったりするんですね。……にしても、こんなに大きな体を維持するだけの栄養をとるのは大変なのでは? そんなギモンについても展示を通してしっかり学べます。
陸・海・空、いろいろな時代の生き物の大きさを目に焼き付けたところで、いよいよ恐竜が登場します。
ワニのような頭に、大きな背びれが印象的! 水辺でくらした恐竜「スピノサウルス」が水中で泳ぐ姿で再現されています。
もちろんティラノサウルスやトリケラトプスなど、人気の恐竜も登場します。
恐竜というと、モンスターや怪獣のような、空想上の生き物のようなイメージで描かれることも多くあります。ですが実際はクジラやホッキョクグマなどと同じように、環境に適応しながら少しずつ進化していった結果、「巨大化」をはじめとしたそれぞれの特徴を獲得していったんですね。
恐竜は約6600万年前にほとんどが地球から姿を消してしまいましたが、一部が鳥へと進化していって今の地球でくらしている……そんな生命の連鎖に思いを馳せるきっかけにもなりそうです。
成長の過程を体験!世界最大級の竜脚類「パタゴティタン・マヨルム」
nullそしてこの巨大恐竜展の目玉は、なんと言っても「パタゴティタン・マヨルム」。ブラキオサウルスのような首が長い恐竜で、今回、大英自然史博物館からイギリス国外に初めて持ち出された骨格標本は全長37mにもなるそうです。
パタゴティタン・マヨルムの展示ゾーンは、パタゴティタンの属する「竜脚類」のなかまの、卵の化石からはじまります。
パタゴティタンは、直径20cmほどの球形の卵を20個から40個産んだと考えられているそうです。
卵から孵った赤ちゃんは、どのように成長して大人になるのでしょうか? 今回は、大英自然史博物館の特別展でも導入されたインタラクティブ(体験型)な展示で、その一生を楽しみながら学べます。
画面をタッチして、卵から生まれた20匹のパタゴティタンを安全な場所へと誘導するのですが、翼竜の獲物となったり、山火事から逃げ遅れたりして、その数はだんだん減っていきます。
よちよち歩く赤ちゃんパタゴティタンに、つい気持ちが入ってしまい、「早く逃げて!」と声が出てしまいそう! でも、これが厳しい自然界の掟。生存競争を勝ち抜く厳しさは、昔も今も変わりません。
その他、自分の体重が「何歳のパタゴティタン・マヨルムに相当するか」を知ることができるインタラクティブ展示も。
生後7週では大人1人分くらいの体重だったパタゴティタンが、半年後にはすでに4倍の体重に! 生き残る可能性を高めるために早く成長して大人になる……進化とは生命が編み出した知恵なんですね。
そしてついに、大人パタゴティタンの全身復元骨格標本が目の前に! 全長約37mという数字だけではピンとこなかった人も、思わず「大きい!」という言葉が口から漏れるはず。
全身復元骨格標本と観覧スペースの間にはパーテーションが置かれていないので、至近距離で大きさが体感できます。長い首の構造をじっくり観察するのも良し、四肢の下にもぐりこんで見上げるも良し。
写真撮影もOKなので、頭からしっぽの先まで写真におさめるために、スマホをどこで構えようかじっくり悩んでしまいそう。
福井県立恐竜博物館をはじめとした、日本を代表する恐竜博物館の所蔵品の展示も見のがせません。ブラキロフォサウルスの皮膚のあとまでが化石になった貴重な「ミイラ化石」の複製なども観覧できます。
カフェ&グッズも恐竜づくし!
null会場内にはグッズコーナーや特設カフェも!
カフェメニューは、パタゴティタンの長い首と尾をソーセージで表現した「パタゴティタンドッグ」(900円・税込)や、足跡の形をした「ナン DE 恐竜 PIZZA」(片足1,000円・税込)など、個性あふれるものばかり。
グッズコーナーには、展覧会オリジナルグッズも並びます。
パタゴティタンをはじめ、展示恐竜にちなんだユニークなメニューとグッズで、展覧会の余韻に浸るのはいかが?
小学館の図鑑NEOブースでAR体験&恐竜と記念撮影!
nullグッズコーナーのすぐそばにある『小学館の図鑑NEO』の特設ブース「恐竜デジタルミュージアム」では、スマホでAR(拡張現実)体験ができます。
パネルに並ぶ2次元コードのうち、特定のものにカメラをかざすと、スマホのディスプレイに巨大恐竜ARが登場。画面右下の立方体のようなマークをタップすると、まるですぐそこにいるかのようにカメラに動く恐竜が現れ、想い出のツーショットが撮れちゃいます!
さらに、小学館のコンテンツストア「CLOUDEAR(クラウディア)」に登録すれば、恐竜ARを持ち帰ることもできます(「巨大恐竜展 2024」の会期中のみの期間限定無料サービス)。
展覧会の記録をかねて、お気に入りの場所に恐竜たちを登場させて、一緒に記念写真を撮ってみては?
「巨大恐竜展 2024」レポート、いかがでしたか? 観て、触って、体を動かして体験できるインタラクティブ展示に、これまでの恐竜展とは違った魅力を感じました。恐竜は子どもたちに大人気ですが、大人もハマれる要素がいっぱい! ぜひ親子で楽しんでください。
文・構成/丹羽毅
撮影/五十嵐美弥(小学館)、巨大恐竜展
【開催情報】
「巨大恐竜展 2024」
期間:開催中~9月13日(金)
場所:パシフィコ横浜 展示ホールA(横浜市西区)
お問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル 9:00~20:00、年中無休)
※混雑時には会場にて整理券を配布し、入場を制限する場合があります。
※特に祝休日やお盆期間は事前予約をおすすめします。
詳細やチケットの購入については公式サイトをご覧ください。