空き巣被害の発生ペースは“20分に1件”
警視庁の統計によると、2016年に住宅で発生した侵入窃盗の認知件数は、約4万4千件。そのおよそ6割を占める約2万7千件が、留守の間に侵入する“空き巣”被害とのことです。
1年に2万7千件……といわれてもイメージがつかみにくいかもしれませんが、これは1日に換算すると約73件、1時間あたり約3件。つまり、20分に1件のペースで空き巣被害が発生していることになります。
しかも、これは被害届などが出されて警察が把握したものに限ってのデータ。法務省が2012年に実施したアンケート調査によれば、不法侵入の被害にあったことのある人の3人に1人は警察に届け出ないとのことです。
こうして見ると意外に多発している空き巣被害。しかも、空き巣の場合は、在宅中に侵入される“居あき”などとくらべて、1件あたりの被害額が高額になる傾向が見られ、10万円以上の被害が4割近くにのぼるといいます。
旅行中に空き巣に狙われないための対策8つ
……なんだか旅行で長期間留守にするのが怖くなってきましたよね。心おきなく旅行を楽しむには、事前の防犯が欠かせません。
空き巣対策としては、防犯カメラや窓の補助錠の設置などもありますが、とりわけ旅行中は“留守を悟られない”ことも大切です。その観点からの対策8つをご紹介しましょう。
(1)自宅への電話を携帯電話に自動転送する
空き巣犯が標的の電話番号を知っている場合、電話をかけることで留守かどうかを判断することもあるとのことです。
泥棒から留守だと悟られないために、旅行中は自宅の電話を携帯電話に自動転送するようにしておきましょう。
(2)留守電のメッセージを工夫する
留守電でわざわざ「~日まで留守にしています」などとアナウンスするのは絶対にやめましょう。それこそ空き巣犯の格好の餌食になりかねません。
もし、携帯電話への自動転送ができない場合は、普段から留守電のアナウンスを「迷惑電話対策のため、最初にお名前とご用件をうかがっています」のような内容にしておくのがおすすめです。
これなら留守電になっても、本当に留守なのかどうか空き巣犯から判別されにくいでしょう。
(3)郵便などの配達を一時停止する
郵便受けに配達物がたまった状態だと、長期間留守にしていることがバレバレです。旅行中は新聞や郵便の配達を一時停止しましょう。
(4)雨戸やカーテンを閉め切らない
一日中、雨戸やカーテンを閉め切った状態では、留守ではないかと勘ぐられるもとです。窓の防犯対策をしたうえで、レースのカーテンのみを閉めるなど、普段通りの生活に見えるようにしましょう。
より厳重に対策するなら、タイマー設定やスマートフォンで外出先からでもカーテンの開閉ができるグッズを活用するのもありです。
(5)タイマー機能で夜間に室内を点灯させる
夜間に室内に明かりがともると、留守でも在宅のように見せることができます。タイマーで点灯・消灯ができる照明器具で、夜間に電源が入るように設定しておきましょう。
(6)年末年始の飾りつけ・片付けは適切な時期に行う
クリスマスの飾りが年の瀬まで飾られていたり、極端に早い時期に正月飾りを出していたりする家は、長期不在中と思われてしまう可能性があります。
こうした年末年始の飾りつけ・片付けは適切な時期に行うようにしましょう。旅行のスケジュールで飾りつけを放置せざるをえない場合は、そもそも飾りつけを出さないほうがいいかもしれません。
(7)大きな荷物は予め目的地に送っておく
空き巣犯のなかには、住人の動きを見張って留守を見抜くこともあるようです。家族みんなが大きなキャリーバッグなどを抱えて出かけるところを目撃されたら、「今からしばらくこの家はガラ空きになります」とヒントを与えてしまったも同然。
できれば大きな荷物は宅配便などで予め目的地に送っておきましょう。
(8)旅行中にSNSの投稿をしない
「初めての北海道。すごい雪~~~ #家族旅行」
旅先での感動をすぐに誰かに伝えたくて、SNSでリアルタイムでこんな投稿をするのも危険! 過去の投稿などさまざまな手がかりの中から住所を特定され、空き巣の標的となるおそれがあります。
旅行の報告は帰宅してからにしましょう。
旅行から帰ったら家が荒らされていた……なんて泣くに泣けないですよね。そんな悲劇に見舞われないためには、出発前の空き巣対策をお忘れなく!