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ペットボトルはあり?専門家が伝授「お米の保存方法」&虫対策

皆さんは自宅でお米を保存するとき、どんな点に注意していますか? 温度、湿度、それとも保存期限? 「期限は気にせず、適当な場所でなんとな~くお米を保存している」という方。お米の正しい保存期限と保存方法を知ったら、きっと今すぐにお米の保存方法を見直したくなるかもしれませんよ。

今回は五ツ星お米マイスターのこめななさんに、お米の正しい保存期限と保存方法についてお話を伺いました。

野菜と同じく鮮度が命!お米の保存期限

そもそも、皆さんはお米の保存期限ってどれくらいだと思いますか? 数週間、数カ月、それとも年単位? こめななさんによると、保存状態によって大きく変わるようです。

一般的な目安としては「夏は2週間、冬でも1カ月程度」とのこと。皆さんが考えていたものよりもかなり短いのではないでしょうか?

「安売りしていたなどの理由で、お米をまとめ買いすることもあるかと思いますが、保存期限を考えるとこれはあまりおすすめできません。実はお米も生鮮食品の一つで、感覚的には野菜と同じ。夏は2週間、冬は1カ月を目安に、その期間内で食べきれる量だけを買うようにするといいでしょう」(こめななさん)

保存場所の良し悪しは気温と湿度で決まる!

お米の保存でいちばん重要になるのは、保管場所の環境です。こめななさんによると、「気温と湿度が高いところは絶対にNG。気温が25℃以上だと虫が発生しやすく、湿度が高いとカビが発生してしまいます」とのこと。

ちなみに、同じお米であっても、管理の仕方によっては1週間程度でカビが生えたり虫が発生する場合と、半年経過後も見た目がほとんど変わらない場合があるそうです。

また、お米はにおいがつきやすいので、においの強いもののそばに置かないようにすることも大切なポイント。気温や湿度があまり高くなく、においの強いものがない場所であれば、お米はどこで保存してもOKということなので、家の中でも保管場所は比較的見つけやすいのではないでしょうか。

「昔は台所のレンジ台の下やシンクの下に保管する人も多かったのですが、なるべく火や水からは遠ざけるのが理想です。あと、冬場の暖房がお米の乾燥の原因になることもあるので、その点にも注意しながら涼しくて湿気の少ない場所を探すようにするといいでしょう」(こめななさん。以下「」内、同)

冷蔵庫に入れるのは?基本的にお米の保存は常温でOK

「涼しい場所ということで、お米を冷蔵庫で保存する人もいますが、基本的には常温保存でOKです。温度的に冷蔵庫の野菜室は理想的ですが、冷蔵庫からお米や他の食材を出し入れする際にお米の保存容器内に結露が発生するため、常温保存よりも管理が難しくなります」

また、冷蔵庫での保存は、お米が乾燥してしまうリスクがあるほか、そもそも冷蔵庫に十分なスペースを確保するのが難しいことから、基本的にはおすすめしないということでした。

「ただし、まとめ買いしたお米などを長期で保存しなければいけない場合など、完全に密閉して冷蔵庫からも基本出し入れをしないのであれば、結露もほとんど発生しないため保存が可能です。なお、冷凍庫での保存は、お米に含まれる水分が凍ってひび割れを起こす可能性があるので、やめておきましょう」

品質の劣化と虫の発生を防ぐには

「お米の品質の劣化は、気温や湿度といった環境と、空気に触れることで起きる米ヌカの酸化によって進みます。ですから、なるべく空気に触れないような密閉できる容器を使って、小分けに保存するのがベストです。私のイチオシは、市販のジッパー付きの保存袋。これだと小分けに保存ができて空気に触れにくいうえ、高価な専用容器を買う必要もありません」

一般に、専用の米びつや大きめのタッパーなどを使ってお米を保存している人が多いと思いますが、この場合は特に虫の発生に注意が必要とのこと。

「お米を入れ替える際に古いものが残ったままだと、虫の発生につながることがあります。新しいお米に入れ替える際は、必ず容器の中をいったん空にして、きちんと掃除をしてからお米を入れるようにしてください。お米が少し残った状態で、そこに新たなお米を継ぎ足すのは絶対にやめましょう」

なお、普通のお米よりも特別栽培米や減農薬栽培米のほうが、また白米よりも玄米のほうが虫が発生しやすいそうなので、十分な注意が必要になります。

「お米の保存容器として専用の米びつや大きめのタッパーを使用している場合は、市販の専用虫忌避剤を利用するといいでしょう。唐辛子をお茶パックなどに入れて虫よけにしている人もいますが、唐辛子がカビてしまうことがあるので市販品のほうがおすすめです」

ペットボトル保存は管理が大変!

ときどきお米をペットボトルに入れて保存している人もいますが、これはお米の保存容器として適しているのでしょうか?

「ペットボトルは少量を小分けに保存できる、空気に触れにくいという点ではいいと思います。ただし、お米を入れ替えるたびにペットボトル内をすみずみまでしっかり洗って、きちんと中を乾かす必要があるわけですが、これは形状的にけっこう難しいはず。その作業にかかる手間と時間を考えると、あまりおすすめはできません」

 

ご自宅でのお米の保存方法は合っていましたか? 毎日おいしいごはんをいただくためには、正しい保存方法で品質の劣化と虫の発生を抑えることが重要だとわかりましたね。

お米も野菜などと同じで鮮度が命! これからは保存期限を守りつつ、季節に合わせて購入量を変えるといった工夫もしていきましょう。

【取材協力】

※ こめなな(渡久地奈々子)・・・沖縄県在住の五ツ星お米マイスター。「お米を楽しもう!」をモットーに、ブログ「お米マイスター通信」にてお米の基本やすばらしさを伝えるとともに、お米を通じた食育指導を行う。お米関連の講座開催やメディア出演、執筆等も多数。食育指導士、フードインストラクター(穀類)、ナチュラルフードコーディネーターの資格も持つ二児の母。ブログ

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