11月…季節は冬へ。木枯らし1号が吹く季節の到来です。
null「霜月」と言われる11月。読んで字のごとく「霜が降りるほど寒くなる」月のことです。朝晩の冷え込みが厳しくなり、木枯らし1号が観測される時期でもあります(10月末に観測される年もあります)。
木枯らしとは晩秋から初冬にかけて吹く強い北寄りの風のことで、冬型の気圧配置になったことを知らせてくれるもの。そして11月に入ると日が沈むのが早くなり、夜の暗さも深みを帯びてきます。服もセーターを着たり、薄手のコートを羽織ったりする日もあり、冬の始まりを感じますね。
11月の行事…亥の子の祝い、七五三、酉の市
null11月になると今年も残すところあと2カ月。そのせいか、行事も年末の色が少しずつ感じられるものになってきます。
亥の子の祝い
旧暦の10月最初の亥の日、亥の刻(21~23時)に亥の子餅を食べて無病息災や子孫繁栄を祈る行事。古代中国で行われていた「亥猪(げんちょ)の祝い」の風習が平安時代に日本に伝わり、亥の子の祝いとして定
東日本ではあまり耳にしませんが、今でも西日本では盛んに行われている行事です。
また亥の子餅とは、「源氏物語」などによると大豆、小豆、ごまなどの粉を7種類混ぜて作る餅のことだそうですが、現在は餅の表面に小豆をまぶしただけのものや、紅白の餅を亥の子餅と呼んでいるところもあるそうです。ちなみに今年の亥の子の祝いは11月3日でした。
七五三
11月になると神社で着物姿のかわいらしい子どもたちの姿を見かけます。そう、11月は七五三の時期でもあります。
七五三は、乳幼児の死亡率が高かった昔、子どもが無事育ってくれた感謝と今後の成長を願って公家や武家の間で行われていた行事です。
11月15日に行われるようになったのには諸説あります。二十八宿(にじゅうはっしゅく)というカレンダーのようなものにおいて「鬼宿日(きしゅくにち。鬼が出歩かない日)」という最良の日だったためとされる説や徳川三代将軍・家光が病弱な自分の子どもの健康を祈った「袴着の儀式」が行われた日だからとする説などがあります。
酉の市
酉の市は例年11月の酉の日に江戸時代から行われている関東地方を中心としたお祭りのこと。鷲(わし)や鳥に因む各地の鷲神社(おおとりじんじゃ)、大鳥神社などで開かれ、商売繁盛や開運招福を願います。今年は11月1日、13日、25日と3回酉の日がありますよ。
そして酉の市名物と言ったら、なんといっても熊手。小判や松、招き猫におかめや鯛など日本の開運モチーフがふんだんに飾られた“縁起熊手”を扱う露天が並びます。
熊手の形をしているのは、“福をかきこむ”意味があるのだとか。
<11月の二十四節気>
null立冬(りっとう)
二十四節気の19番目。
11月7日ごろのことで(今年は7日)、立春、立夏、立秋にならび、大きな季節の節目の日。この日から立春の前日までが暦の上では冬になります。
ただし、実際の季節はまだ秋の気配を感じることができる日もあるため、冬というにはまだ早く感じるかもしれません。
<旬の植物>
山茶花、かりん、ピラカンサ、ざくろ
<旬の野菜、果物>
春菊、にんじん、自然薯、かぶ、りんご
<旬の魚介>
ぶり、ししゃも
<季節の行事>
11月8日 伏見稲荷大社の火焚祭(京都)
小雪(しょうせつ)
二十四節気20番目。
11月23日ごろのこと(今年は22日)。紅葉が終わりに近づき、野山にわずかに雪が降り始める季節のこと。ただこの頃、ときおり温かい日もあり、これを「小春日和」といいます。「小春」とは旧暦の10月、つまり現在の11月ごろのこと。
<旬の植物>
びわ、リンドウ、プラカンサ
<旬の野菜、果物>
ほうれん草、くわい、みかん、レモン、
<旬の魚介>
キンキ、ずわいがに
<季節の行事>
11月23日 新嘗祭(勤労感謝の日)
来月は12月。
2018年も残すところあと1カ月です!
構成/児玉響子
【取材協力/監修】
谷口令
国際日本文化協会理事、風水心理カウンセラー。学習院短期大学卒業後、東京海上火災保険(現東京海上日動火災保険)、日本IBM、第一生命保険などに勤務。OLの傍ら、風水気学の大家・宮田武明氏に師事。風水心理カウンセラーとして40年以上のキャリアを持ち、カウンセリング数は1万件以上に及ぶ。暦や着物など日本独自の文化を世界に伝える「国際日本文化協会」の理事でもある。9月27日に新刊『シンクロですべての幸せが叶う』(KADOKAWA)を上梓。
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