10月…秋が深まり、冬への準備を少しずつ始める季節
null10月の和名は「神無月」。諸説ありますが、10月は島根県にある出雲大社に全国から神様たちが1年のことを話し合う会議のため、その土地を留守にするということから「神無月」になったといわれています。
ちなみに神様が集まる島根県では「神在月」といわれています。
また、10月は衣替えの季節。衣替えは平安時代の宮中行事として始まったもので、旧暦の4月1日と10月1日に行われるようになりました。10月に入ると朝晩の空気に冷たさを感じるようになり、着る服も少しずつ変わってきますよね。
10月の行事…恵比寿講と十三夜
null全国の神様が総出で出雲大社に集まる10月ですが、唯一出雲に出向かない「留守神」とされる「恵比寿神」を祀る行事。右手に釣竿、左手に鯛を抱えた恵比寿神に商売繁盛や五穀豊穣、大漁を祈願します。この「恵比寿講」は主に10月20日、11月20日に行われ、秋の季語としても用いられています。
西宮神社(栃木県足利市)、桐生西宮神社(群馬県桐生市)の恵比寿講などは規模が大きく行われているため有名です。
また都内ですと、中央区日本橋にある「寳田恵比寿神社」一帯、渋谷区恵比寿にある「恵比寿神社」にて、名物のべったら漬けが売られる「べったら市」が開催されますが、これも起源は恵比寿講です。
そして「十三夜」(10月中旬頃。2018年は10月21日)。9月の「十五夜(中秋の名月)」は中国の風習に由来するものですが、こちらは日本独自の慣習。諸説ありますが、宇多天皇が十五夜から約1カ月後の月を「無双(二つとない優れたもの)」と言ったという説や、醍醐天皇時代に催された「観月の宴」が風習化されたという説などがあります。
十五夜の月が「芋名月」と言われるのに対し、十三夜の月は「豆名月」「栗名月」などと言われ、旬を迎える大豆や栗をお供えします。
<10月の二十四節気>
null寒露(かんろ)
二十四節気の17番目。
10月8日頃のことで、草木についた露が寒さで凍りそうになる頃という意味。この頃、ちょうど秋の長雨もおさまり、朝晩の冷えを感じるようになりますね。菊の花が隆盛を誇り、雁などの冬鳥が飛来し始めます。
ですから寒露の頃の天気がいい日、まさに“秋晴れ”の日に衣替えや虫干しをしておくといいでしょう。
また「三香木」の1つである、金木犀が咲き始めます。「三香木」とは香りのいい木のことで、金木犀のほか沈丁花とくちなしを指します。
<旬の植物>
金木犀、菊、コスモス、ムラサキシキブ
<旬の野菜、果物>
柿、きのこ、かぼちゃ、ぎんなん、里芋、青梗菜
<旬の魚介>
秋刀魚、はたはた、ほっき貝
<季節の行事>
10月8日 体育の日
10月22日 鞍馬の火祭(京都・由岐神社)
霜降(そうこう)
二十四節気の18番目。
10月23日頃のこと。秋が深まり、朝晩の冷え込みが厳しくなってきて、初霜が降りるほど寒くなってきます。紅葉が深まり、公園や山では色鮮やかな景色が楽しめるのもこの時期。
約1週間後にはハロウィンもありますね。
ハロウィンはキリスト教の記念日「万聖節」の前夜祭ですが、最近では楽しいイベントとしてすっかり日本にもなじんでいます。
<旬の植物>
すすき、コキア、フィーバーフュー、フジバカマ、トウガラシ
<旬の野菜、果物>
柿、みかん、ざくろ、にんじん、落花生
<旬の魚介>
牡蠣、かじき
<季節の行事>
11月1日、13日、25日(2018年) 酉の市
※次の二十四節気は11月7日の立冬のため、霜降の期間に今年の酉の市は始まります。
来月は11月。
暦の上でも冬が始まります!
【取材協力/監修】
谷口令
国際日本文化協会理事、風水心理カウンセラー。学習院短期大学卒業後、東京海上火災保険(現東京海上日動火災保険)、日本IBM、第一生命保険などに勤務。OLの傍ら、風水気学の大家・宮田武明氏に師事。風水心理カウンセラーとして40年以上のキャリアを持ち、カウンセリング数は1万件以上に及ぶ。暦や着物など日本独自の文化を世界に伝える「国際日本文化協会」の理事でもある。9月27日に新刊『シンクロですべての幸せが叶う』(KADOKAWA)を上梓。
谷口令の風水学 http://www.taniguchirei.com/
谷口令の風水ブログ https://ameblo.jp/taniguchirei/
構成/児玉響子