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【節約の達人テク その7】違いは?どっちが安い?「プロパンと都市ガスの節約」Q&A

そんなに使っているわけじゃないのに、毎月のガス代が高すぎると頭を抱えてはいませんか? プロパンガスは高いから、都市ガスに変更したいという方もいるかも……。 

プロパンガスと都市ガスは、そもそもどんな違いがあるのでしょうか?

そこで今回は、節約アナリストの和田由貴さんに「プロパンガスと都市ガス」の違いと節約法についてお話をうかがいました。

プロパンガスと都市ガスの違いとは?

Q1.プロパンガスと都市ガスはどう違うのでしょうか?

A1.配管と設備が大きく違います。

「都市部では都市ガスが使われていますが、都市部以外はプロパンガスのところが多いです。都市ガスの管は大きな通りまでは通っていて、そこから枝分かれをしてそれぞれの家にガスを通す仕組みになっていますが、その配管の費用は、実は個人負担になります。

例えば自分が家を建てるときに、大きな通りまで通じているガス管から自分の家までガス管を引く工事費用は、かなりの高額になります。

一方、プロパンガスはガス管を引く必要がないため、大通りから離れていて、ガス管が近くに通っていない場所に家を建てる場合に選択されることが多いのです。そこが都市ガスかプロパンガスになるかの分かれ目になります」

Q2.プロパンガスは都市ガスに比べ、なぜ料金が高い?

A2.プロパンガスは業者それぞれの値付けなので高くなる傾向が。

「都市ガスは金額にブレがありません。一方でプロパンガスは、基本的に業者が値段を独自に設定しているので、高くなる場合もあります。

プロパンガスだからといって、全ての業者が高いわけではないのですが、中には不透明な値付けをしているところもあります。賃貸物件に住んでいる人は、嫌でもそのガス代を支払わないといけなくなります。

プロパンガスの賃貸物件に住んでいる知り合いは、忙しくて週に1〜2度しか自宅でシャワーを浴びていないのにかかわらず、ガス代が月に7,000円前後かかっていました。明細を見せてもらうと、基本料金がべらぼうに高く設定されており、驚きました。

中には契約の相手によって料金を変えている業者もいると聞くので、気をつけたいところです。

自分の持家であれば、プロパンガスの比較サイトなどを参考に、別の業者を比較検討し、交渉をすることもできます」

プロパンガスから都市ガスに変更できる? 費用は?

Q3.プロパンから都市ガスに変更することは可能ですか?

A3.持家だったら自己負担でできることもありますが、賃貸は正直難しいです。

「ガス管を自分たちで引けるような自分の持家であれば、自己負担でできる場合がありますが、賃貸の場合は不可能だと思います。

プロパンガスの料金自体も、大家さんとガス業者との取り決めがあることも多く、入居者が交渉をするのは現実的に難しいと思います」

賃貸物件のプロパンガスと都市ガスの見分け方は?

Q4.賃貸の場合、どこで都市ガスかプロパンガスかを判断すればいいですか?

A4.物件情報にどちらかが書いてあります。

「都市ガスなのかプロパンガスなのかは、賃貸情報の中に必ず明記されています。そこで気に入った物件がプロパンガスだった場合、料金単価がどれくらいなのかを聞くことはできます。

毎月の支払いに関わることなので、ガス代はとても重要なところですよね。そこを相殺して考えてもお得だと思う物件であれば、入居してもいいと思います。

ただ、都市ガスとプロパンガスの境界線のような場所で、その物件がプロパンガスだったら、ちょっと検討してみるべきかもしれません」

2017年からガスも自由化が開始!

Q5.今年からガスも自由化が始まりましたね!

A5.あまり大きな動きはないものの、新たな割引サービスなどは登場しています。

「ガスの場合、LNG(液化天然ガス)輸入基地を自社で持っていなければ参入することができません。そのほか、供給設備の問題や保守や点検の必要性など、新規に市場へ参入することのハードルが非常に高いのです。

そのため、電力自由化と比べるとあまり大きな動きはありませんが、料金が自由化したことで電気とのセット割りなど、今後も様々な割引プランの登場は期待できます」

Q6.ガス料金がお得になる契約プランはありますか?

A6.特定のガス設備を使っている場合は、お得になるプランも。

「例えば都市ガスの省エネ給湯器“エコジョーズ”など、特定のガス設備を利用している場合は、お得な料金プランがあるので、ぜひ加入した方がいいと思います。自分がどんな割引の対象になるのか、見直してみることも大切ですね」

 

都市ガスとプロパンガスは、仕組み自体に大きな違いがあます。家を建てる際や、入居する際にはしっかり検討したいところです。

まとめ

  1. 都市ガスとプロパンガスの違いは配管や設備にある
  2. プロパンガスは業者それぞれの値付けなので高くなる傾向が
  3. 賃貸の場合、プロパンガスから都市ガスへの変更は難しい
  4. 賃貸物件は、物件情報に都市ガスかプロパンガスか明記されているので確認しよう
  5. 定期的に契約プランを確認しよう

(※この情報は2017年10月現在のものです)


 

【取材協力】

節約アドバイザー

和田由貴(わだ ゆうき)

日本女子大学家政学部卒業。消費生活アドバイザー、家電製品アドバイザー、食生活アドバイザーなど、暮らしや家事の専門家として多方面で活動。2007年環境大臣より「3R推進マイスター」委嘱。著書に『和田由貴のシンプル節約術』ほか。2子の母で現役の節約主婦。オフィシャルホームページ

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