1:「徒歩○分」
“最寄駅から徒歩5分”とあったから通勤に便利だと思ったのに……。そんな失敗を経験したことのある人は多いのでは?
所要時間を示す“徒歩○分”は、不動産会社が実際に歩いて計測したものではありません。これは、成人の平均歩行速度である“分速80メートル”を基準に計算したもの。
たとえば、最寄り駅と物件の間の距離が400メートルであれば“駅から徒歩5分”と表記されます。
必ず“自分の足”で確認して!
この計算では、地形や交通事情などは考慮していないので、実際に歩いてみると表示よりもずいぶん時間がかかってしまうケースが少なくありません。
階段や坂道、信号の数などによって所要時間はかなり変わってくるはず。筆者の実体験では、最寄駅と自宅の間に“歩行者は陸橋を渡らなければならない交差点”があり、昇り降りに苦労させられた記憶が……。
“徒歩○分”の表示や地図だけをあてにせずに、必ず自分の足で歩いて所要時間を確認しましょう。
2:「眺望良好」
高層マンションの高層階でもないのに、“眺望良好”を謳っている物件には要注意です。
低層なのに“眺めがいい”ということは高台に建てられた物件だと推測されます。ということは、駅から物件まで坂道や階段があるので、特に帰り道はしんどい思いをすることになりそうです。
また、坂道や階段があれば、前項でお伝えしたとおり、“徒歩○分”があてにならないでしょう。
3:「閑静な住宅街」
この宣伝文句は“周辺には住宅以外、何もない”とも解釈できます。つまり、スーパーやコンビニすら近くにない不便な場所というおそれもあるのです。
また、近くに学校がある物件でも“閑静な住宅街”と表記されることがあるといいます。
もちろん、お子さんがいる場合はそのほうが便利なのですが、学校が近いと、子どもの騒ぎ声がひっきりなしに響き、“閑静”とはほど遠い環境に……。
宣伝文句のイメージだけで判断せず、事前に周辺施設をしっかりチェックしましょう。
4:「リフォーム済み」
賃貸の募集広告に“リフォーム済み”という文言があっても、それだけで「多少古い物件でも大丈夫そう」と判断するのは早計。
実は、“10年前に壁紙を張り替えただけ”という程度でも、“リフォーム済み”と謳っていることがあるそうです。
また、過去記事「物件探しの注意点!自殺・殺人が起きた”事故物件”の見抜き方4つ」でもお伝えしたように、リフォームはその部屋で死体が出たために行われたものかもしれません。
“リフォーム済み”とある物件は、“いつ・どこで・なぜ”リフォームしたのか、不動産屋に確認するようにしましょう。
5:「日当たり良好」
これは今の時期よりも夏場に契約する際に要注意なフレーズ。
太陽の高度は季節によって異なるので、日当たりがいいのは夏場だけ……というおそれがあります。
また、方角的には日当たりがいいはずの部屋でも、窓側に大きな建物があればその影響も受けてしまいます。
日当たりを重視する人は、広告の文言だけをあてにせず、必ず内見で確認しましょう。
以上いかがでしたか? 賃貸情報サイトや不動産屋のおすすめ物件は、入居意欲をあおるフレーズがいろいろ並んでいますよね。
今回ご紹介したようなあいまいな宣伝文句には“裏”があることを肝に銘じて、慎重に情報を吟味するようにしましょう!
【参考】
※ 主婦の友インフォス情報社 (2015)『事故物件サイト・大島てるの絶対に借りてはいけない物件』(主婦の友インフォス情報社)
2017/2/25 WooRis掲載
書き手/中田綾美