日本全体が貯め込んでいるオカネの総額とは?
null日本銀行が公表した、2015年4~6月期の「資金循環の日米欧比較」(9月30日公表)。この内容から日本の“現金・預金”比率が、依然5割を超える高水準であることがわかりました。
その額、じつに893兆円近く。874兆円ほどだった去年の同期間より、むしろ増えているのです。
これがどれほどの多さかというと……日本の52%に対し、ユーロ圏は33.8%。アメリカに至ってはたったの13.2%。他国と比較すると、日本の“現金主義”傾向が鮮明に見えてきます。
現金主義は悪なのか?
nullでもそれって、悪いこと? 株に投資なんかしたら損をするリスクもあるのに!
そう思ったあなたは、じつに日本人らしい考えの持ち主なのかもしれません。
確かに、現金や預金で持っていれば資産は実質上減りません。“お金”を所有しているという事実は、ご本人やご家族にとっては安心材料でしょう。
だけど、例えば1,000万円の現金を30年間タンス預金として置いておく……そんな人が100万人いたら?
それだけの資金がもし、株式投資に回っていたらどうなるでしょう? 投資を受けた企業(銘柄)はその資金を原資に成長することができます。
利益を上げれば、投資をしてくれた人(株主)に配当や優待という形で還元することもできます。さらに、企業が成長すれば評価も高くなり、株価が上昇することが予想されます。
そうすれば株の値上がりによる差益(キャピタルゲイン)も期待できるのです。
こうしてお金をタンスに寝かせるのではなく、投資して循環させ、日本の経済を活性化させてほしい……これこそが麻生大臣の願いであり、経済の理想的な形とも言えます。
政府もただ手をこまねいているだけではなく、2014年に創設したNISAの枠拡大や子供向けに「ジュニアNISA」の創設を予定するなど、あの手この手を投入。しかしこのNISAも、使い勝手などを考えると評判はイマイチと言わざるを得ません。
以上、“タンス預金するより投資をしたい理由”についてご紹介しましたが、いかがでしょうか?
株式投資は財産が目減りする可能性を含むもの、つまりリスクがあります。お金に関する考え方は人それぞれだし、向き不向きもある。決して無理して取り組むことではありません。
今はネットで簡単に経済情報が手に入ります。
まずは、興味を持って投資の世界に触れてみる。そんなことから始めてみてもいいかもしれません。
【参考】
2015/12/2 BizLady掲載