日本では考えられない!? アマゾンとアフリカでの強烈な体験
null――2014年にミステリーハンターになって以来、これまでに23回のロケに行き、22もの国を訪れている比嘉バービィさん。旅行への適応力やバイタリティをかわれてミステリーハンターとしてよく訪れるのが、中南米やアフリカといった日本人にとっては、やや縁遠い地域ばかり。
比嘉:メキシコとブラジル、ペルー、アフリカには2回ずつ訪れています。シティにあまり連れて行ってもらえない(笑)。だからたまにヨーロッパに行くよ、とか言われると「私でいいんですか!?」って気持ちになります(笑)。
――特に印象に残っているロケは?
比嘉:ミステリーハンター2年目で行ったアマゾン。アマゾン川は雨季の間、最大10m以上も水位が上がります。雨季にしか見ることができない不思議な森を見て、そこに生息する希少動物に会いに行くという内容でした。
ロケの前半は川の近くにある動物を研究している施設に泊まったのですが、施設といっても掘っ立て小屋。案内された寝室のベッドはカビだらけで、ダニや蚊と闘っていました(笑)。
比嘉:そんな中、お腹を下したんです。夜中トイレに行くと電気がつかず真っ暗。iPhoneの光で灯すと目の前にある壁にゴキブリが数匹。普段だったら退治するまでトイレには入れないのですが、人間ってすごいですね。トイレも3回目にもなると、ゴキブリに対して「お願いだから飛ばないでね」くらいに思えるほど慣れました(笑)。
体を洗うにしてもアマゾン川の茶色い水でシャワーを浴びるしかなくて、髪の毛はカピカピ。2週間で心身ともにだいぶ強くなりました。
――清潔さに慣れた日本人にはなんとも強烈な体験。でも今年、これを上回る経験をしたそう。
比嘉:世界で一番暑いと言われている、アフリカ大陸のジブチとエチオピアに行きました。夜で涼しくても40℃、今日は涼しいと感じたら38℃とか。そんな国なのに宿がない、というかなり過酷な環境でした。野宿でテントを張ると、サウナのように暑くなるので野天泊にせざるを得なくて。でも暑すぎて寝れない! それが1週間続きました。
比嘉:冷房で涼むこともできず、身の危険を感じる暑さの中、火山のマグマを見に行かなければならなくて。殺人的な暑さの日中を避けて日が落ちてから登山を開始したのはいいのですが、頂上付近の環境がひどく、呼吸するのも、目を開けるのもやっと。レポートをするには、本当に過酷な環境でした。
ただ、あの時見たマグマは一生忘れられない光景です。今回ご一緒したディレクターさんも秘境ロケが多い方ですが、彼をもってしても今までで最強に過酷とおっしゃっていました。本当に大変なロケでしたね。
――そういった厳しい環境の国に訪れることで、気持ちにも変化が生まれたりするんでしょうか?
比嘉:自分の目で見ることで、いかに恵まれた環境にいるのか、小さなことでも感謝するようになりますね。世界には決して裕福ではない環境に暮らしている人がいて、私一人の力ではそういう人たちの環境を変えることができない。だからせめて一人でも多くの日本人に、いろいろな国があることを伝えたいです。
人に触れ合って、街の歴史を知って。初めてに出会うのが楽しい!
null――大変なロケの話を楽しそうにあっけらかんと話す比嘉さんは、世界を飛び回るのを心から楽しんでいるように見えます。そもそもミステリーハンターを目指したきっかけは何だったのでしょうか。
比嘉:大学時代、姉がイギリスに留学していて、遊びに行ったのが本格的な初めての海外旅行でした。それが楽しくて各国に住む友人に会いに、いろいろな国に行くようになりました。スペイン語が話せるのもあって、一人でスペインに行ったこともあります。スペインの人は温かいし、ごはんもおいしい。本当に楽しくて大好きな国になりました。でも食べすぎて太っちゃうから危ないんですけど(笑)。
比嘉:そういう経緯もあって旅を仕事にできたらいいな、とはずっと思っていました。でもミステリーハンターって旅の仕事としては最高峰じゃないですか。ドキドキしながらオーディションを受けたけれど、なれるとは思ってもみなくて。初めてロケのお話をいただいた時は本当に嬉しかったですね。
――海外のどこに魅力を感じるのでしょうか?
比嘉:ペルーとスペインの血も流れているので、自宅ではスペイン語、外では日本語を話す環境で育ちました。だから様々な言語に興味があります。現地の人とコミュニケーションを取ることが好きなので、いろいろな人に会えるのが旅の楽しみです。
比嘉:番組では通訳の方を介して現地の方と話すことが多いのですが、カメラが回っていないところでは直接話しています。その方が相手の考えていることがわかりますから。人との触れ合いが一番好きなんですね。だから他の言語も話せるようになりたい。
他にも、海外に行ったからこそ自分の発見ができたりしませんか? 例えばお辞儀の回数が多かったり、些細なことで「Sorry、Sorry」を言うと外国人に不思議がられたりするんです。そういう時「あっ、私ってやっぱり日本人なんだな(笑)」って思います。
比嘉:仕事での旅はプライベートで行くよりも深くその国や街を知ることができるような気がします。例えば街並みの形成は歴史があるからこそですが、仕事だとそういう背景をしっかり知ることができます。国によっては怖いとか不安を感じる人もいるかもしれませんが、私はそれよりも好奇心の方が勝つんです。だから過酷な国でも、これからも旅を止めることはないでしょうね。
※次回からは旅の達人・比嘉さんが持参する美容グッズや必需品を2回にわけてご紹介します。
撮影/田中麻以(小学館)
ペルーで生まれ、5歳より日本で暮らす。モデルとしてデビュー。現在は日本語とスペイン語、英語が話せるトリリンガルとして、TBS系『世界ふしぎ発見!』のミステリーハンターをはじめ、レポーター業を中心に活躍。次回『世界ふしぎ発見!』(毎週土曜21:00〜21:54)には2018年9月1日(土)放送回にミステリーハンターとして登場!
インスタグラムは@barby724