子育て世代の「暮らしのくふう」を支えるWEBメディア

「夫婦げんかをしない」人は約3割。喧嘩を回避するためにしていることとは?【既婚男性に聞いた】

売られたけんかを買い、買ったけんかを売りつける。夫婦間で「けんかの売買」がさかんになると、空間を共にしているだけで、エネルギーを削ぎ合う関係になってしまいます。

できれば、穏やかな空気を保ちたい……と願いつつも、けんかは予期せぬタイミングで発生するものです。

「夫婦げんか」が身近な既婚男性は7割…回避策は?

null

夫婦げんかの回避策を探るために、『kufura』編集部はまず、既婚男性323人に夫婦けんかの頻度について質問しました。「夫婦げんかをよくする(13.6%)」「たまにする(58.5%)」の合計割合はおよそ7割。既婚女性にも同じアンケートを実施しましたが、同様の割合でした。

多くの夫婦が夫婦げんかを日常的に経験していることがうかがえます。一方で、不毛な夫婦げんかを回避するために、なんらかの策を講じている夫婦も多いようです。

前出の既婚男性323人に「夫婦げんかを回避するために行っていること」についても聞いたところ、7つの回避策が寄せられました。

「小事は大事」。けんかの原因は早めに解きほぐす

null

大きなけんかのきっかけは、たいてい小さな不満から。相手の不満を検知したら話をするという声です。

「不満があったら、穏やかに相談する」(48歳/公務員)

「不満をため込む前に、相談する形で妻と穏やかに話をするようにしている」(46歳/コンピューター関連技術職)

2人が穏やかに話し合える関係性であれば、「けんか未満」の段階で、互いの怒りの増幅を防ぐことができるようです。

「譲って損なし」。ヒートアップ前に譲歩して穏便に

null

妻から注意されたり、怒られたりしたら、言い返さずに素直に謝るというケースです。

「素直に謝ること」(52歳/営業・販売)

「こちらから謝る」(57歳/金融関係)

小さなことなら、相手に譲って穏便にすむことも。ただし、「はいはい、謝れば満足ですか、ごめんなさいね!」なんて挑発的に謝ったら、バトルのゴングが鳴る可能性が一気に高まります。

「柳に風」。柔らかい心でサラっと受け流す

null

相手の不機嫌には反応しない、という声です。

「とにかく気にしない」(43歳/総務・人事・事務)

「言われたことを流す」(44歳/研究・開発)

しなやかな柳のように相手の不機嫌に反応せず、ふんわりと流すことで、けんかに発展せずにすむそう。逆に、態度を硬化させて感情的な言葉を打ち返すと、けんかに発展してしまいます。

「危うきに近寄らず」喧嘩の兆しが見えたら少し離れる

null

険悪なムードが漂い、火花が散りそうになったら、別の部屋に行ったり、外に出たりして距離を置き、怒りの冷却を待つという声です。

「いったん離れて頭を冷やす」(30歳/技術職)

「怒ってるときは距離をおく」(45歳/営業・販売)

「頭を冷やすために外に出ていく」(62歳/総務・人事・事務)

一説では、人の怒りのピークは6秒間と言われています。感情に飲み込まれる前に「怒り逃がし」をすることで、お互いになぜ怒っていたのかがクリアになりそうですね。

「西風と夫婦げんかは夕限り」。けんかするなら短時間でサクッと

null

けんかになるのは仕方がない。でも、するなら軽く後引かずに、という声です。

「とりあえずけんかして、軽めに終わらせること」(48歳/コンピューター関連技術職)

「本音で話そうと約束してるので、けんかを回避しない。ただし、けんかしても次の日に持ち越さないことを心掛けている」(56歳/技術職)

「けんかしてもすぐ仲良くなるので、事前に何かすることはない」(64歳/公務員)

夫婦げんかで言いたいことを言うし、言われたことは根に持たない。そしてすぐに終わらせる。そんな暗黙のルールがあれば、夫婦げんかもラップバトルやエンタメ系の格闘技のように楽しめる……のかも!?

「試行錯誤」。けんかの傾向を見極めて工夫

null

けんかの傾向を把握して、対策を打つケースです。

「自分が話したことを“聞いていない““いや話した”ということでよくけんかすることがあったので、夕食の際にテレビを消してお互いに会話する時間を設けるようにした」(77歳/その他)

「普段の妻は穏やかだが、生理前日は体がしんどいらしく、導火線が短い。その期間はなるべく早く帰って育児と家事に関わるように努める」(45歳/営業・販売)

容認できない生活習慣や、体のバイオリズムなど、相手の不機嫌の原因を見極めて寄り添うことで、穏やかな空気が保たれそうですね。ただし「常に原因不明の不機嫌」という場合には、使えない策ではあります。

夫婦げんかをしない人は、どんなコミュニケーションを心がけている?

null

最後に、今回のアンケートで「夫婦げんかをしない」と回答した人が普段から心がけている夫婦のコミュニケーション術についてうかがいました。

「毎日の感謝とスキンシップとファミリーファーストの考え」(33歳/研究・開発)

「相手を敬うこと。あとは結婚するまえに、相手を否定するような人と結婚しなければ、けんかなんてものは回避できる。けんかを避ける秘訣よりも“相手の性格次第では?”と思います」(44歳/コンピューター関連技術職)

「お互いの意見を尊重すること、尊敬していること、理解すること。結婚してから35年ですが一度も喧嘩をしたことがありません」(59歳/研究・開発)

「できる範囲で協力し、できる範囲で相手を責めない」(55歳/総務・人事・事務)

お互いをよく知り、相手が嫌がることをしないという点が重要なようです。

 

以上、今回は、夫婦げんかの回避策についてお届けしました。

「ぜひ参考に」といいたいところですが、皆さんの回避策を完全コピーしても、成功するかどうかわからないのが、夫婦関係の難しいところです。

例えば、相手が会話を望んで怒っているときに、「相手から離れる」の対応策を選んだら、怒りを増幅させるでしょう。相手がこちらの過干渉で怒っているときに「1から100まで話し合う」を提案すれば、さらに険悪になることもあるかもしれません。

相手の言葉や態度を読み取りながら、「良い相性」を醸成していけるといいですね。

北川和子
北川和子

自治体HP、プレスリリース、コラム、広告制作などWEBを中心に幅広いジャンルで執筆中。『kufura』では夫婦・親子のアンケート記事やビジネスマナーの取材記事を担当している。3児の母で、子ども乗せ自転車の累計走行距離は約2万キロ。地域の末端から家族と社会について日々考察を重ねている。

pin はてなブックマーク facebook Twitter LINE
大特集・連載
大特集・連載