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「時間がない…」を封印!働く主婦が自分磨きを始める方法【行動科学で解決する女のモヤイヤ 第10回】

仕事に家庭に奮闘する“働く主婦”が、日々を軽やかに送れるようになるためのヒントについて、行動習慣コンサルタントの冨山真由さんからレクチャーを受けていくこの連載。

最終回となる10回目は、”働く主婦が自分磨きをはじめる方法”を教えていただきます!

自分磨きの時間は作り出せる?

仕事に家事に育児にと、とにかく自分の時間が取れない働く主婦たち。『kufura』編集部のE子も、仕事が終わったらダッシュで子どものお迎えに行き、帰宅後は怒涛の家事&育児タイム。子どもの寝かしつけとともにほとんど気を失うように寝落ちしたあと、深夜にムクリと起き上がり、残りの家事を片付ける……というような生活を何年も続けています。

そうなると、「自分磨きなんて……無理無理!」という諦めの境地に流れていくばかり。しかし、「そんなこと言ってたらいつまでたっても成長しないし」という心の声も聞こえてきます。

時間も気力も余裕がない働く主婦が自分磨きをはじめられる方法は、あるのでしょうか?

例えば…ランニングを習慣化するコツは?

仕事と家庭を両立させるうえで、体力不足に悩んでいる人も多いはず。ジムに通うのは難しいな、せめて家の近くでできるランニングを始めたいな。でも時間がとれないな……と諦めている働く主婦もいるのでは?

「行動科学では、現実性をとても重視しています。理想と現実を埋めるのが行動科学なんです」と冨山さん。

「ランニングを始めたいのであれば、現実に置き換える必要があります。では週に何回できるのだろう、というところから考えましょう。毎日だと難しいけど、週2回ならできるかもしれません。月曜と木曜は旦那さんが子どもの習い事の送り迎えを担当してくれるので、2時間空きがあるとします。この時間を利用して、30分間、週2回走ろうというように、まずは現実的に時間を見つけ出しましょう。

時間が決まったら、月曜と木曜の朝に、ランニングシューズとランニングウエアを目の届くところに置いておきましょう。仕事から帰ってきたら“今日は疲れているからやっぱりランニングやめよう”となりがちですよね。ランニングしようと思えるように、可視化しておきましょう。

人は迷っているうちに面倒になるので、まずは部屋着に着替える前にランニングウエアに着替えるのも大事。人は不思議なもので、着替えると行動をしたくなってくるんですね。着替えてもさらに走りたくないということであれば、よっぽど疲れているのでしょうね。無理に走らなくていいと思います。

気分がのっていないようであれば、今日はウォーキングにしておくのもよし。しかし、歩き始めると、走りたくなってくることもよくあります。これが行動科学の考え方です」

読書や勉強を習慣化するコツは?


読みたい本があっても、キャリアアップのために勉強をしたくても「時間がないからいいや」となってしまう働く主婦も多いはず。

「毎週、日曜の2時から4時は義理のお母さんに子どもを見てもらうようにしたり、子どもの習い事の時間を好きに使うようにしたりして、時間を作って欲しいですね。

ただ家の中にいると、“片付けしよう、夕ご飯の支度をしよう”となりがちなので、読書や勉強に集中しやすい近所のカフェなど外に行きましょう。

勉強は、達成感がないと続かないですよね。続かないと自己嫌悪になってしまうので、勉強した日はスケジュール帳に花マルのシールを貼ったりして、自分で達成感を与えましょう」

小さな行動の積み重ねで、人はポジティブに変わることができる

この連載の最後に、冨山さんから働く主婦に向けてメッセージをいただきました。

「今、この時代に働いている女性たちは、日頃からとても頑張っていらっしゃると思います。仕事もそうですし、家事育児も今が一番忙しいですよね。全部やろうとすることは素晴らしいのですが、全部やれないからと言って、決して自分を責めないでほしいです。

まず自分ができること、できそうなこと、したいことを積み重ねていってほしいです。

人と比べることは、自分の行動の促進にはならないので、自分自身と比べるようにしてください。例えば、“以前ピンチのときチャンスに変えたから今回もできる!”というように。

夫が協力してくれないから、上司が話を聞いてくれないから、同僚が仲間意識をもってくれないからと、色々と不満が出てきてしまうと思うのですが、ひとまず置いておき、“自分がどうしたいか”を考えることが大切です。

なぜ大切かというと、働く主婦の方は、影響力が絶大だからです。“自分自身のありたい姿”に満足していると、旦那さんや子どもさん、同僚などの周囲の人にポジティブな対応や投げかけができるようになります。

“なんでやってくれないの”“なぜ気が利かないの”などの思いに囚われていると、自分が落ち込んでしまいます。そこから少し変わりたい、周りに常にポジティブな影響を与えたいのであれば、小さな行動の積み重ねで、必ずできるようになります。

“よかったこと”を日記に1日3つ以上書き出してもいいでしょう。1日3回は子どもや夫や後輩を褒める習慣を作ってもいいでしょう。

これは何をしているかというと、“いいところを見つける習慣づくり”なのです。こうしたことを続けると、自然に自己肯定感が高まります。自分のいいところも見つけられるし、相手や子ども、夫や義理の母のいいところを見つけられるようになります。そのように、働く主婦の方にはなっていただければと思います。

あとは息抜きをしていただき、自分を労ってもらいたいです」

 

これまで10回にわたって、働く主婦のモヤモヤを、行動科学によって解決する方法を教えていただきましたが、いかがでしたか?

働く主婦をとりまく環境は時に厳しく、すぐには自力で解決できないことも多いかもしれません。一方で、小さな行動を変えていくことで、少しずつ環境を変えていくこともできるかもしれないと、前向きに進む術を行動科学に教えていただいたように思います。少しずつ、“なりたい自分”に近づいていきましょう。

 

構成・文/kufura編集部 人物撮影/横田紋子(小学館)

 

【参考】

※  冨山真由(2016)『1%の素敵な人だけが実践している「なりたい自分」になる方法』(あさ出版)

 

 

 

 

 

 

 

 

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