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怒ってもいい!その理由は…プロコーチが教える「子どもを正しく叱る」良習慣

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子育てにおいては、「“怒る”のではなく“叱る”ようにしましょう」とよくいわれますよね。“怒る”のはただ自分の怒りの感情をぶつけること。“叱る”のは子どものために教え諭すこと。この2つの違いについて「頭でわかっていても、つい怒っちゃう」というお母さんも多いことでしょう。「もういいかげんにして!」「何回同じこと言わせるの!?」そんなふうに子どもに向かって声を荒げては、「私ってダメな母親かも」などと自己嫌悪に陥っていませんか? 今回は、『今すぐやめさせたい 子どもを「ダメな大人」にする36の悪い習慣』の著者、田嶋英子さんから“子どもの叱り方”についてアドバイスをいただきました。

「怒る」と「叱る」は違う…でもお母さんは怒ってもいい!?

――田嶋さんは、プロコーチ/NLPマスタープラクティショナーとして、お母さんのためのコーチング活動をされているとのことですが、“怒る”と“叱る”に関する相談は多いのでしょうか?

「はい、そうですね。お母さんが感情的に子どもを怒鳴りつけてしまって、あとから“なんであんなに怒っちゃったのだろう”“またやったちゃった”と自分を責めてしまうという相談はとても多いです。

毎日生活していくなかで、お母さんたちは育児の悩みだけでなく、さまざまなストレスを抱えています。たとえば、仕事が忙しかったり、ご主人やお姑さんとの関係でちょっとしたトラブルがあったり……。

そのイライラがたまっていると、コップの水があふれるように、ふとした瞬間に感情が抑えられなくなるのです。普段ならサラリと流せる子どものささいな言動にキレてしまって、あとで激しく自己嫌悪……。そういうお母さんが多いように思います」(以下「」内、田嶋さん)

――やはりそうなんですね……。いつもガミガミ“怒る”のではなく、うまく“叱る”にはどうすればいいのでしょうか?

「怒らずに叱るのは本当に難しいです。だから、怒ってもいいんですよ! 怒っちゃうのは仕方がないことですから」

――ええっ、怒っちゃっていいんですか!?

「怒ること自体が悪いのではなく、怒ったあとにただ自己嫌悪するだけで終わってしまう。そのほうがよくないと思います。ただ自分を責めるだけでは、何も状況は改善しませんからね。

それに、一番避けたいのは怒らないし、叱らないこと。お母さんがガツンと言わないことで、何が悪いことか、どれぐらいいけないことなのか、わからないまま子どもが大きくなってしまうことのほうが問題です。怒ってもいいので、きちんと叱りましょう」

子どもを正しく叱るための良習慣

怒るのは仕方がないから、怒ってもいい。そう言われると、ちょっと心が軽くなりますよね。では、怒ってもいいので、きちんと“叱る”にはどうすればいいのか、田嶋さんから4つの心がけを教えていただきました。

(1)日々、自分の感情バロメーターに目を向ける

「つい感情的に子どもを怒鳴りつけてしまう……という人は、日ごろから自分がストレスをためすぎていないか、自分の内面に目を向けたほうがいいと思います。

さきほどお伝えしたように、お母さんがたが爆発するのは、子どもが悪いことをしたから……というより、すでにストレスが満杯の状態で、怒りがあふれでてしまうということなんです。

ですから、日ごろから自分の感情に目を向けて“あっ、ストレスがたまってきて、そろそろ爆発しそうだな”と気付くことが大事。自分のためこんでいるものに気付けば事前に対処もできますし、心の余裕もうまれます。

それによって、子どものちょっとした言動に対して、怒りの感情のブレーキがきかなくなる……という事態も防げるのではないでしょうか」

(2)「私は子育て上手」と自己暗示をかける

「子どもを怒ってしまうのは仕方がないですが、そのあとに自分を責めたり、自己嫌悪に陥ったりするのは何もいいことはないですし、お子さんにとってもよくありません。

以前、こういうお母さんがいらっしゃいました。すごく怒りっぽいお母さんなんですが、あるとき中学生のお子さんの目の前で“私、子育て下手なんです”とおっしゃる。

それを聞いたお子さんはどんな気持ちになったでしょうか? お母さんが“子育て下手”ということは、自分を失敗作、ダメ人間のように感じてしまったかもしれません。

ただ、自分を責めたり、自己嫌悪に陥ったりするだけでは、“どうせ自分はダメなんだ”ということになって、結局は現状に甘んじてしまいます。

“ガミガミ言うのをやめたい”“子どもによくなってほしい”と心から思うのであれば、“私は子育て上手”と毎日、自己暗示をかけ続けましょう。

自己暗示って子育てに限らずすごく大切なこと。自分で子育て上手だと思っていれば、もし何かうまくいかないことがあっても、ただ落ち込むのではなく“どうすればよかったのか”など前向きに考えることができるのです」

(3)言葉できちんと伝える

「子どもを叱るときには、何がいけないことなのか、なぜいけないのか、続けるとどうなるか、どう改善すればいいのかなどを具体的に伝えましょう。

よく“子どもに口で説明してもうまく伝わらない”と勘違いされているかたもいますが、そんなことはありません。2歳くらいの子どもでも驚くほど親の言葉を理解できています。

もちろん、いっぺんにあれもこれも……では子どもの容量を超えてしまうので、“どうしてもこれだけはダメだ”というポイントを絞って伝えること。“どうせ言ってもわからない”とはじめからあきらめるのではなく、日々子どもにわかるように伝える練習あるのみです。

叱る際、お母さんの気持ちも伝えてみるのもいいですよ。たとえば、子どもが誤ってお母さんの持ち物を壊してしまったような場合、“~~が壊れてお母さんは悲しいよ”というように。

お母さんが自分の気持ちをきちんと伝えると、子どもに“なぜいけないのか”が伝わりやすいと思います」

(4)落ち着いてからもう1度話してみる

「感情的に子どもを怒鳴りつけてしまった場合、ただ自分を責めて終わりにするのではなく、気持ちが落ち着いてから、子どもと話すことをおすすめします。

カッとなってその場ではうまく伝えられなかった“何がいけなかったのか”などを“あのときお母さんが怒ったのはこういうことだったんだよ”と冷静に話してみる。

怒りながら叱った場合も同様です。お母さんが一方的に言いっぱなしでは、子どもに正確に伝わっているとは限りませんから、しばらく経ってから“お母さんの言いたいことわかった?”と確認したほうがいいでしょう」

 

以上いかがでしたか? 田嶋さんの言葉にもあるように、もっともよくないのは、叱られない子どもが善悪などの判断がつかないまま大人になってしまうことでしょう。

はじめはうまく叱れなくていいんです。ぜひ今回お伝えした4つの良習慣を心がけて、子どもとうまくコミュニケーションをはかるようにしたいものですね。


【取材協力】

田嶋英子

大学卒業後、広島県内の高校や大手予備校で教鞭をとるが、2006年に、受験だけの教育に疑問を感じ、お母さんのためのコーチングを開始。2010年から子育て講演会を全国で開催。2011年(株)未来クリエイション専任トレーナーとなる。現在は、教育問題、家庭問題の専門家として、お母さんのサポート、夫婦のコミュニケーション支援など、幅広いニーズに応えている。

 

【参考】

田嶋英子(2017)『今すぐやめさせたい 子どもを「ダメな大人」にする36の悪い習慣』(日本実業出版社)

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