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【犬山紙子の答えはなくとも育児会議〜楽になりたくて】vol.1 初取材日にまさかの高熱…

『私、子ども欲しいかもしれない。』(平凡社)で「子ども本当に産んで大丈夫!?」「仕事と両立、本当にできるの?」など、出産についてとことん考えた犬山紙子さん。そして2017年1月に女の子を出産し、育児まっただなかの今、どんなことを考えているのでしょうか? なかなか答えがでることはないけれど、先輩ママ、独身女子などいろいろな立場から「妊娠・出産・育児」にまつわることを考えていきます。

【今回の会議参加者】編集K(7才女&3才男の二児の母)、編集S(独身)

取材予定日にまさかの発熱でキャンセルすることに…

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犬山紙子(以下、犬山):この間はごめんなさいーーーー!!(鼻水ぐずぐず)

編集S:全然いいんですよー(笑) ただ“働くママ”の話をする連載初回の取材日に子どもの風邪がうつって流れるって、なんだかとっても“働くママ”っぽい話ですよね(苦笑)

犬山:私、なめてました。半年過ぎたあとの子どもを保育園に預けるリスクを……。

編集K:最初に連載の打診に伺ったときも、病み上がりでしたよね。

犬山:そうなんです……。1回治って別のにかかるっていう……。

編集S:ええー!! 私たち余裕をもってスケジュールを組ませていただいたんで、今回のリスケは全く問題なかったんです。でも、夜中の1時48分に40度の熱が出ているとメールが来ていたのを見て、一晩寝れば治るのかどうか、ギリギリまで悩んで判断したんだろうな……って。

犬山:そうなんです。ギリギリまで粘りたかったんですが、夜中にまた熱が上がってる感覚があって、もう難しいなと思ってリスケさせていただきました。働きながらの子育てで、健康でいることの大切さが身にしみました……。
自分が健康だったら子どもを預けて仕事をすることってすごいリフレッシュになるし、楽しいし、最高なんですけど、自分の体調が悪いだけで、この先誰かに迷惑をかけてしまうんじゃないかってプレッシャーがすごくて。わーーっ!!って頭を抱えちゃいました。

編集K:全国の働く母から「あるある」の声が聞こえそうですね。本当にわかります、それは。

犬山:最初の半年は子どもが熱を出さなかったので、あれ、案外いけるかもって思ってたんですけど、半年過ぎてから、「あ、なるほどこれが皆の言ってた地獄か」ってやっとわかりました。

編集S:今の話を聞いていて、やっぱりキャンセルする本人のほうがつらいのかなって思いました。キャンセルされる側って、かなり切羽詰まった状態以外は案外大丈夫なんですよね。リスケされてものすごく腹をたてた経験とか、本当に困った経験とか記憶にないですもん。でも、連絡をする側の気持ちを想像すると苦しくなります。

犬山:そうなんですよ。打ち合わせを予定していた皆の時間を無駄にしちゃうっていうのがつらくて。あと、こういうキャンセルが続いてしまうと「あの人は育児で大変だから」と気を遣われて仕事を振られなくなっちゃうんじゃないかっていう恐怖も出てきますね。

編集K:私も子どもの体調でドタキャンになるときは、いつもつらい。仕事相手の方々に申し訳ないという気持ちと、そうやって、結局仕事について考えている自分を客観的に見て、“具合の悪い子どものことだけを考えていない自分”に罪悪感を持ったりしてました。

犬山:板挟みですよね。どっちに対しても罪悪感なんですよね。子どもに対しても職場の人に対しても。「あーーっ!!!!」っていう。

編集K:仕事を持つ母のいちばんの悩みですね。

いつになったら育児は楽になるの!?

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犬山:私、今子どもの病気にうつりまくっているんですけど、人の体験談として授乳をやめたらあんまりうつらなくなったとか、いつ楽になるのかってっていうゴールががすごい知りたいです。思えばつわりのときも、いつぐらいから楽になるのかめっちゃ調べました。何回も調べてもう知ってるくせに(笑)

編集K:誰か早く終わった人はいないのか!?とか調べちゃいますよね。うちの場合だとやっぱり2人とも保育園に預けはじめた初年度の冬はもう、大変で大変で……。

犬山:怖い! 保育園から「今アデノウィルスが……」とかメールが来ると、もう私にうつるって覚悟しますね。

編集K:私も子どもが小さいころ、うつった風邪が悪化して咳がひどくなってしまって。薬も飲めないから2カ月後くらいに疲労骨折してたことも。

犬山:咳っておさまらないと、そうなりますよね。

編集K:肋骨にヒビが入っているって言われて。子どももそろそろ1才になったから、お医者さんと「抗生物質も飲んで治そう」と相談して断乳することになりました。

犬山:まさに断乳も、今すごく考えてます。これまで私は熱を出しても38度とかだったんですよ。それくらいだったら仕事はできてたんで、断ったりリスケをするということがほとんどなかったんです。それが子どもの熱がうつると40度バンバン出るんです。ハイまた40度、みたいな。子どもを産んでからもう5回くらい40度出ていて……。

一同:えーー!

犬山:さすがに40度の熱で仕事するのはよくないかなって。解熱剤を飲んで強行しようかとも思ったんですけど、あまり乱発しないほうがいいって話も聞いて。そうなると、申し訳ないけどリスケするしかない状況が既に2回ありました。
しかも、いつ断るかっていうのが難しくて、下がるかもしれない可能性にかけているんですよね。でも一応熱が出たタイミングで「すみません、もしかしたらリスケするかもしれないです」って状況を伝えたほうがいいなと学びました。
これまでだったら熱が出ても薬飲んでマスクして挑んでたんですけど、それができないっていう変化に自分でも戸惑ってます。

編集K:私の場合は、子どもが3歳くらいから少し楽になった気がしますね。2歳クラスくらいからだいぶ風邪をひかなくなったかなぁ。

犬山:でも夏と冬はしばらくエンジョイできないものとして考えようと思うようになりましたね。保育園に預けて。ヘルパンギーナ、手足口病もやりました。

編集K:あー、早いですねそれは。

犬山:そして私はどっちもうつるっていう……。熱だけだったので、なんとか原稿は書けると思ってたんです。実際に書きましたし。でもそのあと読んだら「前回書いたのとおんなじこと書いてる!」ってことが1回あって。自分では「熱あるけど大丈夫」って思ってたら全然こなせてないっていう。連載もストックを用意してたんですけど、ストック全部なくなっちゃいました(笑) もう、「あーっっ」て感じですよ。

編集K:最初の夏・冬ってそういうお母さん多いですよ。

犬山:もう子どもからはバカスカうつるんだなって意識を改めました。自分がここまで抵抗力がないというか体力が落ちてるんだっていうのは、あんまり実感してなかったんですけども、改めて考えてみると妊娠中は安静にしているんで、全然動かないから体力も激落ちなんですよね。

編集K:確かに、断乳して保育園も順調になるまでは、体つらかったなぁ。起きるのもつらい、病気になってもつらい。あのつらさってエンドレスの、気持ちが滅入る感じの。つらくてつらくて、でも面倒も見なきゃなんないし。

犬山:そうなんです。たまの健康な日、肩も凝ってない、「え、今日喉も痛くない」っていう日はめっちゃ嬉しくて。でもその日にはしゃぎすぎるとまたどうせ熱が出るからって、はしゃぎすぎることもできないっていう感覚でした。

編集K:そういう意味でも「いつ楽になるのか?」はすごく聞きたいことですね。

犬山:いろいろな先輩ママに「このタイミングでこれ楽になったよ」っていう体験談を聞いていきたいです。おっぱいはここで楽になったよとか、仕事はこのタイミングでペースを取り戻せたよ、とか。

編集K:皆ひと段落すると今度は思春期で、とか言いますよね。いつになったら楽になるんだろう……。

犬山:“楽になった年表”が欲しいです。なんか、新しい問題が起こるにしても、それにしたってこの苦労はここで終わりましたよ、みたいなのが。

編集K:魔の3歳児突破とか。夜中の授乳がなくなったとか。

犬山:そうなんですー! いろいろな方に話を聞いて、ものすごく緻密な表作ってみましょう(笑)

構成/kufura編集部 撮影/黒石あみ(小学館)

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