「子どもが3人以上」いる家庭は少数派…
null2015年の『第15回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)』を参照すると、過去40年間で「子ども3人」「4人以上」の割合は、目立って減少しています。
この調査の時点で、夫婦の最終的な子どもの数の平均は「1人(18.6%)」「2人(54.0%)」「3人(17.9%)」「4人以上(3.3%)」という割合になっています。
それでは、子どもが3人以上いる生活とはどのようなものなのでしょうか。できれば“よかったこと”と“大変なこと”どちらも知りたいですよね。
そこで今回は、子どもが3人以上いる女性87人にアンケートを実施。
「子どもが3人以上いてよかったこと」と「大変だったこと」についてうかがいました。
「子育て世代」に聞いた子どもが3人以上でよかったこと
nullまず現役の子育て世代(末子が16歳以下)の女性に、子どもが3人以上いて「よかった」と思うことについて聞いてみました。
(1)子ども同士で遊べる
「3人で楽しそうに遊んでいる姿を見ると、家庭が明るくなってよかったと思う」(子11歳・8歳・6歳/35歳・主婦)
「男の子3人なのですが、お母さん思いだし3人いることでバランスが取れている気がします。家の中でも3人いるので退屈しないみたいで楽しそうです。けんかはしょっちゅうしますが(笑)」(子11歳・9歳・5歳/36歳・総務・人事・事務)
「コロナで学校・保育園が長期間休みになった際、友達と遊べなくても兄弟で家の中でも楽しく遊べていたので、兄弟がいて本当に良かったと心から思った」(子10歳・6歳・5歳/38歳・主婦)
(2)にぎやかで、楽しい
「2人より3人の方が楽しい子育てができた。見守る余裕ができのびのび子育てができてます」(子15歳・13歳・10歳/41歳・主婦)
「それぞれ性格も違い面白いし、とてもかわいい」(子9歳・7歳・5歳/44歳・主婦)
「兄妹で助け合ったり、協力して家の手伝いをしてくれるのは助かるし、3人で冗談を言い合って楽しそうにしてるとうれしい」(子12歳・10歳・8歳/41歳・その他)
(3)夫との絆が強くなった
「いつもにぎやかで、主人との会話も弾みます」(子11歳・9歳・7歳・2歳/40歳・その他)
子ども同士の関係性や、個々の性格の違いを楽しみながら、にぎやかな生活を楽しんでいるとの声が目立ちました。親1人の手ではまわらないために、必然的に夫が育児参加する機会ができ、結果としてパートナーシップが強まったという声も聞かれました。
「子育て世代」が子どもが3人以上いて大変だったこと
null続いて“大変だったこと”についてです。
(1)食費・教育費がかかる
「習い事をたくさんさせたいけど、お金が……。それ以外はバタバタしてるけどそれが楽しい」(子7歳・5歳・5歳・2歳/33歳・主婦)
「食費が莫大にかかるから大変です」(子17歳・12歳・4歳/43歳・主婦)
(2)家事(料理・洗濯・掃除)が大変
「ご飯の支度ですね。年齢に合わせて、ご飯を作らないといけないので、時間がかかります」(子11歳・9歳・7歳・2歳/40歳・その他)
「掃除が大変になる」(子6歳・4歳・1歳/41歳・総務・人事・事務)
(3)子どもたちの行事が重なる
「保育園と小学生なので行事がたくさんあるので大変です。2週続けて運動会とか。後はやっぱりけんかが大変です」(子11歳・9歳・5歳/36歳・総務・人事・事務)
「少し大きくなると、行事が重なったりで大変です。特に3歳差は卒業式と合格発表が重なり、卒業式に集中できないことがありました」(子23歳・20歳・16歳/49歳・主婦)
(4)役員業務が増える
「役員などが子どもの人数だけ回ってくる。この前、上の子の靴を買い替えたかと思ったら、次は下の子の上靴の買い替え……など、出費が落ち着く時がない」(子12歳・10歳・8歳/41歳・その他)
(5)外出・レジャーが難しい
「ホテルなど5人で泊まれるホテルを探すのが大変」(子15歳・13歳・10歳/41歳・主婦)
「年齢差があるので、各々予定がバラバラで家族がそろわない。出かけるときも、行きたい、興味がある場所がバラバラ。経済的にもしんどい」(子16歳・10歳・5歳/41歳・主婦)
“よかったこと”は、「楽しい」「かわいい」「幸せ」など情緒的な回答が目立つのに対し、“大変だったこと”は特定のエピソードが具体的に記されているのが印象的でした。
また、長子と末子の年齢差が近い場合には行事が重なること、年齢が離れている場合にはレジャー計画が難しくなるという声がよく聞かれました。
子育てを終えた女性が実感したよかったこと・大変だったこと
null続いて、末子が20歳以上の女性にも同じ質問を投げかけてみました。子育て期を振り返って「3人以上子どもがいてよかったこと・大変だったこと」についてお聞きしました。
育て終えてしみじみと思う「よかったこと」
「1人ひとり個性は別で苦労もしたが、成人後は心遣いも見られ、3人でよかったと思った」(子44歳・42歳・40歳/69歳・主婦)
「子どもが2人のときより3人になってから自分自身がおおらかになり子育てや家事に余裕が持てるようになった」(子30歳・27歳・20歳/50歳・その他)
「心配も増えるが、愛情も増える」(子41歳・39歳・36歳/63歳・その他)
「3人で社会ができる」(子27歳・25歳・22歳/59歳・主婦)
「3人が大人になってから、私のことを気にかけてくれるようになったこと」(子27歳・26歳・24歳/55歳・その他)
「子どもたちがいろいろ相談しあっていることをきいたとき」(子48歳・46歳・45歳/72歳・主婦)
「子ども同士が連絡を取り合って仲良くしている」(子28歳・25歳・20歳/54歳・主婦)
3人以上で大変だった「家事」「家計」「余裕」
「子育ての頃、仕事もしていたので、保育所の送り迎え、学校の行事、部活の付き合いなど3人分あり、とても忙しかった」(子47歳・46歳・42歳/70歳・その他)
「1回の買い物の量が多く休みの日は買い物に時間がかかった。洗濯の量も多く雨でも洗濯をしなければならなく家中服だらけでした」(子36歳・ 33歳・ 28歳/64歳・主婦)
「夜勤の仕事をしながらの子育てだったので朝早くにおむつを洗うために起きたり、寝不足だったりと大変だった」(子44歳・42歳・40歳/69歳・主婦)
家事や家計が大変という声が目立ちますが、子どもたちが成長した後は、何かの形で別の喜びが返ってくることもあるようです。
今回は、「3人以上の子どもを持つ女性」の声をうかがいました。
大変だけど、楽しい。にぎやかだけど、休まらない。そんな声が多く聞かれました。
親の協力の有無、夫の家事・育児参加の割合、子どもの年齢差、性別、教育の志向などによって子育ての大変さはずいぶん変わってきます。
それぞれの家庭で状況は異なると思いますが、多くの家庭では“大変なこと”を受け入れながら、”楽しい気持ち”もかみしめつつ日常生活を送っているようです。
【参考】