他の子どもの成長に、なぜかモヤモヤ…!?
null北川:子どもを育てていると、いろんな“標準”にぶち当たりますよね。成長曲線とか、立つ時期とか、おむつはずれの時期とか。そこから外れると、ちょっと焦ったりすることありませんか?
編集K:うちは成長がゆっくりのタイプだったから、やっぱり焦ったなー。あと、卒乳やトイレトレーニングのときに、周りの空気とか人からかけられた言葉に、なんとなく「あれ?うちって遅い?」なんて思うことってありますよね。
犬山:以前、子育て雑誌の方にお話を聞いたときに、子育て中のママがSNSの投稿でモヤモヤするのが、「○○ちゃんが△△できたよ!」といったものらしいんですよ。自分の子と比べてしまうから、子どもの発達の“遅い・早い”で思いつめてしまうのは、よくあることだと思う。
編集S:私、もし子どもがいたら思いつめちゃうかも……。変な言い方だけど、子どもの発達の早い・遅いが、自分の子育ての成功・失敗みたいに感じてしまう気がします。
編集K:うんうん、本当はそうじゃないと分かってるのに、その感覚になってしまうところはあるのかも。
北川:子育てにおいて、明確な答えがない場合、どうしても問題の原因を何かに結論づけたくなるっていうのはありますよね。逆に、子育て成功者の“勝因”を何かに関連づけたり。
ママが「私のせいかも…」と思い詰めてしまうのはなぜ?
null編集K:以前、子どもの成長に関して、「私のせいなのかな」と悩んでいたときに、保育園に優しく笑い飛ばしてくれる先生がいたんですよ。「大丈夫よー、いい子よー、ちゃんとやってるわよ!」って。もうね、泣けた。
全員:そういうの、ありがたい!
編集S:親から見たら、自分の子しかわからないけど、保育士さんは、たくさんのケースをみているから、「ちょっと遅めでも、どうってことない」という声かけは重みがありますね。
犬山:たくさんのケースを見ている人に言われると、本当に安心できますね。
他の子と比べちゃうのは、子育てに必死だから比べちゃうし、子どものことを思っているからつらくなるんですよ。自分だけで子育てしていたら、「全部自分のせい」と思い詰めてしまうけど、お父さん、おばあちゃん、おじいちゃん、保育園の先生、みんなが子育てに参加すれば、そこまで思い詰めなくなると思う。
今、人の助けが借りにくい状況になっているから、余計にお母さんたちが悩むようになっちゃってるんじゃないかな。
編集K:悩んだとき、一緒に考えたり、一緒に笑ってくれる人がいるかいないかって、本当に大きい問題ですよね。
根拠のない「経験論」がママを追い詰めることもある
犬山:あと、まだまだ医学的に正しくないふわふわとした根拠のないことが世の中にまかり通っているし、周りの人からかけられた言葉もママの心を大きく揺さぶることがあるのかも。子育て経験者のアドバイスは、一般論にせずに、できれば主語を一人称にして欲しいと思う。
北川:経験にもとづいて、「子どもっていうのは」「親っていうのは」という話をかなり聞いてきたし、話したくなる気持ちもわかる。でも、それは1つの経験にしかすぎない場合もあるんですよね。
犬山:あとおしなべて、お母さんが孤独な状況って本当によくないと思う。夫がいたとしても、全然育児に無関心な場合もあるだろうし。
「うちの子はできないのに、あの子はできる。もしかして私のせいなのかな」って考えると余計に辛くなって、“ひがみ”とかのネガティブな感情が発散されないまま、くすぶったりすると思うんですよ。まず、「自分が悪い」という考えをやめるには、どうしたらいいんだろう。これについては、本当に考えなくちゃならないところですよね。
今回は、いつになくシリアスな空気の会議。それも、多くの親たちが抱える悩みゆえなのかも……。次回は、ママ達が不安になる原因についてもう少し掘り下げていきます。
構成/北川和子