3人に1人が待機児童の現実
今や、妊娠中から始めることも珍しくなくなった“保活”。認可保育園からはじまって、認証、無認可など、みなさんいろんな園を調べたり、見学に行ったりと大忙しですよね。
東京23区でみてみると、2017年4月現在、千代田区の待機児童ゼロを除く22区で待機児童がいる状況で、ワースト1位が世田谷区、2位が目黒区、3位が大田区と、この3区だけでもあわせて約2,000人の児童が待機をしている状況です。
行政で保育園の増設を検討しても、近隣住民の賛同を得ることができず、建設をあきらめるケースや、慢性的な保育士不足など、なかなか抜本的な解決には至っていないのが現状です。保育園に入りたい人と働きたい人の需給バランスがよくない点も大きな問題のようですね。
「ポイント制度」双子の場合の配慮はある?
認可保育園に入園させるための基準として、多くの市町村が採用しているのは、「ポイント制度」です。フルタイム勤務で何点、すでに仕事に復帰をしていて何点と、加点をしていく方式です。
また、逆に保育園に預けるために不利になる点、例えば、育児ができる祖父母と一緒に住んでいる場合などは、マイナス何点などの減点をしていきます。プラスマイナスを合計したポイント数で入園ができるかどうかが決められています。
ただし、このポイントになる基準はそれぞれの自治体で大きく異なり、また年度によっても変更点が多いため、自分が住んでいる自治体に、今の状況をよく確認することをおすすめします。
双子を認可保育園に入園させるとき、自治体の保育園入園の担当者から、希望として聞かれることが多いのは、
「双子は同じ園でなくてはならないか? 別々の保育園でもいいか?」
「双子のどちらかだけの入園でもいいか?」
「どちらか片方しか枠がない場合は、どちらとも入園させずに待機をするか?」
といったことです。筆者はその点を確認されたとき、目がテン?という状況になった記憶があります。
たしかに兄弟姉妹で別々の園に通っているケースは見かけますが、双子で別々の園に入れているという話はあまり聞いたことはありません。
双子を離れ離れにする抵抗もありますし、何よりも別々の園では、ママの負担も大きくなります。もちろん双子以外の兄弟姉妹も同様ですが、仕事に家事に双子育児、そして、別々の園に毎日送り迎えでは、そう遠くない時点でパンクしてしまいそうです。
筆者の所属する双子サークルでは、そういった問題を少しでも解消するために、数年前、サークルで出た意見を元に区議会に掛け合いました。結果、双子以上の入園を希望する際に、1点加点をしてもらうことになったという経緯があります。
双子の入園に関して加点があるかどうかは、それぞれのお住まいの地域によって変わってきます。入園のしおりを確認し、明記されていなければ窓口の担当者に問い合わせてみましょう。
晴れて入園!でも、ここにも双子の宿命が待っていた…
晴れて入園が決まり、双子は保育園に通う日々。ただ、入園したばかりの頃によくもらってくるのが“風邪・ウイルス”です。
これが双子の場合、必ずといっていいほどもう1人にうつります。しかもすぐにではなく、多くが時間差なのです。1人が治りかけて快方にむかっているころにもう1人がダウン。筆者の場合、結果として1度の風邪につき2週間くらいはお休みしていました。
筆者の周りのママも、入園して1年目はトータル半分くらい通園できなかった、毎月半分くらい休んでいた……、などの声もあがりました。
そうなると必要になってくるのは、病児保育のバックアップです。病児保育を扱っているシッターさんの確保は必至です。なかには、双子は見られないというシッターさんもいますので、早めに対応できる人を探しておきましょう。
保育料は2倍必要?
双子で入園する場合の認可保育園の保育料は、兄弟姉妹と同じ扱いになるところが多いです。
最近では、2人目以降の保育料は半額になる自治体や、東京港区の場合は、なんと2人目以降無料など、必ずしも2人分きっちりと支払う必要がないところが増えています。
ただし、認証や無認可だとそういうわけにはいかないので、2人分の保育料が必要になることが多いです。割引があっても入園料のみというところが多く、双子ママはなんとか認可に入れたいと願う人が多いようです。
双子の保育園問題を見てきましたが、いかがでしたか?
筆者の場合は1年間待機をして、1歳児クラスから認可保育園に入れました。それまでは自宅で双子育児をしていたのですが、双子の場合は、育児も家事も2倍なので、ママは家の中でも結局大忙し。一緒にはいるけれど、意外にも子どもと真正面に向き合う時間が少ないことに気がつきました。
双子を預けて仕事に復帰する後ろめたさや、いわゆる3歳児神話など、世間にはいろんな意見や考え方があります。しかし、忙しくて真正面から向き合えないママよりも、保育士さんがしっかりと向き合ってくれていたら、子どもはもっと楽しいのではないかという思いもあり、夫婦でよく話し合って保活に臨みました。
いずれにしても双子は、お友達や先生に会えることを楽しみに通園していて、今となっては保育園に入れてよかったと思います。子どもの笑顔が多ければ、やっぱりママとしても嬉しいですよね。
【参考】