7割以上が「老後は今よりつつましくなる」と回答
昨年12月に発表された生命保険文化センターの「生活保障に関する調査(平成25年度)」によると、老後の生活がそれまでの生活と比較してどのように変化するかを約4,000人に質問したところ、これまでよりも「つつましい生活」と答えた人が71.8%にのぼった。
20年前の同じ調査は46.6%だったとのことで、なんと1.5倍に増加しているのだ。
ちなみに、「同じ程度の生活」と答えた人は20.4%、「経済的に豊かな生活」と答えた人は、わずか1.8%であった。
老後資金について見て見ないフリ!?
この調査で、“老後に不安を感じている”と答えた人が9割近くにのぼっているにも関わらず、老後資金を何らかの手段で「準備していない」人は、35.5%にのぼった。
この調査結果をうけて、ニッセイ基礎研究所の主任研究員・北村智紀さんは、将来、老後資金が足りなくなる“老後難民”の増加を危惧している。
北村さんは、老後資金を準備しない主な理由として、“貯蓄に回す余裕がない”、“老後資金についての知識不足”、“現在の満足度を高めることに重きを置いてしまう”、などをあげている。
また、たとえ高収入であっても、教育費にお金をかけすぎたり、贅沢な商品やサービスを消費することで、老後資金を準備していない家庭もみられるという。
今からできる対策は?
誰しも、突然ライフスタイルをガラリと変えるのは難しいだろう。そこで会社員の方であれば、毎月少しずつでも、給与天引きや年金保険を使って積み立てを始めることをオススメしたい。
一方、退職金が得られないために不安を募らせるフリーランスの方は、“小規模企業共済”を利用して退職金の準備をしたり、確定拠出年金などを利用しコツコツと老後資金を積み立てておいた方がいいだろう。
また、子どもを持つ方は、教育費などを過剰にかけすぎていないかを見極め、今後の“貯め時”“使い時”を長いスパンで計画してみよう。
以上、働く女性のための“老後資金の対策方法”についてお届けしたが、いかがだろうか?
「今を充実させたい」「今しかできないことをしたい」いう気持ちは誰にでもあるだろう。しかし、確実に“老後”は近づいている。“宵越しの銭を持たない”タイプと自覚している方ならなおさらのこと、今使える制度によって“積み立てざるを得ない状況”を作っておいた方がいいだろう。
【参考】
※ 平成25年度「生活保障に関する調査」(平成25年12月発行)- 公益財団法人生命保険文化センター
2015/1/19 BizLady掲載